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独立・開業
クレープ屋を開業すると儲かる?平均月収や成功するためのポイントを解説
クレープ屋の開業は、計画的に開業することで、初めての開業でも収益を上げることができるビジネスです。この記事では、開業までの準備や開業資金、成功するためのポイントについて解説します。
この記事の目次
クレープ屋を開業する2つの方法
クレープ屋を開業するには、個人で独立して開業する方法と、既存のフランチャイズに加盟する方法の2つの主要な選択肢があります。それぞれの方法には、利点と欠点があり、どちらが最適かはその人次第です。ここでは、それぞれの方法の特徴と考慮すべき点について詳しく説明します。
個人で開業する
個人でクレープ屋を開業する方法は、独自のビジョンを持つ人々にとって魅力的な選択肢です。以下は、個人でのクレープ屋開業の特徴と考慮すべき点です。
特徴
個人で開業することで、ビジネスのすべての側面を自分でコントロールできます。メニュー、価格設定、営業時間などを自由に決定でき、自分の理想の経営をできます。
資金面なども含め小さく始めることができるので、始めやすいです。
考慮すべき点
個人で開業する場合、すべての責任が自分にかかります。資金調達、営業戦略、集客なども自分で行います。
経営が軌道に乗っているときは良いですが、売り上げが落ちたり、トラブルになった時は問題を解決する能力も必要でしょう。
フランチャイズで開業する
フランチャイズでクレープ屋を開業する場合、既存のブランドと提携し、そのブランド名、サポート、システムを活用します。以下は、フランチャイズ開業の特徴と考慮すべき点です。
特徴
既存のフランチャイズブランドを使用することで、集客で困ることが少ないです。また、本部からトレーニング、マーケティング支援、運営サポートを受けることができます。
このサポートにより初めての経営であっても、不明点や改善点に的確にアドバイスがもらいながら、事業を進めていくことができます。
考慮すべき点
売り上げの一部を本部にロイヤルティ料として支払う必要があります。また、フランチャイズ契約に従う必要があるため、自由度は制約されます。
独自のアイデアやメニューの導入が難しく、自分の理想の店を作り上げれない場合が多いです。
クレープ屋の営業形態
クレープ屋を経営する際、営業形態を選択することは非常に重要です。クレープ屋の営業形態には、主に「店舗で営業する」方法と「キッチンカーで営業する」方法の2つがあります。それぞれの特徴や考慮すべき点について、わかりやすく説明します。
店舗で営業する
「店舗で営業する」とは、一つの場所にクレープ専門店を設け、お客様が店内でクレープを購入する形態です。これにはいくつかの利点があります。
一つの場所に固定して営業するため、お客様があなたの店を探しやすく、安定した収益を期待できます。店の広さは狭くても営業できるので、賃料は削減できます。また、立地が良いところでOPENできれば、有名になり繁盛するでしょう。
キッチンカーで営業する
「キッチンカーで営業する」方法は、移動式のキッチンカーを使用してクレープを販売するスタイルです。これにも独自の利点があります。
場所を移動できるため、需要の高いイベントや場所に出店することができます。いろんな顧客に認知してもらえ、珍しいので買ってもらいやすいです。ただ、少し天候や気候に左右されやすいところはあります。
クレープを開業するのに必要な資格
クレープ屋を開業する際には、いくつかの資格や許可が必要です。これらの資格は、お客様の健康と安全を守り、ビジネスを合法的に運営するために不可欠です。以下では、クレープ屋を開業するために必要な2つの主要な資格について説明します。
食品衛生責任者
クレープ屋を開業するときに、1人以上は在籍していないといけない国家資格です。オーナーが自分で取得するか、従業員に取ってもらうか、資格保有者を雇うことが必要です。各都道府県で行われている講習を受講終了して、保健所に申請することで資格を取得できます。または、栄養士、調理師、製菓衛生師などの資格を保有している方は、保健所に申請するだけで大丈夫です
飲食店営業許可
飲食店を営業するためには、飲食店営業許可を保健所に申請する必要があります。申請の前に食品衛生責任者を取得しておかないといけませんので、早めに準備しておきましょう。申請後、間取りや立ち入り検査等での審査が通れば、無事許可証が交付されます。
