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高齢者向けサービス一覧|起業に向いているビジネスと成功例を解説
日本は高齢化社会なので、高齢者の人数が増えています。そのため、高齢者向けのビジネスは今後伸びていくと言われています。では、どのようなサービスが展開されているのでしょうか。
この記事では、高齢者向けサービスや企業に向いているビジネス、成功例について解説します。
この記事の目次
高齢者向けビジネスとは?
高齢者向けビジネスとはいったいどのようなものでしょうか。ここでは、高齢者ビジネスの全体像について見ていきます。
高齢者とは?
高齢者とは、世界保健機構では65歳以上を指します。65~74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と定義しています。
しかし、ビジネスの世界においては60歳以上の方を高齢者と呼ぶことが多いです。この理由は、今まで60歳が定年とされていたからでしょう。
高齢者ビジネスの概要
高齢者ビジネスとは、高齢者をターゲットにビジネスを行うことです。
日本は高齢化社会になっているので、高齢者向けビジネスの需要が高まっており、参入者も増えています。
そのビジネスの種類は多岐にわたり、介護や医療だけでなく、趣味や宅配、サービス分野などもあります。
社会貢献にも繋がり、ビジネスとして収益を得ることができるので、これからの日本社会にはなくてはならないビジネスに発展していくでしょう。
高齢者向けサービスが今後おすすめな理由
高齢者向けサービスはこれから市場規模が大きくなり、需要が広がるので、これからビジネスを始める方にとってはおすすめです。
やはり、需要がないとビジネスで稼ぐこともできず、将来性がないので、これから伸びていく産業に参入することは賢い選択と言えます。
また、高齢者向けサービスは様々な種類があるので、自分がやりたい仕事が見つけやすいのも特徴の1つです。
高齢者向けサービスの市場規模
先程もお伝えした通り、高齢化社会が進んでいる日本では市場規模も広がっています。
高齢者向けマーケット市場規模は2007年に62.9兆円だったのに対して、2025年の予想市場規模は101.3兆円まで増加する見込みとなっています。
医療、介護、生活産業どの分野でも伸びていますが、特に伸びているのが介護分野です。
介護分野は国からの補助もあり、利用者も全額負担しなくていいことが伸びている理由の1つでしょう。
ただ、今後は他の分野でも急成長する可能性があります。
高齢者向けサービスの一覧
高齢者向けビジネスについてわかったところで、どのようなサービスがあるのかを見ていきます。ここでは、全部で4種類説明していきます。
介護分野
介護分野と聞くと、老人ホームのような介護施設を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、介護分野には様々なサービスがあるので、3つ紹介します。
居住系介護
居住系サービスは、老人ホームやグループホームのような24時間体制で利用者を管理できる施設のことです。
それぞれ介護サービスの種類は異なりますが、主にリハビリを行うサービスをメインにしています。
介護施設
有名な介護施設の例は、デイサービスです。デイサービスは老人ホームとは違い、住むのではなく、決まった日に利用者が施設に来るスタイルです。
そこで、日常生活を行えるようにするための運動や食事、入浴などのサービスを提供します。
在宅介護
在宅介護には、訪問介護や訪問リハビリなどがあります。これらの特徴は、ホームヘルパーや理学療法士が家に訪問して、生活補助や医療処置を行います。
自宅で家族と過ごしながら生活したい方には、おすすめの方法です。
宅配・配食分野
高齢者向けサービスで最近需要が伸びている中に、宅配・配食分野があります。
自分で食事を作るのが大変な高齢者も多いので、宅配で弁当を配達するサービスはとても人気です。栄養バランスが整った食事を摂れるので健康にも良いです。
また、宅配するだけでなく、高齢者の様子を見ることもできるので、家族の方も安心できます。
趣味娯楽分野
若い世代に比べて時間がある高齢者が多いので、趣味や娯楽を楽しむ方が多いです。
そのため、趣味や娯楽分野の需要も増えており、例えば、園芸や手芸、運動、ゲームなど様々なものがあります。
その中でも、健康的に楽しめる運動や脳が活性化される遊びが人気です。
また、働かなくなり社会から孤立する感覚になる方もいるので、仲間と楽しめるようなことを提供するほうがいいでしょう。
サービス分野
サービス分野は幅広いですが、代表的なものは代行サービスです。例えば代行サービスの中には、家事代行や便利屋サービスがあります。
家事代行サービスは、料理や洗濯、掃除などの家事を高齢者の代わりに行うサービスです。
高齢者は自分で家事をするのが難しくなってくる方も多いので、需要があります。
そして、便利屋は家事代行サービスと似ていますが、家事だけでなく、庭の草むしりやエアコンのフィルター交換、不用品処分、送迎など様々なサービスがあります。
