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独立・開業

トリミングサロンの開業に必要なものは?資格や補助金・失敗しないコツを解説

トリミングサロンの開業に必要なものは?資格や補助金・失敗しないコツを解説

トリミングサロンを開業したいと憧れを持ったことのある人は、少なくないのではないでしょうか。コロナ渦の影響もあり、ペット関連の需要も増加しているので将来性はあります。

この記事では、トリミングサロンの開業の準備、資格、補助金、失敗しないコツについて解説します。

トリミングサロンの将来性や安定性

将来

ペットを飼う人が増えている現代では、ペットに対しても美容代や健康代にお金を使っている人が多いです。そのため、トリミングサロンの需要も増えています。

さらに、コロナ渦では外出自粛の影響で、ペットを飼う人などペット関連の需要も増加し、年々売上も増加しています。

その一方で、トリミングサロンの開業をチャンスと捉え、参入してくる人たちも増えるでしょう。

つまり、需要と同時に競合も増え、その中で勝ち残っていく必要があります。勝ち残るためには、他者とは違う独自性やお得なメニュー、技術力などが必要です。開業する地域の競合などを調べて計画的に開業しましょう。

トリミングサロンの4つの営業形態

トリミングサロンを開業する際、どのような営業形態を選ぶかは成功するために重要です。

ここでは、テナント、自宅、レンタル・出張、施設併設の4つの営業形態に焦点を当て、それぞれの特徴やメリット、デメリットについて解説します。

テナントを借りてトリミングサロンを開業する

テナントを借りてトリミングサロンを開業する形態は、一般的な営業形態です。商業施設やビルの一室を借りることが多いです。

メリットは集客がしやすいことで、商業施設やビルに入ることで、来客数が向上しやすくなります。

また、店舗を構えていることで、信頼感を持たれやすいです。さらに、スケルトン物件だと一から自分の理想の店舗作りがしやすくなります。

逆に、デメリットとしては、家賃が他の形態よりも高くなりやすいことです。

自宅でトリミングサロンを開業する

自宅でトリミングサロンを開業する形態は、低コストで始めることができる一方で、自宅を一部改装しないといけないです。

メリットは自宅を使用するため、店舗を借りる必要がなく、コストが低いことです。

また、自宅で営業するため、営業時間を柔軟に変更でき、通勤時間も無くなります。そのため、家事や育児の両立もしやすくなります。

一方、デメリットは開業場所が選べないので、集客に苦戦する可能性があることです。さらに、マンションの場合、規制が厳しい場合があり、近隣住民への配慮も大切になります。

訪問・出張でトリミングサロンを開業する

訪問・出張でトリミングサロンを開業する形態は、店舗を持たずに、訪問や出張でサービスを提供するモデルです。

メリットは、こちらも店舗を構えないため、低コストで始めることができることです。また、こちらで出張範囲を決めることができるので、集客できる範囲も広げることができます。

一方、デメリットは、車を準備する必要があり、家ではなく車内でトリミングできるサービスを行うためには、車をトリミング仕様に変更しないといけません。

施設併設型トリミングサロンを開業する

施設併設型トリミングサロンは、ペットショップや動物病院と一体となっている形態で、相互の協力関係を築くことが求められます。

メリットは、他のペット関連施設との協力でお互いにお客様を誘導しあい、集客できることです。また、他の施設と提携をしているということで、信頼感を与えることができます。

逆に、デメリットは、他の施設との調整が必要で、柔軟性が低くなる可能性があることです。

トリミングサロンの開業は儲かる?年収はどれくらい?

トリミングサロンの開業をすると、どれくらい儲かるのか想像できない方も多いのではないでしょうか。

トリミングサロンの経営で1,000万円以上稼ぐのは正直難しいですが、国民の平均年収以上稼ぐことは可能です。

そこで、ここではトリミングサロンを経営した際の年収をシミュレーションしていきます。

店舗でトリミングサロンを開業した時の収入です。

単価 8,000円
1日のカット数 3頭
営業日数 23日
1ヶ月の売上 55万円

経費

項目 金額
賃料 7万円
水道光熱費 2万円
諸経費 5万円
合計 14万円

1ヶ月の収入

1ヶ月の売上:55万円 - 合計:14万円 =41万円

年収

41万円×12か月=492万円

これはスタッフを雇わず、自分1人で営業した場合です。あくまで目安ですが、賃料や諸経費を抑えることができれば、年収を増やすことが可能です。

トリミングサロンの開業資金

トリミングサロンを開業するためには、開業資金が必要です。開業方法にもよりますが、どのくらいかかるのかを見ていきます。

テナントを借りる場合のトリミングサロンの開業資金

項目 金額
物件取得費 80~150万円
内装工事費 100~250万円
設備・備品費 20~40万円
消耗品費 5~10万円
広告宣伝費 0~30万円

物件取得費は、家賃の10カ月ほどが一般的です。

内装工事費は、1坪30万円ほどが相場です。内装工事費を抑えるためには、居ぬき物件を探すことをおすすめします。物件取得費と同じように初期費用が高い部分なので、しっかり計画を立てる必要があります。

