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軽貨物運送事業は儲かる?個人事業主でも稼げる理由や稼ぐためのポイント
軽貨物運送事業は儲かるという話をよく聞きますが、本当なのでしょうか。実際の収入や仕事内容についてみていきましょう。
この記事では、軽貨物運送事業が稼げると言われている理由や稼ぐためのポイントについて解説します。これから軽貨物事業で仕事をしたい方は参考にしてください。
この記事の目次
軽貨物運送の働き方や仕事内容
軽貨物運送は近年人気の職業の1つでございますが、どのような仕事をしているのかわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、働き方や仕事ない内容について説明していきます。
軽貨物ドライバーの仕事内容
仕事内容のメインは、比較的軽い荷物をお客様宅や企業に配送することです。
企業向けの配送では、医薬品や精密機器、日用品などを配送します。企業と定期的な契約を結ぶとこで、安定的な仕事をもらうことも多いです。
一方、お客様宅への配送も、様々な軽めの荷物を配送します。しかし、受け取り人が不在の場合も多く、再配達が増え、労働時間が長くなり、繁忙期は休みにくいデメリットがあります。
軽貨物ドライバーの働き方
基本的には決まったエリアで配送を行います。そのため、その地域に詳しいと効率よく運転ができ、仕事も早くなるのが特徴です。
また、長期間エリアを回ることで、仕事スピードが上がり、収入も上げやすくなります。
働き方は、個人事業主で働く場合、自分で働く時間や休日を選択できます。そのため、休日の曜日を決められたくない方やたくさん稼ぎたい方にはおすすめです。
しかし、運送業者や法律のルールが決まっているので、しっかり従う必要はあります。
軽貨物ドライバーの仕事の種類
個人事業主として働く軽貨物ドライバーの種類は、大きく2種類に分かれます。
1つ目は、業務委託として運送会社に所属することです。この働き方は、準備を運送会社の方でしてくれるので、手間や費用がほとんどかかりません。
2つ目は、フリーランスで働くことです。企業に所属せずに自分で仕事を探すので、その労力はかかります。ただし、運んだ分だけ収入が上がりやすいメリットはあります。
軽貨物ドライバーの単価
会社員ではなく個人事業主として軽貨物ドライバーをする場合、ほとんどの場合が歩合制です。
単価は、120~180円とエリアや会社などの条件にとって変わります。そして、1日で配送できる数は、100~150件程度です。これは、仕事の効率の良さやそのエリアの道路に詳しいかなども影響してきます。
ただし、荷物を積み入れる作業時間などはお金が発生しないので、初心者の頃は時間がかかり、配送個数を稼げないでしょう。
軽貨物運送が儲かると言われている理由
軽貨物運送業は儲かると言われています。広告や求人でも他の業種に比べても、高い基準のものが多いです。では、儲かると言われている理由はどこにあるのでしょうか。
努力次第で収入を上げられる
軽貨物運送が儲かる理由の1つは、努力次第で収入を上げられることにあります。
個人事業主で軽貨物運送を行う方のほとんどは歩合制です。つまり、自分が働いて運べば運ぶほど、収入が上がります。そのため、毎月の給料が決まっている会社員よりも稼ぎやすいと言われているのです。
需要が伸びている
もう一つの理由は、軽貨物運送の需要が急速に伸びていることです。
この大きな理由は、オンラインショッピングの拡大に伴い、小口から中型までの商品を届ける量が増えているからです。
また、商品が早く手元に届くことが求められます。そのため、多くの荷物を早く運ぶために、軽貨物事業者の需要が高まり、人手不足とも言われています。
経歴が長くなるほど効率よく働くことができる
軽貨物運送の仕事は、経歴が長くなるほど効率よく働くことができるのも魅力の一つです。
初めての頃は運転ルートや配送のノウハウを身につけるのに時間がかかるかもしれませんが、経験を積むことでこれらのスキルが向上します。