高齢者向けビジネスのメリット
高齢者向けビジネスには、様々なメリットがあります。ここでは、4つに分けて説明していきます。
市場規模や需要が増えている
高齢者向けビジネスに参入するメリットの一つは、市場規模や需要が急速に拡大していることです。
近年、高齢者の割合が増加しており、これに伴って高齢者向けの商品やサービスへの需要も急増しています。
2025年以降は市場規模も100兆円を超えるとされているので、今後もさらに伸びていくでしょう。
様々な業界・業種があり参入しやすい
高齢者向けビジネスは、その需要の多様性から様々な業界・業種に広がっています。
例えば、介護サービス、配食サービス、趣味活動など、様々な分野で展開されており、高齢者向けのニーズが多様化しています。
また、様々なサービスを組み合わせることで独自サービスを展開できるかもしれません。
収益化しやすい
高齢者向けビジネスは、収益化が比較的しやすい特徴を持っています。これは、安定した需要を持っていることに加えて、貯蓄額が多いためです。
高齢者は平均貯蓄額が多く、良いと思ったサービスにはお金を使ってくれるので、高齢者にビジネスを展開していくのは有効的です。
若くてお金がない世代よりもお金のある世代をターゲットにすることは、ビジネスをするうえでいい選択と言えます。
社会貢献ができる
最後に、高齢者向けビジネスを展開することで、社会貢献ができる点も魅力の一つです。
高齢者になると自分でできないことが増えてきて、誰かが助けてあげないといけません。
そのため、誰かを救いながら収益を上げることができる高齢者向けビジネスは、まさに社会貢献と言えるでしょう。
高齢者向けビジネスのデメリット
高齢者向けビジネスにはメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここでは、2つに絞って詳細を解説していきます。
介護業界は保険制度の見直しで影響を受けやすい
デメリットの一つが、介護業界における保険制度の見直しがビジネスに影響を及ぼす可能性です。
介護保険制度は3年に1度見直しされるので、事業者の収入や利用者負担額が変更されることがあります。
介護サービスの利用者は全額を負担しているわけではなく、1~3割しか負担をしていません。あとの7~9割は保険で補われているからです。
しかし、仮にこの負担額が6~8割になってしまうと、利用者が減り事業者の収入も減ってしまいます。
つまり、保険制度が改定されるとことで良い影響を受けることもありますが、悪い影響を受ける可能性もあるということです。
新たなサービスより既存サービスが好まれやすい
もう一つのデメリットは、高齢者向け市場において新たなサービスがなかなか受け入れられにくいという側面です。
高齢者は変化を嫌う傾向があり、既存のサービスや環境になじみやすいと言えます。それは、今まで積み重ねてきた実績や信頼を重んじるためです。
例えば、10年間同じ介護施設の担当者に介護サービスを頼んでいたのに、急に新しい施設に頼むと自分の要望や悪い箇所などを一から教えるところから始まり面倒です。
つまり、高齢者の方に既存のサービスを提供していくには、少しハードルは高くなります。
高齢者向けビジネスを始める時のコツ
高齢者ビジネスは様々な分野があるので、誰でも始めることは可能です。しかし、ただ始めるだけでは稼ぐことができません。そこで、高齢者ビジネスを始める時のコツを3つに分けてお伝えします。
ターゲットの明確化とアプローチ方法を考える
高齢者向けビジネスを始める際に重要なのは、ターゲットの明確化とそれに合わせたアプローチ方法を考えることです。
高齢者と言ってもみんなが同じ条件ではありません。家族と同居している人、貯金がたくさんある人、介護サービスにお世話になっている人など人によって生活環境が異なります。
そのため、サービスを提供する時には、どういった層にどのようにサービスを展開していくかを決めることが必要です。
決める時は漠然と決めるのではなく、具体的に決めましょう。
親しみのある商材やサービスを扱う
高齢者向けビジネスで成功するための一つの方法は、親しみのある商材やサービスを提供することです。
高齢者の中には新しいものを好む人もいますが、自分たちが知っている商品やサービスを好みます。特に、同じようなサービスであれば、なおさらそうです。
そのため、全く異なるサービスや商品を扱う場合でも、高齢者の方に親しみのあるものを含ませてあげることが大切です。
人材を確保する
高齢者向けビジネスでは、人材の確保が重要な要素です。
介護職や医療関係だと特別な資格を持つ方を雇うか自分が資格を持つ必要があります。
そのため、いざビジネスを始めようとしても人材がそろわないと始めることができません。
しかし、介護職など高齢者向けのサービスは低賃金のイメージがあるので、同じような条件や採用方法だと難しいでしょう。
例えば、給与を平均以上にする、福利厚生を充実させるなど他社との差別化を図ると人材が集まりやすくまります。