開業方法 | 必要な営業許可の種類 |
店舗開業 | 飲食店営業許可 |
キッチンカー | 食品営業自動車業 |
飲食店営業許可は地域によって異なるので、しっかり確認しましょう。
クレープを開業するのに必要なもの
クレープ屋を開業するためには、いくつかの必要なものや設備があります。これらは、ビジネスをスムーズに運営し、お客様に美味しいクレープを提供するために不可欠です。以下では、クレープ屋を開業するのに必要なものについて詳しく説明します。
クレープを焼くための機械
まずは、クレープを焼くための専用機械を入手することです。これは、生地を均等に広げ、焼き上げる機械で、電気式とガス式の2つがあります。以下に特徴をまとめました。
種類 | メリット | デメリット |
電気式 | ・温度調整がしやすい
・熱気が少ない ・初心者にも使いやすい |
・値段が高い
・焼いている間に温度が下がる |
ガス式 | ・値段が安い
・火力が強く速く焼ける |
・温度調整が難しい
・火力が強いので、焼き場が暑い |
鉄板の厚みも重要で、厚みがあると温度が下がりやすいので、最低でも6mm以上の暑さのものを選びましょう。
備品や消耗品
クレープ屋を運営するためには、備品や消耗品も必要です。
・冷蔵庫
・おたま
・ボウル
・保存容器
・トンボ(生地を伸ばすための道具)
・ミキサー
・スパチュラ(クレープをひっくり返す器具)
などがあります。
材料
クレープを作るためには、材料が欠かせません。主要な材料には小麦粉、卵、ミルク、バターなどが含まれます。
また、トッピングとして、フルーツ、チョコレート、クリームなども必要です。材料費は常にかかるものなので、できるだけ安くて信頼できる業者を選びましょう。
キッチンカーor物件
クレープ屋を運営する場所を選ぶことが重要です。選択肢として、キッチンカー(移動販売車)を使うか、固定の物件(店舗)を借りるかがあります。
キッチンカーは移動ができ、イベントや人の集まる場所でクレープを提供するのに適しています。基本的に軽トラや軽バン、普通車のバンを改造しますが、どの車を選ぶかは大切です。例えば、軽トラで安い車を買っても、狭い空間で調理がしにくければ長期間の営業は難しいです。
物件を借りる場合は、地域や周辺環境を考慮しましょう。駅から近く、人通りの多い場所のほうが集客しやすいでしょう。また、SNS映えする内装や外装にすることで、若い子は集まりやすいです。
キャッシュレス決済機器
現代のビジネスでは、キャッシュレス決済機器も必要です。顧客がクレジットカードや電子決済で支払うことができるように、機械を導入しましょう。
クレープ屋を開業するのに必要な資金は?
クレープ屋を開業するには、必要な資金を計画することが不可欠です。資金計画は、ビジネスの成功に向けて大きな役割を果たします。ここでは、クレープ屋を開業するために必要な資金について、店舗の場合、キッチンカーの場合、そしてフランチャイズで開業する場合に焦点を当てて説明します。
店舗の場合
店舗での開業の場合、開業資金の目安は250~600万円ほどです。
項目 | 資金 |
物件取得費 | 100~150万円 |
外装・内装工事費 | 100~250万円 |
厨房設備費 | 50~150万円 |
材料費 | 10~30万円 |
計 | 260~580万円 |
キッチンカーの場合
キッチンカーでの開業の場合、開業資金の目安は300~750万円ほどです。
項目 | 資金 |
車両取得費 | 150~300万円 |
外装・内装工事費 | 100~250万円 |
厨房設備費 | 50~150万円 |
材料費 | 10~30万円 |
計 | 310~730万円 |
フランチャイズで開業する場合
例えば、Dipper Danというクレープのフランチャイズを見てみます。フランチャイズ契約金と店の出店費用を合計すると、1,550~1,950万円です。
フランチャイズ加盟契約関連費用
加盟金 | 200万円 |
店長研修費 | 50万円 |
デザイン料 | 50万円 |
保証金 | 100万円 |
計 | 400万円 |
出店関連初期投資費用
内装・設備関係 | 700万円〜900万円 |
什器・備品関係 | 400万円〜600万円 |
POSレジ | 50万円 |
計 | 1,150万円~1,550万円 |
(引用元:Dipper Dan)
フランチャイズ本部によって異なるので、しっかり比較、確認しておきましょう。
