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臨店とは?意味や目的・飲食店など業界別の臨店内容の違いを解説
臨店は、経営する飲食店などの店舗に本部の管理者が訪れ、店舗の状況や問題点などを確認することです。
この記事では、臨店の意味・目的・業界別の臨店内容の違いについて解説します。臨店について知らない方は参考にしてください。
臨店とは
初めて店舗経営に関わる方々にとって、「臨店」という言葉は聞き慣れないものかもしれません。
しかし、この言葉はビジネスにおいて非常に重要な概念です。ここでは、臨店について深く掘り下げ、裁量臨店と臨店検査の違いに焦点を当てていきます。
臨店の意味
臨店とは、単純に言えばSVや管理者が実際に店舗を訪れ、その状況を確認し、適切なアドバイスやアクションを起こすことです。
これは、事務所や本社から離れ、実際の現場でビジネスの様子を確認することで、経営判断や課題解決に役立ちます。フランチャイズでは、重要な役割があり、臨店を行うところが多いです。
裁量臨店・臨店検査の違い
では、具体的に裁量臨店と臨店検査の違いは何でしょうか?
裁量臨店
裁量臨店とは、銀行の監査部門が各支店で行われた融資の判断が適切かどうかを確認するために行う内部監査のことで、金融用語の1つです。
臨店検査
一方で、臨店検査は銀行などの金融機関に金融庁や日本銀行が訪れ、検査や指導を行うことです。
SVとは?エリアマネージャーとの違い
会社のポジションの中で、SVとエリアマネージャーは、重要な役割を果たしています。しかし、これらの用語の違いを理解していない方も多いでしょう。
そこで、今回はSVとエリアマネージャーの役割と違いについて、わかりやすく解説していきます。
SVはスーパーバイザーの略で、主に会社の管理や監督を行う役職なので、「管理者」「監督者」とイメージすると良いでしょう。ただし、業種によっても役割が異なるので、次の章でいくつか例を挙げていきます。
一方、エリアマネージャーは特定の地域の店舗や支店の管理を行う役職のことです。店舗や支店を定期的に周り、店舗の状況を確認したり、本部からの指示を伝えたりします。
これら2つの役割は似ている部分もあり、企業や業種によって呼び方が異なる場合もあります。
SVの役割・仕事内容
SVは「スーパーバイザー」の略で、主に会社の管理や監督を行う役職なので、「管理者」「監督者」とイメージすると良いでしょう。
SVの役割は業界によって異なるので、いくつか例を挙げて紹介していきます。
飲食店や小売店
飲食店や小売店のSVは、エリアで複数店舗担当することが多く、業績や人材育成を主に管理するのが一般的です。
人材育成は従業員の課題を挙げ、トレーニングをし、接客スキルや商品知識の向上を図ります。業績に関しては、売上データや顧客フィードバックを分析し、改善策を提案します。
SVは、現場責任者を経験し、実績を出した人が昇格して就任する役職です。そのため、普段から店舗とコミュニケーションをとることで、SVの言葉は店舗スタッフの耳に入りやすくなるでしょう。
コールセンター
コールセンターのSVは、現場の責任者という役割を持ち、仕事を円滑に回すための管理を行います。
時には、困っているスタッフと対応を変わって、お客様とお話しすることもあります。また、スタッフの育成や指導も必要です。
スタッフやお客様の対応、勤怠管理やサービス改善と様々な業務を行うので、コミュニケーション能力や柔軟に対応していく力が求められます。
エンタメ業界
テレビや映画などのエンタメ業界のSVは、「監修者」の役割を持ち、作品をよくするためのアドバイスや間違いの指摘などを行います。
エンタメでも、音楽や書籍などもあり、それぞれ専門のSVが存在します。よく映画や書籍に監修者の名前が書いてあると思いますが、それがSVです。
臨店するとき意識すること4選
臨店はSVや管理者にとって重要な活動であり、効果的に行うためにはいくつかのポイントを意識することが重要です。ここでは、臨店する際に意識すべき4つのポイントに焦点を当て、初心者でも理解しやすいように解説していきます。
目的や目標を明確にする
臨店を行う際には、なぜその店舗を訪れるのか、どのような目標を達成したいのかを明確にすることが大切です。
売上向上、サービス品質の確認など、目的によって必要な視点やアクションが異なります。例えば、売上向上を目的とした場合、「〇月までに〇%売上を向上」などといった目標を掲げましょう。
目的や目標を実際に行えるような戦略を立てる
目標が明確であれば、その目標を達成するための戦略を考える必要があります。
例えば、サービス向上を目指すならトレーニングプログラムを導入し、売上向上を目指すなら販促イベントを計画するなど、実践的な戦略が必要です。
ここでは、スタッフ全員が理解できて、いつでも確認できるようにする必要があります。
達成可能な数値かどうか検証を行う
目標や戦略を立てた後は、具体的な数値で検証することが重要です。
例えば、売上向上を目標にする場合、「客単価」「集客数」「接客時間」などの項目ごとに、実現可能な目標数値を算出します。この目標は現実的に厳しい数値にしても意味がないので、注意しましょう。
課題の改善案を実施できているかを確認する
問題点を見つけてそれを改善することも重要です。なぜ、目標を達成できなかったのかを探ることで、課題が明確になります。
この時に課題だけでなく、改善案も示す必要があります。改善案を実施した後は、再度臨店してその成果の確認が必要です。
臨店を行う4つの目的
臨店を行うときには、いくつかの目的が存在します。ここでは、臨店を行う4つの主な目的に焦点を当て、初心者でも理解しやすいように解説していきます。
