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【年齢別】独身でセミリタイアするのに必要な貯金額を解説
セミリタイアは、完全に仕事を辞めることなく、自分の自由時間を増やし、バランスのとれた生活を送ることです。ただ、セミリタイアするためには、年齢に応じて一定以上の貯金が必要です。
この記事では、セミリタイアで必要な貯金額、失敗しないためのコツなどについて解説します。セミリタイアしたい人は参考にしてください。
この記事の目次
セミリタイアとは?アーリーリタイアやFIREとの違い
セミリタイアと聞いたことはあるが、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、セミリタイアの意味やアーリーリタイア・FIREとの違いについて紹介していきます。
以下の表はアーリーリタイア、セミリタイア、FIREの違いを簡単に表した表になります。
アーリーリタイア | セミリタイア | FIRE | |
労働 | なし | あり | 両方(資産運用を行っている) |
収入 | なし | あり | あり |
セミリタイアとは
セミリタイアとは、完全に仕事を辞めずに、自分の趣味や余暇の時間を増やして生活することです。
仕事の内容やスケジュールを自分で選択できることがメリットです。また、仕事を通じて社会との繋がりを保つことができる魅力もあります。
一方で、一定期間自由を楽しんでから就職を考えているかには、再就職のハードルが高いのでおすすめできません。
アーリーリタイアとは
アーリーリタイアとは、若いうちにたくさん稼ぐことで、仕事を完全に引退して、自由な時間を楽しむことです。
この方法は、働いて収入を得ることがないので、自分で貯蓄した金額で残りの生活をしていくイメージです。
アーリーリタイアは、仕事や人間関係に縛られずに、ストレスを減らして生活できます。一方で、社会との繋がりが切れるので、保つための努力が必要です。
FIREとは
FIREは、(Financial Independence, Retire Early)の略で、自分の資産を運用することによって経済的な独立を目指すことです。
一般的に言われているのは、生活費の25年分を貯金して、4%ルール(年間利回り4%で資産運用すると生活していける)に基づいた資産運用を行うことで、生活していくことができます。
ただし、資産運用は毎年一定の利益が出るわけはないので、注意しましょう。
セミリタイアが注目されている背景や理由
セミリタイアは近年注目されていますが、注目されている理由は何でしょうか。以下で、詳しく見ていきます。
賃金増加率が増加していない
厚生労働省のデータによると、1995~2021年までの賃金増加率はほとんど増加していません。
アメリカやヨーロッパ主要国に比べても、日本の賃金増加率の低さが目立ちます。
2022,2023年は、物価上昇によって賃金が上昇されていますが、近年の日本経済の不安定さに不安を感じて、自分で資産運用や事業を行い、自分らしい生活を目指す人が増えているということでしょう。
参照元(厚生労働省:経済指標の国際比較)
終身雇用・年功序列の崩壊
かつてのような終身雇用や年功序列の働き方が崩れつつあります。
企業も雇用の柔軟性を求め、従業員も一生一つの企業に留まることが難しい状況です。
これにより、労働者は将来のキャリアや生計に不安を感じ、その不安を解消するために、セミリタイアという柔軟な働き方が注目されています。
生き方・働き方の多様化
今日では、個々の人々が自分らしい生き方や働き方を求め、その実現に向けて様々な選択をする方が増えています。
今はSNSやネットで稼いでいくこともできる時代で、副業している人も多いです。このような情勢の中で、セミリタイアを目指している人が増えてきているということでしょう。
30代独身でセミリタイアするメリット
30代独身でセミリタイアした場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下で、順番に紹介していきます。
若いうちに時間を確保してたくさん挑戦できる
30代独身でセミリタイアをするときのメリットの1つは、若いときにセミリタイアすることで時間を確保し、さまざまな挑戦に取り組むことができる点にあります。
若いうちにセミリタイアに踏み切ることで、キャリアにおいて新しいスキルを磨くことや趣味に没頭するなどの様々な挑戦ができます。
これは将来の生活の幅を広げ、より充実した人生を築くための重要な要素です。
生活の変化に対応しやすい
30代独身でのセミリタイアは、生活の変化に柔軟に対応できるという点が大きな利点です。
例えば、海外移住や新たな挑戦などをすることで、生活も大きく変わります。
大きな変化が起きる場合、大きなストレスを抱えることもありますが、体力もまだ残っている30代だとしっかりと対応できる年代と言えるでしょう。
再就職しやすい
セミリタイア後、再び働くことが必要な場合でも、30代だと再就職がしやすいという利点があります。