起業に向いている高齢者向けビジネス
高齢者ビジネスはたくさんありますが、その中にも起業におすすめなものがいくつかあります。ここでは、5つ紹介していきます。
運転・家事代行サービス
高齢者向けに適した起業アイデアの一つは、運転や家事代行サービスの提供です。
例えば、車の運転が難しくなった高齢者に対して、外出や医療機関への送迎をすることで、日常生活をサポートします。
また、家事代行サービスでは、掃除や料理、買い物などをサポートすることで、高齢者が安心して自宅で生活できる環境を提供します。
これにより、高齢者自身や家族の生活の質を向上させることが可能です。
パソコン・スマホ教室
パソコンやスマホ教室も起業に向いている1つです。
現代社会ではデジタル技術がますます重要視されていますが、高齢者の中にはこれに慣れていない方も多くいます。
もちろん使えなくても生きていけますが、使えることによって生活が豊かになります。
例えば、ネットスーパーでの買い物です。頻繁に買い物に行くのが大変な方にとっては、ネットで注文するだけで買い物ができるので、生活の質が上がるでしょう。
リハビリサービス
高齢者の健康維持やリハビリに焦点を当てたサービスも起業に適した分野です。
例えば、専門的なトレーニングやリハビリプログラムを提供することで、高齢者の健康促進や身体機能の向上をサポートします。
何もしなくても体のどこかに痛みが出る高齢者もいるので、高齢社会になるにつれて需要は伸びていくでしょう。
宅配・配食サービス
高齢者向けの宅配や配食サービスもおすすめの起業の選択肢です。
外出が難しい高齢者に対して、食事や必要な商品を直接届けることで、生活の手間を軽減します。
また、栄養バランスが整った料理が提供されることで、健康維持もできます。1人暮らしや老夫婦で暮らしている方には役立ちサービスです。
整体や整骨院サービス
最後に、整体や整骨院サービスも高齢者向けのビジネスとしていい方法です
高齢者は身体の不調を抱えやすく、専門的な治療やケアが求められるので、国家資格を持った整体師の施術により体の不調を治します。
整体や整骨院は1回で治すものではなく、徐々に治していくので長期的な収入を見込むことが可能です。
利用者も保険が適用できるので、定額で通いやすいでしょう。
高齢者ビジネスの成功例4選
高齢者ビジネスは様々な分野で需要があるとお話ししてきました。では、実際にどのようなビジネスがあるのでしょうか。成功例をいくつか見ていきます。
ポケモンGO
高齢者ビジネスの成功例として挙げられるのが、ポケモンGOの導入です。
ポケモンと聞くと子供がやるイメージですが、高齢者に上手に訴求できたことで利用者が増えました。その訴求は、「遊びながら運動不足を解消できる」というものでした。
既存のサービスでも訴求方法1つで利用者を増やすことができることを証明した成功例の1つです。
イオンのウォーキングコースや高齢者向け食品
イオンも高齢者向けのビジネスに成功した企業の一つです。
イオンでは、ウォーキングコースを設置して歩行距離や消費カロリーがわかるようにしました。
これは、普段散歩する人をイオンに来てもらうことで、イオン内の店舗の販売機会を増やした事例です。
他にもイオンでは、高齢者向け食品の「トップバリュ やわらか」を販売しています。これは、噛まなくても食べることができるので、高齢者で噛む力が弱い人でも食べれます。
セコムの見守りサービス
セコムの高齢者見守りサービスも高齢者ビジネスで成功したサービスの1つです。
これは高齢者に直接訴求するわけではなく、高齢者の家族に訴求しています。
1人暮らしの高齢者や老夫婦で暮らしている人を家族に持つ方々にとっては、とても役立つサービスということで普及していきました。
三菱UFJ信託銀行のエクセレント俱楽部
三菱UFJ信託銀行は、「エクセレント俱楽部」というプレミアムサービスを提供しています。
これは、主に高齢者向けの資産運用や健康、旅行など様々なサービスを提供し、3親等以内の家族は入会できるようにしています。
残高に1,000万円以上ある個人であるなどの条件はありますが、入会金や年会費も無料で一定の顧客獲得に繋がっています。
まとめ
本記事では、高齢者向けのビジネスについて詳しく解説しました。
高齢者向けのビジネスは、高齢化社会の日本では需要が拡大しています。
そして、介護や医療系のサービスだけでなく、趣味や宅配、家事代行など様々な分野で事業が展開されているので、これから参入する人も増えるでしょう。
高齢者向けビジネスを始める時のコツ
・ターゲットの明確化とアプローチ方法を考える
・親しみのある商材やサービスを扱う
・人材を確保する
起業に向いている高齢者向けビジネス
・運転・家事代行サービス
・パソコン・スマホ教室
・リハビリサービス
・宅配・配食サービス
・整体や整骨院サービス
詳細は本文で解説しているので、高齢者向けのサービスについて知りたい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。