本部の戦略・指示などを伝える
臨店の一つの目的は、本部で立てられた戦略や指示を実際の店舗に伝えることです。
本部の意図を理解してもらい、それを店舗で実践することで、全体の統一感が生まれ、組織全体が一丸となって目標に向かって進むことが可能となります。
また、重要事項を共有することで、会社がトラブルにあうことを防ぐ効果もあります。
店舗の運営状況を把握する
臨店の目的の2つ目は、店舗の運営状況をリアルに把握することです。
店舗の日常の様子や課題点を把握することで、適切なアクションや調整が可能となります。臨店せずに、監視カメラなどで確認する会社もあります。
経営コンサルティングを行う
臨店は経営コンサルティングを行う場でもあります。
経営者や管理者が店舗を訪れ、その現場での知見を元に経営戦略のアドバイスを提供します。
SVは本部の経営戦略をよく把握しているうえに、元々現場責任者だったこともあり、店舗の問題点を解決するにはぴったりな役職です。
店舗からの意見や要望・問題点を本部に伝える
店舗からの意見や要望、問題点を本部に伝えることも重要です。
店舗スタッフが直面する課題や改善の提案は、本部が把握していない視点や現場のニーズを反映しており、これを本部で取り入れることで組織全体がより良い方向に進むことができます。
また、現場のスタッフからの声を拾い上げることで、現場のストレスも軽減できるでしょう。
臨店を効率的に行うための3つのポイント
臨店はSVや管理者にとって、ビジネスの進捗を把握し、改善点を見つけ出すための重要な活動です。
しかし、臨店は効果的に行う必要があります。ここでは、初心者でも理解しやすいように臨店を効率的に行う3つのポイントに焦点を当てて解説します。
日頃から担当店舗とコミュニケーションをとる
臨店がスムーズに進むためには、日頃から担当店舗と積極的にコミュニケーションをとることが重要です。
コミュニケーションをとることで、店舗スタッフとの信頼関係が築かれ、臨店当日にも円滑な情報共有が可能です。
例えば、日常的な連絡を通じて特定の課題点や改善すべきポイントがある場合、臨店の前にそれを把握しておくことで、より具体的で効果的なアドバイスができるようになります。
また、現場の責任者やスタッフは臨店の時だけ指示したり、文句を言うSVに対して反発してしまうことも少なくありません。
事前にチェック項目を把握しておく
臨店を効率的に進めるためには、事前にチェックすべき項目を把握しておくことが重要です。
具体的なチェック項目は店舗の業績データ、在庫状況、スタッフの配置などが挙げられます。これらの情報を把握しておくことで、臨店当日にはすばやく重要なポイントに焦点を当てることができます。
リモートで臨店を行う
近年ではリモートワークが一般的になりつつあり、臨店もリモートで行うことが可能です。
リモートで臨店を行う場合は、ビデオ会議やオンラインツールを活用して店舗スタッフと対話し、データや画面共有を行います。これによって、遠隔地からでもリアルタイムに店舗の状況を確認し、アドバイスを提供することができます。
特に、物理的な移動が難しい場合や複数店舗を一度にチェックする際に有効です。
業界別にみる臨店の内容
臨店は様々な業界で異なる視点やポイントが求められます。ここでは、飲食店、スーパーマーケット、銀行の3つの異なる業界に焦点を当て、臨店の内容について初心者でも理解しやすいように解説していきます。
飲食店の臨店内容
飲食店での臨店では、以下のような項目の確認を行います。
- 看板やポスターの内容や見やすさ
- 入店時の雰囲気や店員の掛け声
- 店員の人数や身だしなみ
- 店員のふるまい
- 店内の客層
- メニューの提供までの時間
- 客席への誘導・案内
- 会計時の対応
基本的に忙しい時間帯を狙って臨店することが多いです。暇な時間は意識して行うことができるからです。
スーパーマーケットの臨店内容
スーパーマーケットは、部門によって見るべきポイントが異なります。
例えば、レジだとお客様と直接触れ合うので、身だしなみや接客態度などの確認が必要です。一方、品出しであれば、商品の陳列方法や綺麗に陳列できていつかなど、お客様目線で確認します。
また、生鮮コーナーであれば、食材の取り扱い方などを確認します。食品はお客様の健康に調節関係があるので、特に安全面はしっかり確認が必要です。
スーパーの臨店は、部門も多く人手が足りていない会社もあり、その場合は遠隔でカメラ確認やWEB臨店を行うこともあります。
銀行の臨店内容
銀行では、金融庁や日本銀行が実施する臨店検査が行われます。
証券業者などの第一種金融商品取引業者に対する検査が中心にはなっていますが、臨店検査は基本的に急に実施されます。
つまり、日頃からしっかりとした内部監査を行うことが大切です。社内だけでは不安な銀行は、外部専門家にアドバイスしてもらうことも大切です。
まとめ
本記事では、臨店について詳しく解説しました。
臨店は、SVや管理者が店舗を訪れ、状況の確認やアドバイスを行い、店舗を改善していくために行われます。業界によって臨店内容が異なり、日頃から店舗の状況を確認しておくことが重要です。
臨店するとき意識すること4選
・目的や目標を明確にする
・目的や目標を実際に行えるような戦略を立てる
・達成可能な数値を用いて検証を行う
・課題の改善案を実施できているかを確認する
臨店を行う4つの目的
・本部の戦略・指示などを伝える
・店舗の運営状況を把握する
・経営コンサルティングを行う
・店舗からの意見や要望・問題点を本部に伝える
詳細は本文で解説しているので、臨店について知りたい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。