託児所の開業・経営は儲かる?助成金や必要な資格・開業資金と失敗例も解説
独立・開業
早期退職したその後の選択肢・失敗例・失敗しないための5つのポイント
早期退職をしたいと考えている人は最近増えていると感じます。しかし、早期退職をした後はどのように生きていけばいいのか気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、早期退職後の選択肢や失敗例、失敗しないためのポイントについて解説します。これから早期退職したい方は参考にしてください。
この記事の目次
早期退職とは?
早期退職は「早期優遇退職制度」のことで、労働者が通常よりも早い時点で仕事を辞め、退職金を通常より多く受けとることを指します。
これは、会社の経営不振で人件費を削減するために行われることが多いです。
早期退職の候補として多い年齢が40~50代です。近年、業績が好調な企業でも、早期退職者を募集する企業が増えています。これは、バブル時代に社員がかなり増えたことで、会社の構造を整理することを目的としています。
2018年の厚生労働省のデータによると、早期退職優遇制度で受け取る退職金の平均額は、2,326万円(45歳以上かつ勤続20年以上)となっており、定年まで働いて得られる退職金1,983万円より約20%多かったです。こちらは会社によって金額は異なります。
早期退職を実施する企業は増えている
早期退職の募集を行う企業の数は毎年増えています。東京商工リサーチの調査によると、早期退職を募集した上場企業は2020年に41社だったのが、2021年には56社にまで増えています。
大きな原因の1つが、コロナ渦での経済活動の鈍化です。多くの会社はコロナ渦で通常の活動ができず、売上が落ちました。その結果、コストカットをしなければならず、早期退職者の募集が増えたのです。
2022年からコロナが収束して元の生活に戻りつつありますが、世界情勢や経済が不安定なので、今後も早期退職者の募集を行い続ける企業は増えていきそうです。
早期退職する3つのメリット
早期退職をすることで得られるメリットがあります。ここでは、早期退職の3つのメリットに焦点を当て、それぞれのポイントについて解説していきます。
退職金を通常よりも多く受け取れる
早期退職の最初のメリットは、通常よりも多くの退職金を受け取ることができる点です。
通常、退職金は長く務めたほうが受け取れる金額も増えますが、早期退職者の場合は、早く退職した方が多くもらえるのです。
会社としては少し多く退職金を払ってでも、辞めてもらったほうが長期的な人件費を削減できるため、このようなシステムを導入しています。
再就職サポートを設けている会社もある
次の早期退職のメリットは、再就職サポートをしてくれる点です。
一部の企業は、従業員が早期退職を選択した場合に、再就職先を見つけるためのサポートやトレーニングを提供しています。
例えば、グルー会社や似たような会社を紹介してくれたりします。辞めた後、再就職で悩む方が多いので、サポートがある場合は積極的に活用すると良いでしょう。
失業保険を多く受け取れる
最後に、早期退職のメリットとして挙げられるのは、失業保険を多く受け取れる点です。
多く受け取れるだけでなく、通常よりも早く受け取ることもできます。失業保険は、仕事を辞めた際に一定期間支給される給付金の一種であり、早期退職者にも適用されます。
厚生労働省で定められている会社都合退職時の給付額は以下の通りです。
被保険者期間 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
自己都合退職の場合、給付額がこれより少なく、失業保険も3カ月程度たってからの給付となります。
早期退職したその後の4つの選択肢
早期退職後、多くの方がとる選択肢を4つ紹介していきます。ここでは、早期退職者が選択肢として持つべき4つのポイントに焦点を当て、それぞれの選択に伴うメリットや注意点を解説します。
再就職する
最初の選択肢は、再就職です。
早期退職後も新しい職場で働くことで、社会とのつながりを保ちながら経済的な安定を図ることができます。
また、今までとは異なる業種や職種で働くことで、新たな能力やスキルが身につき、キャリアを再スタートできます。ただし、新たな環境への順応が必要であり、前職とは異なる業種や職種に踏み込むと覚えることも増え、大変でしょう。