30代は労働市場において活躍が期待できる年齢層であり、専門知識や経験があることで再就職のチャンスが広がります。また、前職のつながりや人脈を生かすことで、再就職ができるでしょう。
40代独身でセミリタイアするメリット
40代独身でセミリタイアした場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下で、順番に紹介していきます。
今まで構築した人脈やスキルで事業できる
40代独身でセミリタイアすると、これまでに築いてきた人脈や磨いてきたスキルによって自分で事業を起こすことができます。
20代、30代でも可能ですが、40代は何年もの職歴を通じて培った人間関係や専門知識を活かし、安定した事業を起こしやすいです。
早期退職制度を利用できる場合がある
40代に差し掛かると、一部の企業では早期退職制度を利用できる可能性があります。
早期退職制度は、会社で決められている退職金に上乗せした額を受給できる制度です早期退職制度を上手に活用することで、セミリタイアに必要な資金を手に入れることができます。
資金と体力などのバランスが良い
40代は、資産やキャリアといった資金面と、まだしっかりと残っている体力や健康面が良いバランスを保っている時期と言えます。
資金がある程度溜まっている一方で、まだ健康で体力もある40代は、セミリタイアを始めるには理想的なタイミングです。これにより、少しゆとりをもって新しい挑戦に取り組むことができます。
50代独身でセミリタイアするメリット
50代独身でセミリタイアした場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下で、順番に紹介していきます。
資産に余裕ができる
50代に入ると、多くの人はキャリアの中で高い役職に就き、それに伴って収入が増え、資産を積む機会が増えます。
長いキャリアを通じて築いた経済的な余裕が、セミリタイア生活を支える要素となります。セミリタイアでとても重要な資金面から見ると、50代は良い時期と言えるでしょう。
早期退職制度を利用できる場合がある
40代と同じように50代でも、早期退職制度を利用できる会社があります。
40代に比べて、50代のほうが多くお金を受け取れるはずなので、会社に一度確認してみると良いでしょう。
独身でセミリタイアするリスク
独身でセミリタイアするメリットがある一方で、リスクも当然あります。以下では、リスクについて紹介します。
結婚すると生活費が変わる
独身でセミリタイアを検討する場合、結婚は一つの要素として考慮すべきポイントです。結婚すると生活が変化し、金銭面でも変化が伴います。
結婚により、生活を共にするパートナーができることで、同時に支出も増える可能性があります。また、出産して子供生まれると、さらに子育てにお金がかかるでしょう。
病気や事故時の費用
セミリタイア生活を送る中で、病気や事故に見舞われる可能性も考えられます。これに備えての費用計画が重要です。
基本的に病院でかかる医療費は、自分で負担することになります。
保険に加入している場合は、一部返ってきますが、緊急時にお金が必要になることがあるので、余裕を持った資金計画を立てる必要があります。
【年代別】独身でセミリタイアするのに必要な貯金額
セミリタイアするには、しっかりとした貯金が必要です。ここでは、独身でセミリタイアするときに必要な貯金額を年代別で算出していきます。
条件
- 支出金額は2013~2022年(10年間)の平均値の約16万円(実際は159,728円)で計算
- 年金収入は65,000円/月×15年(65歳からの15年)=1,170万円で計算
- 自分で仕事をして収入を得るのは65歳までとする
- 90歳まで生きることを想定
参照元(総務省統計局:家計調査報告(家計収支編)2022年)
35歳独身でセミリタイアするのに必要な貯金額
想定される支出額
16万円×12か月×55年=1億560万円
年金収入
1,170万円
セミリタイア後に必要な金額
1億560万円-1,170万円=9,390万円
セミリタイア後の月収 | 30年間の収入 | 必要な貯金額 |
5万円 | 1,800万円 | 8,760万円 |
---|---|---|
10万円 | 3,600万円 | 6,960万円 |
15万円 | 5,400万円 | 5,160万円 |
※人によって支出額や年金収入が異なるので、あくまで目安と捉えてください。
45歳独身でセミリタイアするのに必要な貯金額
想定される支出額
16万円×12か月×45年=8,640万円
年金収入
1,170万円
セミリタイア後に必要な金額
8,640万円-1,170万円=7,470万円
セミリタイア後の月収 | 20年間の収入 | 必要な貯金額 |
5万円 | 1,200万円 | 6,270万円 |
---|---|---|
10万円 | 2,400万円 | 5,070万円 |
15万円 | 3,600万円 | 3,870万円 |
※人によって支出額や年金収入が異なるので、あくまで目安と捉えてください。