クレープ屋を開業すると儲かる?月収シミュレーション
クレープ屋を開業することに興味がある方々にとって、ビジネスの収益性は非常に重要な要素です。それでは、クレープ屋の開業について、収益性や月収のシミュレーションについて詳しく見ていきましょう。
売上
以下の条件を元に売上をシミュレーションしてみましょう。
クレープの単価 1個500円
月の営業日数 25日/月
平日の売上 60個
休日の売上 100個
平日 500円×17日×60個=510,000円
休日 500円×8日×120個=480,000円
1か月の売上 510,000円+480,000円=990,000円
利益
1か月の経費を計算していきます。
賃料 100,000円
材料費 198,000円(原価率20%を想定)
水道光熱費 247,500円(原価率25%を想定)
雑費 19,800円(原価率2%を想定)
宣伝費 49,500円(原価率5%を想定)
合計614,800円
990,000円-614,800円=375,200円
つまり、1人で開業した場合は375,200円が月収となります。
もし、2人以上で営業する場合、人件費がかかるので、スタッフを雇う場合はシミュレーションをしてから計画的に行いましょう。
クレープ屋の開業時に役立つ資金調達法
クレープ屋を開業する際、必要な資金をどのように調達するかは非常に重要です。資金調達法にはさまざまな方法がありますが、初心者でも理解しやすい方法を以下で詳しく説明します。
金融機関からの融資
金融機関からの融資は、主に銀行や信用金庫からお金を借りることが多いです。融資してもらうには、しっかりとした事業計画書が必要なので、準備しておきましょう。
しかし、初めての方やかなり小規模の方は審査が通りにくいので、以下の日本政策金融公庫からの融資がおすすめです。
日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫での融資は、初めての人も審査が通りやすくおすすめです。
「新規開業資金」融資は、保証人や担保なしで最大7,200万円の金額を借りることができます。また、借入の際は、一定の自己資金の拠出も求められます。
創業補助金・助成金の活用
政府や各自治体が新規事業者を支援するために創業補助金や助成金を提供しています。
日本政策金融公庫からの融資よりは金額が少ないですが、返済する必要がありません。各補助金や助成金によって満たすべき条件が異なるので、しっかり調べておきましょう。
家族や知人から借りる
家族や友人からお金を借りる方法もあります。これは、信頼関係がある人から資金を調達することです。低金利または無利子で借りることができる場合があり、返済条件が柔軟であることが多いのが特徴です。
しかし、お金を借りることは、関係を悪くする可能性があるため、注意しましょう。また、お金を返済する責任がありますので、返済計画をしっかりと立てることが重要です。
クレープ屋を開業するメリット
クレープ屋を開業することには、多くの魅力的なメリットがあります。以下では、クレープ屋を開業する際のメリットについて詳しく説明します。
珍しいので売れやすい
クレープは好きな人が多いですが、どこにでもあるデザートではありません。この珍しさが、顧客の興味を引き、売上を伸ばす一因となります。
原価率も低く価格が安定しているので収益が出やすい
クレープの原価率は20~25%なので、他の飲食店の30%前後に比べて原価率が低く、収益を出しやすいです。また、価格が安定しているので、競合との価格競争も起きにくいのも特徴です。
1年中売れる
クレープは季節に左右されず、1年中提供できる商品です。夏にはフルーツたっぷりのクレープが人気であり、冬には温かいクレープが好まれます。もちろん、季節限定商品もあるので、飽きずに楽しむことができます。
人気が高くイベントにも出やすい
クレープは人気が高いため、キッチンカーでのクレープ屋は各種イベントやフェスティバルに出店する機会が多くあります。これにより、多くの人々に商品を提供し、新しい顧客を獲得できます。特に、イベントは若い方や子連れも多いので、売れ行きは好調です。
買取出店の依頼も多い
クレープ屋は、商業施設やイベント主催者からの買取出店の依頼も多いです。買取出店は、あらかじめ1日の報酬を決めた形で企業からイベント出店を依頼されることです。車のディーラーや住宅展示場などが、集客をする目的で出店依頼をします。
アレンジしやすい