設備や備品は、ドッグバス、トリミングテーブル、ドライヤーなどが必要です。また、新品だと高い場合は、中古で使えそうなものを準備するのもいいでしょう。

広告宣伝費は、SNSを活用すると無料で集客できる場合もあります。そのほかにもHP作成やチラシ等を準備する方もいます。

自宅で開業する場合のトリミングサロンの開業資金

項目 金額
内装工事費 90万円~
設備・備品費 15~30万円
消耗品費 5~10万円
広告宣伝費 0~30万円

自宅で開業する場合は、物件取得費がかからないので、店舗を構えるよりも安く開業できます。

内装工事費も広さによりますが、自宅の一部のみで済むので、安くなりやすいです。

トリミングサロンの補助金や開業資金調達法

トリミングサロンの開業資金の調達方法を3つに分けてお伝えしていきます。

トリミングサロン開業時には、補助金を利用できる場合もあるので、開業前に確認しておきましょう。

金融機関からの融資

多くの場合、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受けることができます。

しかし、審査は少し厳しめで、自己資金が求められることも多いので、初めての開業の方は審査に落ちることもよくあります。

信用保証付き融資

借主の返済が滞った場合に、信用保証協会が金融機関に「立て替え払い」を行う融資制度。その代わり、所定の信用保証料の支払いが義務である。

プロパー融資

保証人なしで自分で100%の責任を負う融資で、審査が厳しくなりやすい

金融機関の融資は上記のような制度があり、自分に合ったものを選びましょう。フランチャイズで開業する場合は、融資に関してもサポートしてくれる本部が多いので、審査に通りやすくなります。

日本政策金融公庫からの融資

日本政策金融公庫での融資は、初めての人も審査が通りやすくおすすめです。

新創業融資制度

新たに事業を始める方や事業開始後税務申告を2期終えていない方を対象とした保証人や担保なしで上限3,000万円の融資制度

新規開業資金

新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方を対象とした、保証人や担保なしで最大7,200万円の融資制度

上記のような制度があり、金融機関の融資が通らなかった方や低金利でお金を借りたい方はおすすめです。

創業補助金・助成金の活用

一部の地域では、新しいビジネスをサポートするために補助金や助成金が提供されています。これは、特定の条件を満たす場合に受けられる資金です。

例えば、トリミングサロンを開業する時に利用できる補助金・助成金は以下のようなものです。

小規模事業者持続化補助金

内装工事費用、広告費など、販路開拓などに取り組む費用などに利用できる

ものづくり補助金

新商品や新サービスの開発のための機材や機器の導入費などに活用できる補助金

創業補助金

これから開業する方、開業して年数が短い中小企業向けの助成金

メリット

補助金や助成金は、開業費用の一部をカバーするための貴重な支援です。条件に合致する場合、返済の必要がないことが多いです。

デメリット

補助金や助成金は競争率が高いことがあるため、受給するまでに時間がかかることがあります。また、一部のプログラムには厳格な条件が設定されていることもあります。

トリミングサロンの開業で必要な資格・届出

トリミングサロンを開業するためには、資格の取得や届け出が必要です。ここでは、動物取扱責任者、第一種動物取扱業登録の届出、開業届の3つについてお伝えします。

動物取扱責任者

動物取扱責任者とは、トリミングサロンのような第一種動物取扱業を行う施設を管理する責任者のことです。

動物取扱責任者になる条件は主に以下の通りです。

  1. 1事業所ごとに1人置くこと
  2. 常勤の社員であること
  3. 他の店舗との兼任ではないこと
  4. 以下のいずれかに当てはまる人
    ・獣医師
    ・愛玩動物看護師
    ・実務経験(6ヶ月以上)+所定の教育機関を卒業
    ・実務経験(6ヶ月以上)+動物に関する資格を取得