独立・起業する
次に考えられる選択肢は、独立または起業です。
早期退職者で多い年齢は40~50代なのでで、これまでの経験やスキル、人脈を活かして独立・起業する人もたくさんいます。ちなみに、独立する人で一番多い年齢は40代です。
50代になると定年の年に近づき、体力もなくなってくる頃なので、体力、経験値、スキル、人脈、資金力的にも40代が一番年齢なのでしょう。
セミリタイアする
セミリタイアは、仕事を完全に辞めずに一部働きながら余生を楽しむ選択肢です。
この選択は、仕事と趣味や家族との時間を両立させたい人に適しています。しかし、財政計画が重要であり、今後の生活費や老後生活について事前に考えておく必要があります。
第二の人生を楽しむ
最後に考えられる選択肢は、第二の人生を楽しむことです。
これは趣味や旅行、勉強など自分が好きなことに時間を費やすことです。
この選択を取る人で、新たな経験をしたり、チャレンジするのであればいいのですが、何も考えずに働かなくなるのはリスクがあります。
理由はいくつかありますが、1つに社会から疎外された感覚になり、孤独感を感じる可能性があります。また、長期間何もしない期間が続くと、何かに挑戦しようとなりにくくなるので、注意が必要です。
早期退職でよくある5つの失敗例
早期退職は適切な計画がないと、予想外の失敗が待ち受けていることもあります。ここでは、早期退職者が避けるべき5つの失敗例に焦点を当て、それぞれのポイントについて解説します。
給料が減り生活がしんどくなる
最初の失敗例は、給料が減り生活がしんどくなることです。
早期退職により収入が減少する人が多いので、生活費や将来の貯蓄計画を見直す必要があります。計画的に行動せずに収入面での変化に対処しないと、生活が厳しくなる可能性があります。
特に、退職金で大きな金額を受け取ることになるので、お金持ちになった気分で散財しないように注意が必要です。
良い条件で再就職できない
次に考えられる失敗例は、良い条件で再就職できないことです。
再就職が難しくなる原因は様々でありますが、40~50代は転職のハードルが高くなります。同じようなスキルや実績の場合、企業はどうしても長く働けそうな若い子を採用しようとするからです。
また、数十年間働いていても卓越した能力やスキルがある方は意外とそこまで多くないものです。そのため、再就職のサポートをしてくれる会社であれば、辞める前に就職支援をしてもらいましょう。
再就職先で上手くいかない
再就職先で上手くいかないことも一つの失敗例です。
新しい職場環境に適応できなかったり、適切なコミュニケーションがとれなかったりすることがあります。これは、今まで同じ会社でずっと働いてきて、急に環境が変わってしまうと対応できないからです。
これを防ぐためには、転職前に環境や企業文化についての情報を収集し、会社ごとに環境や風習が異なることを知っておくことが大切です。
独立・起業したが経営に行き詰まる
次に、独立・起業後に経営に行き詰まることがあります。
自分で事業を起こすことは良いことですが、会社員とは働き方や考え方が異なります。今まで長期間会社員として働いてきた方は、独立・起業前に経営の勉強をしておくのがおすすめです。
家族との関係が悪化する
最後の失敗例として挙げられるのは、家族との関係が悪化することです。早期退職前にしっかり家族と話し合いしておきましょう。
早期退職により家庭の経済状況が不安定になることやこれからどうしていくのかを決めておかないと、揉めたりトラブルになるかもしれません。
早期退職して失敗する人の3つの特徴
早期退職で失敗する人には特徴があります。ここでは、特徴を3つに絞って、それぞれのポイントについて解説します。
早期退職後の目標や目的がない
1つめは、早期退職後の目標や目的がないことです。
退職後、自分のやりたいことや達成したい目標が不明確であると、何をすべきか迷いやすくなります。
そして、長期間仕事をせずに過ごしてしまうことになりかねません。長期間何もしないと仕事をする意欲も減り、貯金がすり減っていくだけです。
これを防ぐためには早期から自分の人生においての価値観や目標を明確にすることが重要です。
再就職できるスキルや武器がない
次に挙げる特徴は、再就職できるスキルや武器がないことです。