例えば、効率的な運転ルートの見つけ方や渋滞の回避方法など、経験が豊富になることでこれらの問題のスムーズな対処が可能です。
その結果、同じ時間内により多くの配送をこなすことができ、単位時間あたりの収入が向上します。
軽貨物運送が儲からないと言われている理由
軽貨物運送が儲かると言われている一方で、儲からないとも言われています。では、儲からないと言われている理由は一体何なのでしょうか。
誇大広告のせいで簡単に稼げると思うから
軽貨物運送が儲からないと言われる主な理由の一つは、業界における誇大広告や甘いイメージが、初心者に対して簡単に稼げるという誤った期待を生むことです。
企業は「高収入」といった広告や宣伝によって、求人を募集します。確かに、高収入を稼ぐチャンスがありますが、実際には運転時間や労働時間が長く、配送にかかるストレスや負担もあることが少なくありません。
その簡単に稼げるイメージとのギャップで、思ったより稼げないという印象を持たせてしまい、そのような噂が広まっているのです。
経費が多くかかる
もう一つの理由として挙げられるのは、軽貨物運送には多くの経費がかかることです。
燃料費、車両の維持費、保険料、車両のリース料など、これらの経費は予想以上に大きな負担となります。
例えば、求人で「月30万円~稼げる」とあったしても、実際はそこから経費が引かれて手取り額がグンッと下がることも多いです。
また、運送業者に契約時に決められた手数料を払う必要もあるので、求人のイメージ通りの収入に届かないことがあります。
個人事業主の配送業は稼げる?平均月収・年収は?
個人事業主の軽貨物ドライバーの平均月収は、20~50万円ほどです。
平均年収は350~400万円ほどです。
上記の金額はあくまで目安となっており、月収10万円程度の方もいれば、100万円以上稼いでいる方もいます。これは、労働時間や単価の高い案件を獲得している、などの様々な要因が影響しています。
以下では、月収シミュレーションをしていきます。
条件
項目 | 条件 |
出勤日数 | 23日 |
単価 | 150円 |
1日の配送 | 120件 |
手数料 | 10% |
ガソリン代 | 30,000円 |
保険料 | 10,000円 |
駐車場代 | 20,000円 |
【1日の売上】
単価150円×120件=18,000円
【1か月の売上】
18,000円×23日=414,000円
414,000円-手数料10%=372,600円
372,600円-ガソリン代30,000円-保険料10,000万円-駐車場代20,000万円
=312,600円
つまり、312,600円が月収となります。
上記の計算をもとに年収を計算すると、平均年収は3,744,000円です。
しかし、ここで注意なのが、この金額から確定申告をして税金を納める必要があるので、実際の手取り金額はもっと少ないことを覚えておきましょう。
軽貨物運送でかかる経費計算
軽貨物運送でかかる経費はたくさんあります。売上から経費を引いた金額が実際の収入になるので、いかに経費を抑えることができるかが大事です。
そこで、経費にはどのような種類があるのかを見ていきます。
ガソリン代
ガソリン代は走行する距離や燃費によって変わります。
例えば、1日150km、ガソリン代160円、燃費15kmの車の場合、1日のガソリン代は1,600円となります。仮に出勤日数を23日とすると、36,800円です。
ガソリン代は世界情勢などによって変動しやすいので、燃費をいい車を準備することが大事になります。
車両維持・メンテナンス費
車を維持するためには、様々な費用がかかります。例えば、オイル交換代があります。
オイル交換は5,000kmごとに1回はしたほうがいいとされており、仕事で毎日乗るとなると1,2カ月に1回は交換が必要でしょう。オイル交換が1回5,000円だとすると、それが固定費となります。
また、バッテリー交換やタイヤ交換なども必要です。バッテリー交換が20,000万円程度、タイヤ交換は4本で1~20,000円ほどです。他にも、洗車や修理代などが必要になることがあります。