55歳独身でセミリタイアするのに必要な貯金額
想定される支出額
16万円×12か月×35年=6,720万円
年金収入
1,170万円
セミリタイア後に必要な金額
6,720万円-1,170万円=5,550万円
セミリタイア後の月収 | 30年間の収入 | 必要な貯金額 |
5万円 | 600万円 | 4,950万円 |
---|---|---|
10万円 | 1,200万円 | 4,350万円 |
15万円 | 1,800万円 | 3,750万円 |
※人によって支出額や年金収入が異なるので、あくまで目安と捉えてください。
セミリタイアをするときの資産運用方法
セミリタイアするときには、仕事をするのと同時に資産運用を行うことも大事です。ここでは、どのような資産運用方法があるのかを見ていきます。
投資信託
セミリタイアするときの資産運用として、投資信託はおすすめできる一つの選択肢です。
投資信託は、複数の投資家から集めたお金を、プロのファンドマネージャーが運用してくれる仕組みです。
資産を手軽に分散投資できるメリットがあり、リスクを分散しやすく、初心者でも専門知識がなくても参加しやすいとされています。
不動産投資
セミリタイアを考えるならば、不動産投資も魅力的な手段の一つです。
不動産投資は、不動産を購入して賃貸収入もしくは売却益を得る方法です。賃貸収入の場合、安定した収入を確保でき、将来的なセミリタイア生活を送ることができます。
不動産の価値が上がれば、売却益で数倍の利益を得る可能性もあります。
FX
セミリタイアを目指すなら、外国為替(FX)も一つの資産運用手段として考えられます。
FXは外国通貨同士の取引で、為替相場の変動を利用して収益を得ることができます。しかし、市場の変動が激しいため、慎重な計画とリスク管理が必要です。
初心者には難しく、セミリタイア前から経験を積んでおくことが大事です。
セミリタイアした時の収入源
セミリタイアした時の収入を得る方法は、資産運用以外で大きく分けて2つあります。以下で、紹介していきます。
アルバイト
セミリタイアを考える際、アルバイトを一つの収入源として選ぶ人は多いです。
アルバイトは、定職には就かずに、短期間で労働契約を結び、収入を得る働き方です。シンプルで柔軟な働き方であり、セミリタイア生活に合った収入源となります。
自分が好きな職種ですぐに働くことができ、1日~数カ月の短期間で働くことができるのも特徴です。
個人事業主・フリーランス
セミリタイア生活を送りながらも、専門的なスキルや趣味を生かして働きたい場合、個人事業主やフリーランスとして活動することもできます。
個人事業主やフリーランスは、自身のスキルや専門知識を生かして、報酬を得る形態です。自由な働き方ができ、セミリタイア生活にも向いています。
セミリタイアで失敗しないためのコツ
なんとなくセミリタイアしてしまうと、失敗したり、後悔してしまうことがあります。ここでは、失敗しないためのコツを紹介していきます。
資金不足にならないように計画する
セミリタイアは自由な生活を追求する一方で、資金面でのリスクも伴います。失敗しないためには、慎重な資金計画が必要です。
まずは、生活費や急な支出に備え、セミリタイアを始める前に十分な資金を蓄えましょう。
また、予期せぬ出費や将来の不確実性に備え、ギリギリではなく、余裕を持った計算をしておきましょう。
節約して固定費を見直す
セミリタイアにおいては、生活費を抑えるために、固定費の見直しが重要です。
例えば、住居や光熱費、通信費、保険など、毎月の支出を見直すことで、セミリタイア生活を経済的に安定させることができます。
通信費は格安SIMなどに変えることで、数千円安くなることもあります。保険も独身だと、必要最低限でいいでしょう。
社会との繋がりを持っておく
セミリタイア生活において、社会からのつながりが薄くなることで、孤立感や精神的な不安が発生することがあります。
これを防ぐためには、社会との繋がりを保つことが重要です。
仕事や趣味、地域の活動、友人との交流を通じて、孤独感を軽減しましょう。社会的なつながりは、心の安定や生活の充実感に大きな影響を与えます。
まとめ
本記事では、セミリタイア時の貯金額ついて詳しく解説しました。
セミリタイアする場合、残りの人生を逆算して貯金をしておく必要があります。近年、日本の経済状況や働き方の多様化によって、セミリタイアを目指している人は増えています。
30代独身でセミリタイアするメリット
・若いうちに時間を確保してたくさん挑戦できる
・生活の変化に対応しやすい
・再就職しやすい
40代独身でセミリタイアするメリット
・今まで構築した人脈やスキルで事業できる
・早期退職制度を利用できる場合がある
・資金と体力などのバランスが良い
50代独身でセミリタイアするメリット
・資産に余裕ができる
・早期退職制度を利用できる場合がある
詳細は本文で解説しているので、セミリタイアしたい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。