宅建士の独立開業は儲かる?年収や準備・費用・失敗しないためのコツを解説
独立・開業
焼き芋屋さんを開業する方法は?年収や開業資金・失敗しないためのコツ
焼き芋屋の開業は利益率が高く、開業費用も抑えることができるので、おすすめのビジネスの1つです。
この記事では、焼き芋屋の年収や開業資金、失敗しないためのコツについて解説します。これから焼き芋屋を始めたい方は参考にしてください。
この記事の目次
焼き芋屋さんの開業は人気がある
焼き芋屋さんの開業は最近、人気が急上昇しています。
これにはいくつかの理由がありますが、まず第一に、焼き芋自体が人々に親しまれている食べ物であることが挙げられます。
ブーム到来で需要が増えてきている
最近では、焼き芋が再びブームとなっています。人々は、健康的なおやつとして焼き芋を求める傾向が強まっています。
さつまいも自体が栄養価が高く、食物繊維やビタミンが豊富に含まれているため、健康志向の人たちには特に人気です。また、糖度が高く甘い焼き芋が流行ってきているので、焼き芋のスイーツの需要も高まっています。
焼き芋専門店も増えてきている
最近は、焼き芋の専門店もたくさん出店されています。
今まで駅前やスーパーなどに移動販売で多かった焼き芋屋が、街中やイベント会場など若者が集まるところにも増えてきて、特に若い女性を中心に流行っています。これは、美容にもいい食べ物と認知されてきたことが要因の1つです。
つまり、焼き芋屋さんの開業は今、非常に魅力的なビジネスの一つと言えるでしょう。焼き芋の人気や需要の高まり、専門店の増加など、様々な要因が影響しています。
焼き芋屋さんの開業方法
焼き芋屋さんの開業方法はいくつかの選択肢があり、自身のビジネススタイルや予算に合わせて選ぶことができます。
以下では、焼き芋屋の開業方法について詳しく説明し、それぞれの特徴についても触れていきます。
車両での移動販売
焼き芋屋の中でも、移動販売はよく見かける一般的で、比較的手軽に始められる方法です。
この方法では、販売する車両を用意し、焼き芋を調理し、さまざまな場所で焼き芋を提供できます。例えば、駅前やイベント会場、商店街などで焼き芋を販売することができます。
メリットは、自由に売り歩けることが大きいです。店舗販売と違って、その時々によって人が集まる場所で営業することで売り上げを上げやすくなります。
店舗販売
店舗販売は、焼き芋専門店を開設する方法です。この場合、特定の場所に店舗を構え、そこで焼き芋を販売します。
店舗販売は特定の場所に拠点を設けるため、立地の選択が重要です。例えば、繁華街や商業施設の中や周辺など、多くの人が訪れるエリアがいいです。
店舗販売を行うことで、地域のお客様に愛される焼き芋屋さんとして知名度を高めることができます。リピーターを作ることも売り上げを上げるために大切な要素です。
フランチャイズに加盟する
最後に、焼き芋屋さんとして独立せず、フランチャイズに加盟する方法もあります。フランチャイズは、既存の焼き芋ブランドと提携し、そのブランド名のもとで焼き芋を販売することです。
フランチャイズに加盟することで、知名度の高い焼き芋ブランドの力を借りることができるので、集客に大きな助けとなります。フランチャイズ本部から経営や教育サポートを受けられることがあり、開業者にとって貴重なサポートを受けられます。
一方で、フランチャ加盟金やロイヤリティ(売り上げに応じて本部に支払うお金)の支払いがあるので、しっかりした資金計画が必要です。
各方法にはメリットとデメリットがあり、自身の状況や目標に合わせて選ぶことが大切です。焼き芋屋さんの開業は、多くの人に親しまれるビジネスであり、選択次第で成功への道が広がります。
焼き芋屋さんは儲かる?年収や利益率
焼き芋屋さんはどれくらい儲かるのか気になる人も多いでしょう。年収や利益率を解説します。
焼き芋屋さんの年収
焼き芋屋さんの年収は、平均して300万円前後です。
個人で開業するか、フランチャイズで開業するかによっても異なりますが、大きくは変わりません。これは1台で販売を行った場合なので、経営が軌道に乗ってきて2台以上で運営すると、より多くの利益が残るでしょう。
また、平均年収以上の売り上げを上げる店舗もたくさんあり、いかに安く仕入れて高く売れるかが重要です。
焼き芋屋さんの利益率
焼き芋屋さんの利益率は、かなり高いです。一般的に焼き芋屋さんの利益率は、6割から8割くらいになります(人件費などの経費は除く)。
焼き芋の特性として、芋を最終的に焼いて販売するので、普通なら販売できないようなサツマイモも焼いて販売します。つまり、廃棄されるような芋を仕入れることもあり、安くで仕入れることができるのです。
また、サツマイモは焼いて販売するだけで、仕入れ値の数倍で販売できます。
実際にあった例ですが、10kg=50本を1,500円(1本=30円)で仕入れます。これを焼き芋にするだけで250円ほどで売ることが可能です。