クレープはバリエーション豊富なメニューを提供できるため、アレンジがしやすいです。新しいトッピングやフィリングを考案し、顧客を驚かせることができます。写真映えする商品を開発することで、単価を上げても売れやすくなるでしょう。
シンプルな工程で調理しやすい
クレープの調理工程は比較的シンプルで、特別な料理のスキルを必要としません。最初は練習が大変ですが、初心者でもマスターでき、効率的に調理できます。
クレープ屋を開業するデメリット
クレープ屋を開業することには多くの魅力がありますが、デメリットも忘れてはいけません。以下では、クレープ屋を開業する際のデメリットについて詳しく説明します。
慣れるまで調理が難しい
クレープの調理は、慣れたらシンプルな作業ですが、初めての経験者にとっては難しいことがあります。特にクレープ生地をうまく焼くためには熟練の技術が必要です。生地の薄さや均一な焼き加減を実現するのは、最初は難しいかもしれません。
提供に時間がかかる
クレープは注文を受けてから調理するため、提供に時間がかかります。特に混雑時には待ち時間が長くなることがあります。顧客は待ち時間を不快に感じることがあるため、回転率を上げることが求められます。
客層が若い世代に絞られる
クレープは一般的に若い世代に人気があります。そのため、特に年配の顧客層には受け入れられにくいことがあります。店を構える場所をショッピングモールや若い方が来る場所を選び、売り上げアップに努めましょう。
原価率は低いが単価は高くない
クレープは材料費が比較的安いため、原価率は低いです。しかし、単価が高いわけではありません。クレープはだいたい1人1つしか買わないので、トッピングや高単価な商品を買ってもらう工夫も必要です。 とにかく数を買ってもらう必要があるでしょう。
クレープ屋を成功させるためのポイント
クレープ屋を成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえることが必要です。以下では、クレープ屋を成功させるための具体的なアドバイスを紹介します。
回転率を意識する
クレープ屋は薄利多売のビジネスなので、回転率を高めることが重要です。注文から提供までの時間を短縮するために、スタッフのトレーニングや調理プロセスの最適化をしましょう。待ち時間が短いほど、顧客は満足し、戻ってきやすくなります。
開業場所をしっかりリサーチする
ビジネスの成功には場所が重要です。周辺の競合店や顧客の嗜好を考慮して、適切な場所を選びましょう。繁華街や観光スポット、学校周辺など、ターゲット市場に合った場所を見つけることが成功の鍵です。
SNS映えする見た目にする
クレープは美味しさと同じくらい見た目も重要です。カラフルで美しいクレープはSNSで話題になり、顧客が訪れるきっかけとなります。見た目の美しさを追求し、写真映えするメニューを提供しましょう。
オリジナリティあるメニューを考える
繁華街などクレープ屋の競争が激しい場合、オリジナリティあるメニューが差別化の鍵となります。ユニークなトッピングやメニューを考案し、他店との差別化を図りましょう。
食品の仕入れ量を考えロスをなくす
材料の無駄を減らすために、食品の仕入れ量を計画的に行うことが必要です。生クリームやフルーツは期限が早いものが多いので、仕入れすぎは材料費がもったいなくなります。最初は仕方ないですが、徐々に学びましょう。
SNSで情報を発信する
クレープ屋を成功させるためには、SNSを活用して情報を発信しましょう。美しい写真やお得なプロモーションを投稿することで、多くの人にリーチができます。SNSは顧客獲得とファンを増やすための強力なツールです
まとめ
本記事では、クレープ屋の開業について詳しく解説しました。
クレープ屋を開業する方法は、まず個人かフランチャイズを選びます。また、店舗かキッチンカーのどちらで営業するのかも選ぶ必要があるので、しっかり考えて自分に合った方法を選びましょう。
クレープを開業するのに必要な資格
・食品衛生責任者
・飲食店営業許可
クレープ屋を開業するメリット
・珍しいので売れやすい
・原価率も低く価格が安定しているので収益が出やすい
・1年中売れる
・人気が高くイベントにも出やすい
・買取出店の依頼も多い
・アレンジしやすい
・シンプルな工程で調理しやすい
詳細は本文で解説しているので、クレープ屋を開業したい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。