駐車場代
駐車場代は場所によって様々で、自分の家の空き駐車場があれば、そこを使っても問題ありません。
田舎に行くほど安くなり、都会に行くほど高くなります。その分、都会のほうが単価は高くなるので、どちらが得かによってエリアを決めると良いでしょう。
保険代
自動車保険は加入義務があるので、加入しましょう。
しかし、自動車保険だけでは補償できない範囲の事故などのリスクもあるので、任意保険の加入も推奨します。軽貨物運送で使用する車は黒ナンバーなのですが、黒ナンバー自動車は普通車に比べて保険料が高く、10,00円以上は必要です。
また、配送中の荷物に何かあった場合のために貨物保険への加入もしておきましょう。
車検代
軽貨物車は2年に1度、車検を受ける必要があります。
毎日仕事で使用していると劣化スピードも速くなり、車検時に部品交換など必要で、トータルで7~8万円が相場です。
税金
軽貨物車の税金の種類は、以下の3つがあります。
- 自動車取得税(環境性能割)
- 軽自動車税
- 自動車重量税
普通車に比べると税金は安くなりやすいのが特徴です。
また、経費とは異なりますが、個人事業主で仕事する場合、所得税や住民税などの税金を払わないといけないので、注意しましょう。
運送業者への手数料
個人事業主として仕事をするためには、運送者から案件をもらうので、その分の手数料を支払う必要があります。
これは、運送会社によって異なりますが、大体売上の10~20%です。また、固定で発生する場合は、月20,000~30,000円が多いです。
しかし、運送業者の中には、ぼったくりのような金額を提示してくるところもあるので、おかしいと思った場合は、他の運送業者の金額も確認して、慎重に業者を選びましょう。
個人事業主での配送業の始め方
会社員とは異なり、個人事業主で配送業を始める方は、様々な準備が必要です。以下では、必要な準備ついてお伝えしていきます。
契約形態を選ぶ
まずは、どのような契約で仕事を始めるかを選びます。
1つめは、歩合制で報酬をもらう方法です。これは、収入を上げたい方や時間を自由にコントロールしたい方に向いています。
2つ目は、固定給を貰い働く方法です。会社員に近い働き方で、安定した収入を求めている方に向いています。
軽貨物車両を準備する
個人事業主で仕事する場合、車両の準備も自分で行う必要があります。車両に関しては、購入でもリースでも構いません。
フランチャイズなどであれば、購入方法やリース契約の方法などをサポートしてくれるので、初心者でも安心です。
駐車場を準備する
車を置いておく駐車場も必要になります。これは、地域によって値段相場が変わります。
駐車場は、事業を始めるための営業許可を申請する際に必要です。また、事務所から2km以内に駐車場を確保しておくことが条件です。
免許取得・軽貨物自動車運送事業経営届出書を提出する
軽貨物車は、普通自動車免許があれば運転できます。
事業を開始するとき際は、陸運局に軽貨物自動車運送事業経営届出書の提出が必要です。申請時の料金は無料ですが、車検所が必要なので、準備しておきましょう。
黒ナンバーを取得する
軽貨物事業では、黒ナンバーの車両が必要です。
軽貨物自動車運送事業経営届出書の提出時に、一緒に事業用自動車等連絡書も提出して、事業者としての承認を得ましょう。
承認後、黒ナンバーが承認されます。申請料は2,000~3,000円です。
サービス登録・営業で案件を獲得する
事業を開始できる状態になると、次は仕事の獲得が必要です。獲得方法はいくつかあるので、3つ紹介していきます。
まずは、案件紹介サービスに登録する方法です。登録すると、条件に合った事業者同士がマッチングでき、仕事を見つけることが可能です。ただし、手数料がかかるので、収入が少なくなります。
2つ目は、配送業者から仕事を安定的にもらう方法です。これは、仕事が安定しやすく、融通も利きやすいですが、お客様宅向けの荷物が中心なので、高収入は狙いにくくなります。