新しい職場や環境で必要なスキルや知識が不足していると、再就職が難しくなります。特に、40~50代で体力も少なくなる年齢なので、採用しようとする企業は少ないでしょう。
これを防ぐためには、早期に自分のスキルを見直し、必要なら新しいスキルを身につける努力が求められます。
自分の市場価値を過大評価している
最後に挙げる特徴は、自分の市場価値を過大評価していることです。
これはよくあるパターンで、自分の会社ではそこそこ活躍していた方が、就職活動で上手くいかないことが多々あります。
理由は様々ですが、例えば、営業成績が良かったのは個人の力が優れていたのではなく、会社のネームバリューのおかげで契約が取れていたという理由も多いです。
ただ、それ自体が悪いというわけではないですが、自分の力を過信しすぎると再就職が上手くいかなかったときに大きく落ち込んでしまう可能性があるので、注意しましょう。
早期退職で失敗しないための5つのポイント
早期退職で失敗しないためには、慎重な計画と準備が必要です。ここでは、早期退職で失敗しないための5つのポイントに焦点を当て、それぞれのポイントについて解説します。
早期退職後の目標やキャリアプランを考えておく
初めてのポイントは、早期退職後の目標やキャリアプランを考えておくことです。
最初のほうにお伝えした早期退職後の選択肢から、自分の進む方向を決めると良いでしょう。できれば、具体的にすることや就職する場所を決めておくと安心です。
家族からの理解を得ておく
次に考えるべきポイントは、家族からの理解を得ておくことです。
早期退職は家族全体に影響を与えることがあります。家族が理解してサポートしてくれる状態を整えることで、安心して新しい生活に臨むことができます。
貯金や資産形成をしておく
次のポイントは、貯金や資産形成をしておくことです。
退職時に退職金が支払われますが、そのお金でずっと暮らしていくのは厳しいです。そのため、貯金や資産形成をしておきましょう。
特に、資産形成をしておくことで、リスクはありますが、銀行にお金を入れておくだけよりはお金が増えやすいです。
副業などで収入源を確保しておく
次に挙げるのは、副業などで収入源を確保しておくことです。
早期退職をすると、一時的ではありますが、輸入がなくなります。完全な収入の喪失を防ぐためにも、副業などで収入源を確保しておくといいでしょう。
本業で得たスキルや知識を活かしたり、自分ができそうなことに取り組むことをおすすめします。
再就職活動を始めておく
最後のポイントとして挙げるのは、再就職活動を始めておくことです。
これは、再就職する方に限りますが、退職してすぐに再就職できるとは限りません。そのため、早めに就活を始めておくことで、心に余裕が生まれるでしょう。
早期退職すると年金受給額が減る
早期退職をすると年金受給額は減ってしまいます。
日本の年金制度は国民年金と厚生年金の構成になっています。厚生年金は、会社員や公務員のための年金制度です。
もし、早期退職すると会社員ではなくなるので、その分年金で受け取れる金額は減ってしまいます。
ただ、再就職すると再び厚生年金に加入できるので、就職した期間からの年金を受け取ることができます。
まとめ
本記事では、早期退職について詳しく解説しました。
早期退職は、普通の退職時期より早く退職することで、通常の退職金よりも多くの金額を受け取ることができます。
しかし、退職後は再就職が難しく、今後のプランが決まっていないと生活が厳しくなっていく可能性があるので、注意が必要です。
早期退職でよくある5つの失敗例
・給料が減り生活がしんどくな
・良い条件で再就職できない
・再就職先で上手くいかない
・独立・起業したが経営に行き詰まる
・家族との関係が悪化する
早期退職で失敗しないための5つのポイント
・早期退職後の目標やキャリアプランを考えておく
・家族からの理解を得ておく
・貯金や資産形成をしておく
・副業などで収入源を確保しておく
・再就職活動を始めておく
詳細は本文で解説しているので、早期退職について知りたい方は参考にしてください。
この記事に関連するキーワード
シェアする
https://ikuraya.jp/fc/column/independence/early-retirement-and-future
URLをコピー
この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。