脱サラの失敗でよくあるケース10選|失敗する人の特徴や失敗しないための…
独立・開業
起業サポートの種類やサービス形態|相談できる機関や窓口を解説
起業相談やサポートは、起業に役立つものであり、種類が豊富なので、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
この記事では、起業サポートの種類、サービス形態、相談できる機関や窓口について解説します。これから起業したい方は参考にしてください。
この記事の目次
起業サポートをしてくれる機関・窓口
始めて起業する方のために、起業サポートをしてくれる機関や窓口があります。これらの組織は、ビジネスの立ち上げから成長段階まで、様々なサービスを提供しています。
ここでは、初心者でも理解しやすいように、日本国内で利用できる主な起業サポート機関や窓口について詳しく説明します。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は国の金融機関で、起業や開業者を増やすことで、雇用機会も増やし、国内総生産(GDP)を上げることを目的としています。
そのため、民間の金融機関で融資を受けられない起業家や中小企業に、金融支援やサポートを提供しています。
東京・大阪、愛知にプラザがあり、対面もしくはオンラインで中小企業診断士などの専門家に相談が可能です。
また、その他にも事業計画書や融資などに関して相談できる支店が全国で152か所あります。さらに、WEBでは業界ごとの情報も掲載されているので、参考になるでしょう。
商工会議所・商工会
商工会議所は、地域の活性化や中小企業のサポートをする非営利団体です。
会員制となっており、商工業者によって成り立っています。起業サポートとして、相談やセミナー等を行っています。
税理士や司法書士などの専門家に起業するために必要なノウハウを教わることが可能です。さらに、セミナーでは起業したい人が集まるので、情報収集や人脈形成にも役立ちます。
また、地域に貢献するような事業を行いたい方は、地域の信用金庫などとサポートをしてもらいやすくなる可能性があるので、相談してみる価値はあるでしょう。
商工会議所の会員になるためには、地域ごとの条件が定められているので、窓口やWEBで確認しておきましょう。
中小企業基盤整備機構(中小機構)
中小企業基盤整備機構は、政府機関と連携を組みながら中小企業のサポート等を行っています。
起業相談だけでなく、経営課題に関しての相談も専門家に無料で行うことができます。さらに、海外ビジネスやSDGsなど様々な方面の事業についても相談可能です。
相談方法は、対面、オンライン、メール、チャット、電話などがあります。
よろず支援拠点
よろず支援拠点は、全国47都道府県で拠点を構えており、中小企業や小規模事業者をターゲットに相談を行っています。
相談で多い事業者は、従業員が5名以下の事業者となっているので、これから頑張ろうとしている方々には強い味方となってくれるでしょう。
起業サポートそして、起業準備だけでなく、売上向上や経営課題の改善、事業復興など様々な相談にも専門家がアドバイスしてくれます。
ワンストップ相談窓口Plus One
ワンストップ相談窓口Plus Oneは、スタートアップのサポートを目的とした政府系16機関が創設したプラットフォーム窓口です。
参加機関は医療、科学技術、貿易、エネルギーなど様々な分野があり、先ほど紹介した中小機構も参加しています。
起業サポートのみならず、資金調達、投資、海外展開、人材育成など様々な分野での相談が可能です。
会計事務所や税理士事務所
会計事務所や税理士事務所でも、起業・経営に関してのサポートを行っています。
これらの事務所は、その分野に特化しているプロの集団がいるので、その分野の問題であれば解決してくれます。逆に、起業・経営全般の悩みや漠然とした悩みだと、お互いに有効な時間にはならないでしょう。
また、相談だけだと無料でしてくれるところもありますが、実際に何か手続きを行うとなると料金がかかります。
民間企業
公共機関だけでなく、民間でも起業サポートを行っている企業はたくさんあります。
公共機関は国や自治体が行っており、ある程度決まりがありますが、民間の場合は融通が利きやすい企業もあります。
企業によって得意分野や強みが異なっているので、自分たちに合った企業を選ぶことが重要です。
起業の相談をできる専門家
起業相談やサポートをしてもらえる専門家について、以下でまとめていきます。
専門家 | サポート内容 | 費用 |
税理士 | 税金、会計、会社設立など | 顧問料月3万円程度 |
弁護士 | 法律、契約書、著作権など | 10万円前後 |
行政書士 | 定款作成や認証など | 10万円前後 |
司法書士 | 定款作成や認証、登記など | 10万円前後 |
社会保険労務士 | 社会保険や雇用など | 5万円前後 (従業員30人未満) |
以上のように、それぞれ専門家によって行うことができる範囲は異なります。
特に、税理士さんは起業前だけでなく、税金・会計関連で長期的にお付き合いしていきます。
起業家の先輩にアドバイスをもらう方法も考える
公共機関や民間企業に起業相談を行うのもいいですが、周りに起業している人がいれば、その方に相談するのも良いでしょう。
理由としては、実際に起業した経験がある方のリアルな声を聞くことができるからです。特に、同じ業界だとより濃い話ができ、情報共有もできます。