第一種動物取扱業登録の届出

動物取扱責任者が決まれば、第一種動物取扱業登録の届出を行います。

第一種動物取扱業登録は、販売・保管・貸出・訓練・展示・競りあっせん・譲受飼養の7種類に分類され、営利目的で行う場合は届け出が必要です。

申請手数料は15,000円前後で、保健所や動物愛護センターなどに提出します。地域によって異なるので、事前に保健所に確認しましょう。

開業届

トリミングサロンを開業すると、開業届を提出する必要があります。

開業届は、新たに事業を始める個人事業主や法人が、役所に提出する書類のことです。開業届は事業を開始してから1か月以内に税務署へ提出しなければいけません。

トリミングサロンを開業する流れや準備

トリミングサロンの開業を考えている方の多くは、実際どのようなことから始めたらいいのかわからないでしょう。そこで、ここではトリミングサロンの始め方をお伝えします。

営業形態を決める

まずは、営業形態を決めることから始まります。

トリミングサロンは、店舗を構えるか、自宅で行うか、出張か、施設併設店にするかの4つの開業方法があり、自分に合った方法を選びます。

特徴やメリット・デメリットは方法によって異なり、自宅サロンと出張サービスの両方行うことも可能です。

コンセプトやターゲットを決める

トリミングサロンの開業には、コンセプトやターゲットを決めることが重要です。

コンセプトやターゲットが明確になれば、内装工事もしやすく、進むべき方向性もイメージできます。

例えば、「肌に優しい素材のシャンプーのみを使用」や「忙しい飼い主に合わせたスピーディーなトリミング」など、特定のニーズに焦点を当てることで集客しやすくなります。

考える時のコツとしては、「いつ」「誰に」「なにを」「どこで」「どのように」の5つを軸に考えることです。

開業場所や物件を決める

トリミングサロンの場所は非常に重要です。

アクセスしやすい場所や駐車場が完備されている場所など、ペットオーナーが利用しやすい場所を選ぶことが成功の鍵となります。

また、近隣に競合店があまりない場所やファミリー層の多い住宅街周辺に開業することで、集客しやすくなります。

物件を選ぶ際には、サロンの規模やコンセプトに合わせて適切な面積や設備が整っているか確認が必要です。家賃や敷金などの契約条件もしっかり検討することが大切です。

資金の調達をする

トリミングサロンの開業には様々な費用がかかります。

先ほどお伝えしたように、物件の契約金や内装工事、広告宣伝費用給与など、これらの資金をしっかりと計画しておくことが大切です。

資金調達の方法には、自己資金、融資、補助金の活用などが考えられます。

できるだけ使える補助金や助成金は利用することがポイントです。融資を受ける際は、事業計画書が必要なので、準備しておきましょう。

内装工事や設備を整える

選んだ物件が希望通りであれば、次は内装工事や設備の整備です。

トリミングサロンは清潔感が求められるため、コンセプトに合わせて美しく機能的な内装にしましょう。

設備や備品は、ドッグバス、トリミングテーブル、ドライヤー、待合室の椅子やテーブルなど、トリミングに関わる設備や備品はしっかりと揃えておくことが必要です。保健所から許可が下りるように規定を守って内装を完成させましょう。

集客活動を行う

集客を行うタイミングは人それぞれですが、全て整ってからではなく、途中の段階で始めておくといいでしょう。

理由としては、開業初期から多くのお客様に来店してもらうためです。

宣伝方法は、SNSやチラシ配布などでトリミングサロンの存在を広く知ってもらいます。広告を打つとなると料金が発生するので、予算を決めて範囲内に収まるようにしましょう。

トリミングサロンの開業で失敗しないためのコツ

トリミングサロンを開業するには、ただ可愛いデザインや良いサービスだけではなく、様々なポイントに注意が必要です。

ここでは、初心者でも理解しやすいように、トリミングサロンの開業で失敗しないためのコツを紹介します。

匂いや音漏れを防げる内装にする

動物は独特な匂いがあり、鳴き声も発します。トリミング中に発生する匂いや鳴き声は、他の待機中のペットにも影響を与えます。

適切な換気設備や隔音材の導入で、ペットと飼い主がリラックスできる環境の提供が必要です。

WEBやSNSでの集客対策をしっかり行う

トリミングサロンの集客には、WEBやSNSを活用することが欠かせません。

美容室や飲食店同様、トリミングサロンもオンラインでの集客が重要です。自社HPを作成して店のサービス内容、料金、オーナー情報などを掲載することで、お客様に安心感を与えることができます。

また、SNSで店の写真や施術写真、お得な情報の発信をすることも集客で効果的です。

お店の雰囲気や仕上がり具合をSNSで確認できると、安心感があり、自分のペットにしてあげたいスタイルのイメージが湧きやすくなります。

トリマーとしての知識・技術を習得しておく

開業するにあたり、トリマーとしての知識と技術は欠かせません。

ペットの体調や毛質に合わせたトリミング技術を身につけ、安心してサービスを提供できるようにしましょう。

また、動物取扱責任者になるためには6か月以上の実務経験が必要です。

1人で開業する場合は、自分が責任者になる必要であり、リピーターを増やすためにも、ペットが満足できる技術・経験を積むことが大切です。

集客が期待できるように開業場所の調査をする

どんなに良いサロンを提供しても、集客できなければ成り立ちません。開業する場所は非常に重要です。

近隣の競合店やペットオーナーの人口を調査し、集客が期待できるエリアを見極めましょう。

まとめ

本記事では、トリミングサロンの開業について詳しく解説しました。

トリミングサロンは、需要も増加しており将来性もありますが、参入してくる方も増える見込みがあり、競合も増えるでしょう。

トリミングサロンの開業形態は、テナントを借りる、自宅で開業、訪問・出張、施設併設型の4つ方法があり、自分に合った方法を選ぶことが重要です。

トリミングサロンを開業する流れや準備
・営業形態を決める
・コンセプトやターゲットを決める
・開業場所や物件を決める
・資金の調達をする
・内装工事や設備を整える
・集客活動を行う

トリミングサロンの開業で失敗しないためのコツ
・匂いや音漏れを防げる内装にする
・WEBやSNSでの集客対策をしっかり行う
・トリマーとしての知識・技術を習得しておく
・集客が期待できるように開業場所の調査をする

詳細は本文で解説しているので、トリミングサロンを開業したい方は参考にしてください。

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この記事の執筆者

フランチャイズ支援歴10年

松田 和也

大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。

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