つまり、仕入れ値の8倍ほどで販売することができ、かなりの利益率になるのです。
いつもこのように販売できるわけではありませんが、上手に仕入れと販売ができれば、事業は上手くいくでしょう。
焼き芋屋さんを開業するメリット
焼き芋屋さんを開業することにはさまざまな魅力があり、特に初心者にとっても取り組みやすいビジネスと言えます。
以下では、焼き芋屋さんを開業する際のメリットについて詳しく説明し、その魅力を解説していきます。
開業資金が少なくて開業しやすい
焼き芋屋さんを開業するためには、比較的少額の資金で始めることができます。
特別な高額な投資が必要なわけではなく、調理器具や調理場、車両(移動販売の場合)など、基本的な設備を整えるだけでスタートできます。
これは、初めての独立や起業に挑戦する人にとってはリスクが低いと言えます。実際、飲食店の開業は300万円以上かかることが多いですが、焼き芋屋の場合100万円前後でも開業が可能です。
調理が簡単で未経験でも開業できる
焼き芋の調理は比較的簡単で、特別な調理スキルや経験が必要ありません。
焼き芋を美味しく提供するためには、さつまいもの選別と洗浄、適切な温度と時間での焼き加減をコントロールすることが重要です。これらの基本的なステップをマスターすれば、美味しい焼き芋を提供することができます。
また、適切な温度12~17℃くらいで保管しておくことで1週間以上は日持ちするので、廃棄が少なくて済みます。
特別な資格がなくても開業できる
焼き芋屋さんを開業するためには、特別な資格やライセンスが必要ありません。
他の一部の飲食業種とは異なり、調理師免許や特定の資格が不要です。食品衛生責任者の資格と保健所に営業届を出せば、誰でも焼き芋屋さんを開業することができます。
食品衛生責任者は簡単な講習を受けることで取得可能です。営業方法によっては、他にも自治体で定められた許可などが必要な場合もあります。
これは、焼き芋屋さんを始めるハードルを低く保ち、誰もがチャンスをつかむことができるメリットと言えます。特別な資格を持っていない初心者でも、熱意と努力次第で成功することが可能です。
つまり、焼き芋屋さんを開業するメリットは、比較的少ない資金で始められ、調理が簡単で特別な資格が不要という点にあります。初心者にとっても挑戦しやすいビジネスモデルといえるでしょう。
焼き芋屋さんを開業するデメリット
焼き芋屋さんを開業することには多くの魅力がありますが、一方で注意すべきデメリットも存在します。
以下では、焼き芋屋さんを開業する際に考慮すべきデメリットについて詳しく説明し、そのリスクについても解説していきます。
競合との差別化が難しい
焼き芋屋さんは比較的差別化が難しい業種の一つです。
焼き芋は競合店と提供するサービスや価格帯が似ているので、独自性を出さないと人気になっていくことはできません。
差別化の方法は、焼き芋だけでなくスイーツなどと絡めてアレンジレシピを作るなどです。最近は、焼き芋のスイーツも人気となっているので、競合店を調査しながら差別化をすることが大切です。
出店場所に苦労するかもしれない
焼き芋屋さんの成功には、適切な出店場所の選定が重要です。ただし、場所によっては出店が難しい場合があります。
人通りが多い場所などは他の業者が販売していたり、土地の所有者との交渉がスムーズにいかないこともあるでしょう。
また、繁華街や商業施設は賃貸料が高い場所が多く、費用面でのリスクも高まります。
季節や天候に左右されやすい
焼き芋は季節や天候に左右される食べ物です。
特に寒い季節に焼き芋の需要が高まりますが、暖かい季節には需要が低下することがあります。また、雨天などの悪天候の日には客足が遠のくことも考えられます。
夏場や台風シーズンなどに仕入れの数を間違えてしまうと、たくさんのロスが出る可能性があるので注意が必要です。
これらのデメリットを克服するためには、戦略的な考え方や差別化策の検討が必要です。競合に対抗し、出店場所を工夫し、季節や天候に合わせた戦略を立てることが、焼き芋屋さんの成功につながります。
焼き芋屋さんの開業に必要な開業資金
焼き芋屋さんを開業するためには、適切な資金が必要です。以下では、焼き芋屋さんの開業に必要な開業資金の概要について説明します。
キッチンカーの購入費用
焼き芋屋さんが移動販売を行う場合、軽トラックやキッチンカー、リアカーを購入する必要があります。
キッチンカーの価格は様々で、新車や中古車を選ぶことができます。価格は車両の種類やサイズによって異なりますが、一般的には中古車でも50万円から100万円程度がかかることがあります。
車両の目安
項目 | 費用 |
リアカー(中古) | 30万円以下 |
軽トラック(中古・新車) | 50~100万円 |
キッチンカー(中古・新車) | 100~300万円 |
焼き芋機などの設備費
焼き芋を調理するためには、専用の焼き芋機や調理器具が必要です。焼き芋機の価格は機種によって異なり、新品で10万円から30万円程度が一般的です。