例えば、美容サロンを起業しようとしている場合、開業費用、集客方法、困ったこと、経営のコツなどを聞いておくことで、失敗を回避しながら事業を進めることができます。
もし、周りに起業した人がいなければ、セミナーや交流会に参加して質問してみることもおすすめです。
起業サポートの種類
起業サポートの種類は、機関や企業によって異なります。また、サポートの種類は一緒でも、どこまでの範囲でサポートしてくれるのかも異なります。以下では、代表的なサポートの種類を4つに分けてお伝えします。
営業・販売サポート
事業者は起業して稼いでいくためには、サービスを利用してもらわないといけません。そのためには、営業や販売をしていく必要があります。
しかし、初めて起業する方々には、上手くいかないことも多く、時間だけが過ぎていく可能性も高いです。
そこで大事なのが、営業・販売するためのノウハウを学び実践することです。
公共機関や民間企業の起業サポートでは、営業方法やマーケティング戦略、広告、価格決定などのノウハウを提供しています。
サイト作成サポート
起業するときにHPを作成する人も多いでしょう。実際にHPがあることで、自社のことを多くの方に知ってもらうチャンスが増えます。
しかし、起業したい人の多くは、自分で一からHPを作成できない人も多いです。
仮にHPを作成できたとしても、それを多くの人に見てもらうためには、SEO対策が必要です。SEO対策は、自分のHPを検索順位の上位に表示させることで、これができれば不特定多数の人に認知してもらえます。
公共機関や民間企業の起業サポートでは、HP作成方法からSEO対策まで提供していることがあります。
もし、これらを業者に依頼するとなると数十万円~かかるので、サポートを受け、できるだけ自分でできるといいでしょう。
開業手続きサポート
開業するための方法は、個人事業主と法人で異なります。
個人事業主の場合、開業届と青色申告届出書の申請が必要です。
法人の場合、個人事業主よりも手続きが複雑で、定款作成や登記、そのほか多くの書類等の提出があります。
これら以外にも、開業するにはたくさんやることがあります。それらの手続きを短縮するために、公共機関や民間企業のサポートを受けると良いでしょう。
資金調達サポート
起業するときの状況や起業方法にもよりますが、多くの方は資金調達を行います。
しかし、多くの方は事績や信頼がなく、金融機関から融資を受けづらい状況にあります。
そこで、資金調達の準備、交渉術、面談対策などのサポートを受けることが重要です。このサポートを受けることで、本来自分だけだと通らなかった融資も受けられる可能性があります。
また、融資は起業前だけでなく、起業後も必要な場面が来るかもしれないので、ノウハウを学んでおくことは財産になります。
起業サポートを利用するメリット
起業サポートを利用しなくても自分だけで起業することは可能です。ですが、利用することで、受けられるメリットもあります。ここでは、それらのメリットについてお伝えします。
手続きがスムーズに進む
起業を考えていると、法的な手続きや書類作成などがハードルとなりがちです。しかし、起業サポートを利用することで、スムーズに手続きを進めることができます。
例えば、会社設立の際の各種書類の記入方法や提出先、期限などを専門家がわかりやすく教えてくれます。
起業時は意外と時間がないこともありますが、サポートを受けることで、時間短縮にも繋がるのです。
多角的なアドバイスをしてもらえる
起業サポートを利用する際、手続き方法だけでなく、ビジネス全般にわたる多岐にわたるアドバイスを得ることができます。
起業時は自分たちの意見だけで計画を立てますが、初心者だけの視点では、視野が狭くなりやすいです。
サポートを受けることで、初心者でも理解しやすいように、具体的なビジネスプランの立て方や市場調査の進め方など、実践的なアドバイスを期待できます。
プロからのサポートをしてもらえる
起業サポートでは、経験豊富なプロがあなたのビジネスをサポートしてくれます。
その道のプロにサポートを受けることで、大きく失敗することが減ります。
資金調達を好条件でできる可能性がある
起業には資金調達が重要ですが、初めての起業者にとって資金調達は難題です。自己資金で考えている人でも、しっかり調べていくうちに資金調達しないといけないことに気づく人もいます。
しかし、起業サポートを利用することで、好条件で資金調達できる可能性が高まります。
起業サポートのサービス形態
起業サポートを受けるメリットをお伝えしました。では、起業サポートを受ける時に、どのような形態があるのでしょうか。以下で、4つの形態についてお伝えします。
顧問契約
顧問契約は、毎月固定報酬を支払い、コンサルティングしてもらう契約形態です。
顧問は経験豊富であり、ビジネスの事情や情報を理解しています。顧問契約の場合、サポート方法は人によって異なりますが、毎月の面談や困りごとの相談、手続きの委託などです。
長期的に事業のサポートをしてほしい場合に、おすすめの手段です。
セミナー
セミナーは、起業についての全体像を聞きたい場合におすすめの方法です。
セミナーでは、起業に必要な基本的な知識や成功の秘訣、失敗からの学びを得ることができます。セミナー後に講演者と直接お話しできるタイプのものもあります。
また、参加者同士で情報を共有することで、異なる視点からのアイデアも得られるでしょう。