3つ目は、自分で案件を獲得する方法です。直接やり取りするので手数料がかからないですが、信用は必要なので、初心者がいきなり獲得するのは難しいです。
軽貨物運送のメリット
軽貨物運送を事業として行うことには、主に4つのメリットがあります。以下では、メリットを4つ紹介していきます。
荷物が軽い
軽貨物運送のメリット1つめは、その名の通り「軽い荷物」の取り扱いが主体であることです。
例えば、宅急便や小型の貨物を扱うため、重たい積載物を運ぶ必要がないため、ドライバーは身体的な負担が少なく済みます。これにより、初心者ドライバーでも比較的容易に始めることができ、無理なく働くことができるでしょう。
人間関係に悩まされることが少ない
軽貨物運送は、配送先や取引先との接触が比較的少ないため、人間関係に悩まされることが少ないというメリットがあります。
また、運転中は基本的に1人で運転し行動するので、上司などに気を遣う必要もありません。1人で仕事をしたい人にはおすすめです。
地理に詳しくなる
軽貨物運送では、様々な場所に配送を行うため、自然と地理に詳しくなるというメリットがあります。
地元や周辺の地形や道路状況に加えて、広範囲にわたる配送エリアを把握することで、効率的なルートの選択が可能です。
また、案件によってはいつもと違うエリアを配達することもあるので、ご当地グルメを食べたり、旅行気分を味わうこともあります。
条件のいいところに転職しやすい
軽貨物運送の需要が高まっている中で、経験のあるドライバーは条件のいい職場に転職しやすいというメリットがあります。
なので、キャリアアップもしやすく、需要が下がらない以上、職には困らないでしょう。
軽貨物運送でより稼ぐためのポイント
軽貨物運送は、上手に働くことで収入を増やすことが可能です。初心者でも理解しやすいように、軽貨物運送でより稼ぐためのポイントをいくつかご紹介します。
稼ぎやすい案件を狙う
仕事をする上で、稼ぎやすい案件を狙うことは非常に重要です。
例えば、繁忙期や需要が高まる時期に積極的に働くことで、高収入を見込むことができます。また、緊急で荷物を運ばないといけないスポット便は運賃が高いのが特徴なので、高収入を狙える案件です。
他にも、企業が車両を貸し切って荷物を運ぶチャーター便も稼ぎやすいです。しかし、スポット便もチャーター便も定期的に入る仕事ではないので、普段の仕事をしながら、狙っていきましょう。
1日の配送量を増やす工夫を行う
収入を増やすためには、1日の配送量を増やす工夫が欠かせません。
例えば、効率的なルートを見つけて、同じ時間内でより多くの荷物を運ぶことができるように工夫することが挙げられます。
これは、初心者やその土地に慣れない人からすると難しいですが、経験を積み、常にどうやったら効率よく行動できるかを考えておくことが大事です。
条件のいい運送業者と契約する
運送業者との契約は、収入を左右する重要なポイントです。
条件のいい運送業者を選ぶことで、より良い収入を手に入れることができます。口コミや評判を確認し、信頼性の高い業者と提携することが重要です。
契約を結ぶ際には、どのような金額がかかるのかを再度確認しておく必要があります。あまりにも、相場とかけ離れている場合は、辞めておきましょう。
まとめ
本記事では、軽貨物運送事業について詳しく解説しました。
軽貨物運送事業は、軽貨物車で比較的軽い荷物を配送する仕事です。オンラインショッピングをする人が増えた影響で需要が高くなっています。
また、個人事業主で仕事をする場合、歩合制なので、自分が配送した分だけ収入を増やすことができるのも魅力の1つです。
軽貨物運送が儲かると言われている理由
・努力次第で収入を上げられる
・需要が伸びている
・経歴が長くなるほど効率よく働くことができる
軽貨物運送でより稼ぐためのポイント
・稼ぎやすい案件を狙う
・1日の配送量を増やす工夫を行う
・条件のいい運送業者と契約する
詳細は本文で解説しているので、軽貨物運送事業をこれからしたい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。