レンタルで開業している方も多く、利益が出てくるまではレンタルでもいいでしょう。長期的に続けていけるとわかれば、購入しましょう。
他には、レジも必要です。高額なものではなく、安いものやタブレットなどでも代用できます。バーコード決済なども準備できれば、お客様の取りこぼしがなくて済みます。
焼き芋焼き器は2つの種類があるので、参考にしてください。
種類 | メリット | デメリット |
電気式 | ・温度調整がしやすい
・初心者にも使いやすい |
・値段が高い |
ガス式 | ・値段が安い
・短時間調理が可能 |
・温度調整が難しい |
サツマイモの仕入れ費用
焼き芋を提供するためには、さつまいもを仕入れる必要があります。
さつまいもの仕入れ費用は、品種や仕入れ先によって異なりますが、一般的には1本あたり30円から70円程度が見込まれます。季節や産地によって価格に変動があるため、仕入れ計画を立てる際にはこれらの要因を考慮することが必要です。
焼き芋屋さんを開業するのに必要な届け出
焼き芋屋さんを開業する際には、さまざまな届け出が必要です。以下では、焼き芋屋さんを開業するのに必要な主要な届け出について詳しく説明します。
食品衛生責任者
焼き芋屋を開業するときに、1人以上は在籍していないといけない国家資格です。
オーナーが自分で取得するか、従業員に取ってもらうか、資格保有者を雇うことが必要です。
各都道府県で行われている講習を受講終了して、保健所に申請することで資格を取得できます。または、栄養士、調理師、製菓衛生師などの資格を保有している方は、保健所に申請するだけで大丈夫です。
営業届出
焼き芋屋さんを運営するためには、営業届出を行う必要があります。
この届出は、営業許可を必要としない食品等事業者が営業を行う場合に必要です。営業を行う場所や業態、営業時間などに関する情報を提供し、地方自治体に提出します。
しかし、加熱以外の調理を行う場合は「営業許可」が必要です。例えば、焼き芋にトッピングや焼き芋スイーツを提供する場合です。
道路使用許可
焼き芋屋さんが移動販売を行う場合、公共道路や歩道での使用に関する許可が必要です。
この許可は、その地域の警察に申請し、条件を満たすことで取得できます。道路使用許可は、申請すると必ず通るものではないので、あらかじめ覚えておきましょう。
儲かる焼き芋屋さんにするには?失敗しないコツ
焼き芋屋さんを開業することは素晴らしいアイデアですが、成功するためにはいくつかのコツや戦略が必要です。
ここでは、儲かる焼き芋屋さんになるための失敗しないコツをご紹介します。
時間帯に応じて販売場所を変える
焼き芋の需要は時間帯によって異なります。例えば、昼食時には人通りの多い場所やイベント会場がいいかもしれませんが、夕方・夜になると駅周辺や学校や公園周辺がいいでしょう。
したがって、時間帯に合わせて販売場所を変える戦略を立てることで売り上げを伸ばすことができます。
季節によって商品を工夫する
季節に応じて商品を工夫することは重要です。寒い季節は焼き芋がよく売れますが、夏場は売れ行きが悪くなる傾向があります。
そのため、焼き芋をアレンジしたスイーツやかき氷などの全く別のメニューを提供するのも戦略です。季節の変化に合わせてメニューを調整し、お客様のニーズに応えましょう。
SNSを活用した宣伝をする
現代では、SNSが宣伝において非常に効果的です。
InstagramやTwitter(X)などのプラットフォームを活用して、焼き芋の美味しさや特別なキャンペーンを宣伝しましょう。SNSを使えば、広い層のお客様にリーチが可能です。
特に若い子はSNSで行く場所を決める子が多いので、積極的に活用しましょう。移動販売をするのであれば、その日に営業する場所を告知するのも方法の1つです。
安くでサツマイモを仕入れる
原材料であるさつまいもの仕入れ費用を抑えることも重要です。
生産者から大量仕入れを行ったり、地元の農産物市場で交渉力を発揮することで、コストを下げることができます。安く仕入れたさつまいもを提供することで、利益率が上がります。
まとめ
本記事では、焼き芋屋の開業について詳しく解説しました。
焼き芋屋の需要は常にあり、最近再ブームにもなってきているので、これからチャンスの業界の1つです。焼き芋屋を開業する方法は、移動販売や店舗販売、フランチャイズの3つがあります。自分に合った方法を選びましょう。
焼き芋屋さんを開業するメリット
・開業資金が少なくて開業しやすい
・調理が簡単で未経験でも開業できる
・特別な資格がなくても開業できる
儲かる焼き芋屋さんにするには?失敗しないコツ
・時間帯に応じて販売場所を変える
・季節によって商品を工夫する
・SNSを活用した宣伝をする
・安くでサツマイモを仕入れる
詳細は本文で解説しているので、焼き芋屋を開業したい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。