成果報酬
成果報酬型のサポートは、成功したら報酬をもらう仕組みです。
これは、サポートしてもらった結果、収益が発生した場合に報酬を支払うので、赤字でのリスクが減ります。
また、サポート側も黒字化しないと無料コンサルという形になるので、意地でも収益化させたいと頑張ることで、WIN-WINの関係になりやすいです。支払う金額などについては、事前に確認しておきましょう。
店舗開業
これは、飲食店や美容サロンなど店舗を構えて商売する場合のサポートになります。
店舗を構える場合、物件探し、内装工事、設備や備品準備など多くの準備が必要です。これらを自分1人で行うと、いろんな業者に依頼する必要があり、大変です。
そこで、店舗開業サポートを受けることで、効率的に準備を行うことができます。
起業サポートのサービスを選ぶコツ
起業サポートは多くの機関や企業で行っています。そこで、サポートを選ぶ時にどのような基準で選ぶべきかを解説します。
費用とサポートの質が見合っているか
起業サポートを選ぶ際に重要なのは、まず自分の予算をしっかりと設定することです。どれだけの費用をかけられるかによって、利用できるサポートの幅が変わってきます。
ただし、高い費用が必ずしも高いサポートを意味するわけではありません。
逆に、費用が安くても、幅広いサービスを行ってくれるところもあるでしょう。そのため、複数の企業で見積もりを取り、費用とサービスの質を比べて決めることがおすすめです。
自分の事業に必要なサポートを選ぶ
起業サポートを選ぶ上で欠かせないのは、自分の事業に必要なサポートを見極めることです。
例えば、美容サロンで起業する場合は、美容に特化した専門サポートを受けられるところに頼む必要があります。
逆に、サポート内容に必要のないものが含まれている場合は、費用を削減できる可能性があるので、しっかり確認しておきましょう。
サポート実績を確認する
起業サポートを選ぶ際には、実績が豊富かどうか確認しましょう。
実績があるほど、実力がありますし、色んなノウハウがあるはずです。安心して起業したい場合は、しっかり企業分析しておきましょう。
起業サポートで相談する前にしておくべきこと
起業サポートを受ける前に相談内容を決めておきましょう。自分が解決しておきたいことを明確にしておくことで、有意義な時間になります。
事業計画をしっかり立てておく
起業相談をする前に、まずはしっかりとした事業計画を立てることが大切です。
事業計画はあなたの事業がどのような方向に進むべきかを明確にするものであり、どのようなターゲットにサービスを提供するかなどです。
具体的に決めておくことで、相談時により良い回答を貰いやすく、自分がどのようなことをすればいいかが明確になります。
起業方法や手続きについて自分でも調べておく
起業相談をする前に、起業方法や手続きについても自分で基本的な知識を身につけておくことが重要です。
起業には様々な手続きや法的な知識が必要となりますが、自分で基礎を押さえておくことで、相談する際にもより効果的にコミュニケーションがとれるようになります。
起業方法3選
起業する方法は主に、3つの手段があります。以下では、それぞれの方法について解説していきます。
自分で0から起業する
自分で0から起業することは、自分でアイデアから事業計画、営業、財務まで全てを自ら手がけることが求められます。
自分が理想とする事業を手掛けることができる一方で、知識や勉強も大事で、失敗のリスクも大きくなります。
販売代理店として起業する
販売代理店での起業は、既存の商品やサービスを提案し、その販売を行うことです。
既に存在する商品やサービスを自分の販売戦略で販売していくので、戦略がはまれば大きく売上を上げることができます。
これは、商品やサービスの信頼性や人気なども大きく影響してくるので、どの商品やサービスを販売するかも大事になってきます。
フランチャイズで起業する
フランチャイズでの起業は、成功したビジネスモデルを利用して、起業することです。
例えば、コンビニのような既に知られているビジネスが多く、様々なサポートがついているので、集客しやすく初心者に向いています。
一方で、フランチャイズ本部での経営の制約があるので、自分の好きなように経営ができない可能性があります。
まとめ
本記事では、起業サポートについて詳しく解説しました。
起業相談やサポートは、国が行っている機関から民間企業まで様々です。税理士や行政書士などの専門家にも相談できます。
起業サポートには、様々な種類がありますが、自分が必要なサポートを受けることが重要です。
起業サポートをしてくれる機関・窓口
・日本政策金融公庫
・商工会議所・商工会
・独立行政法人 中小企業基盤整備機構
・よろず支援拠点
・ワンストップ相談窓口Plus One
・会計事務所や税理士事務所
・民間企業
起業サポートのサービスを選ぶコツ
・費用とサポートの質が見合っているか
・自分の事業に必要なサポートを選ぶ
・サポート実績を確認する
詳細は本文で解説しているので、起業サポートについて知りたい方は参考にしてください。
この記事に関連するキーワード
シェアする
https://ikuraya.jp/fc/column/independence/entrepreneurship-support
URLをコピー
この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。