43種類の職人一覧!脱サラして職人になるにはどうすればいい?
独立・開業
未経験のセレクトショップ起業始め方ガイド|開業資金・仕入れ・必要な資格総まとめ
未経験でセレクトショップを開業する方法は、実店舗を構えるかネットショップで販売するかの2つの方法があります。
この記事では、セレクトショップの開業資金、仕入れ方法、必要な資格などについて解説します。未経験からでもセレクトショップで開業したい方は参考にしてください。
この記事の目次
セレクトショップの仕事内容
セレクトショップとは、おしゃれな洋服やアクセサリー、雑貨などを取り扱う小売店のことです。ここでは、セレクトショップの主要な仕事内容をわかりやすく説明します。
仕入れ
セレクトショップの仕入れとは、商品を仕入れて店舗に並べるための活動です。
仕入れは仕入れ先との契約を行うことがスタートです。契約をするためのアプローチは主に以下の4つです。
・メーカーやブランドに電話する…直接自分店舗について説明することで交渉する方法です。
・展示会に参加する…契約したいブランドが展示会を開いている、または参加している場合、展示会に行き直接会って交渉する方法です。
・取引しているブランドに紹介してもらう…これは開業当初から利用できる方法ではありませんが、実績を積み重ね、信用を高めていくことで今契約しているブランドから紹介してもらう方法です。
・卸サイトを利用する…ネットサイトにショップを登録することで、仕入れることができる方法です。ネットは空き時間に商品の確認ができるので便利です。
オーダーに関しては、基本的に春夏に1回、秋冬に1回行うことが多いです。都度オーダーもできますが、メーカーやブランドの在庫状況や売り上げ状況によって変わります。
販売|実店舗の場合
実際のお店で商品を販売する場合、接客やディスプレイ、お店の管理が主な仕事です。
接客は来店されたお客様のニーズを把握して、ぴったりな商品を提案します。接客次第でお客様が商品を購入するかしないかが決まることが多いので、重要な仕事です。
ディスプレイは、入荷した商品の陳列です。お客様が魅力的に思う陳列をすることで、売り上げも向上します。導線や過去のデータなどを考えて、どこに何を置くと良いかを考えましょう。
お店の管理は、お金の管理やスタッフの管理などがあります。月の売り上げ目標を考えて、達成できるようなオペレーションが必要です。
販売|ネットショップの場合
セレクトショップは、実店舗だけでなく、オンラインでも商品を販売します。ウェブサイトを通じて商品を購入できるようにすることで、より多くの人々にアプローチできます。
ネットショップの主な仕事は、商品の写真撮影、商品ページの作成、オンラインでの注文処理、発送、そしてカスタマーサポートなどです。
まずは、魅力的に商品が映るように撮影をします。その後、お客様が商品を選んで、購入しやすいページを作ります。購入途中で複雑な作業が入るとお客様が離脱するので、わかりやすく簡単なページ作成が重要です。
そして、注文が届くと商品を丁寧に梱包して発送します。他には、お問い合わせにも丁寧に対応していきます。
経理業務
最後に、セレクトショップはお金の面でもしっかりとした管理が必要です。
これは確定申告するために重要な仕事で、収支の記録、売上、仕入れ費用、給与支払い、税金の計算などをします。経理のソフトを使うと初心者でも簡単にできるでしょう。
自分で行うのが難しい方や時間がない方は、税理士に依頼することもおすすめです。
経理は、お店が健全な経済状態で運営されるための大切な仕事なので、しっかり行いましょう。
セレクトショップを開業するメリット
セレクトショップを未経験から開業することには、いくつかの魅力的なメリットがあります。ここでは、その主な二つを紹介します。
好きな商品を販売できる
セレクトショップを開業する最大のメリットは、自分が好きな商品を扱えることです。
例えば、あなたが洋服が大好きで、特にヴィンテージのアイテムに興味があるとします。自分でセレクトショップを開業することで、自分の好みやこだわりを反映した商品を取り扱うことができます。お客様も同じような興味を持っている人が多く訪れるでしょう。
ただ、自分の好きなものだけでなく、トレンドや市場状況などを調べて、売れる店舗にしていくことが重要です。
実店舗とネットショップの両方で販売できる
もう一つのメリットは、実店舗とネットショップの両方で販売できることです。
例えば、あなたが実店舗を持っているとします。地域のお客様が直接商品を見て触れて購入することができます。それと同時に、ネットショップを運営することで、全国や海外のお客様にも商品を届けることができるのです。
これにより、より多くの人々にあなたのセレクトショップの魅力を知ってもらうことができるでしょう。実店舗とネットショップの両方で販売することで、より幅広い顧客層にアプローチできます。
さらに、ネットショップは24時間営業です。つまり、お客様はいつでも商品を見て購入することができます。これにより、時間や場所の制約を受けずに、より多くの販売機会を得ることができるのです。
セレクトショップの開業は儲かる?平均年収は?
今回はアパレルのセレクトショップについてみていきます。
アパレルセレクトショップの開業は利益率が高めなので、比較的儲かる業種です。
実店舗で起業した場合、平均年収は250万円~400万円ほどです。一般的にアパレルの利益率は40~50%ほどで高いので、服が売れるほど利益は上がります。
オリジナルブランドを販売した場合、60~70%ほどの利益率とも言われているので、オリジナルブランドを売れる店舗にしていくことで、より稼ぐことができるでしょう。
一方、ネットショップの場合、平均年収は300万~1,000万円です。利益率は実店舗と大きくは変わりませんが、店舗の賃料などもコストがかからない分、利益は残りやすくなります。
ネットショップはコストも低く起業しやすい分、競合も多いです。そのため、売れない店舗も多く、生活に困る方もたくさんいます。
現代では、実店舗の方でもオンライン販売を行っている店舗も多いので、ハイブリッドで多様な働き方に挑戦することもいいでしょう。
セレクトショップ開業に必要な資金
セレクトショップを開業するのに必要な資金を紹介します。
実店舗の開業資金
実店舗を開業するためには、400~1,000万円ほどの資金が必要です。立地や店舗の規模などによって異なります。
項目 | 資金 |
物件取得費 | 150~300万円 |
内装工事費 | 200~500万円 |
什器等の費用 | 80万円 |
商品の費用 | 100~200万円 |
広告宣伝費 | 10~30万円 |
合計 | 540~1,100万円 |
上記は、都心部での開業資金の目安なので、もう少し田舎のほうだと安くなる可能性があります。
ネットショップの開業資金
ネットショップを開業するためには、数万円~100万円ほどの資金が必要です。
店舗を開業する費用に比べると、かなり安いのがわかります。
項目 | 資金 |
PCやスマホ | 0~20万円(自分の私物でも可) |
プリンター | 0~5万円(なくても可) |
カメラ | 0~10万円(スマホで代用可) |
梱包資材 | 1~5万円 |
サイト制作 | 0~60万円(無料で使えるものあり) |
合計 | 1~100万円 |
毎月かかる運営費用は、通信料金やシステム維持費などが数万円かかります。また、古着を扱う場合、古物商許可を取得するために2万円ほど必要です。
セレクトショップの開業資金の調達方法
セレクトショップの開業では、必要な資金をどのように調達するかは非常に重要です。資金調達法にはさまざまな方法がありますが、初心者でも理解しやすい方法を以下で詳しく説明します。
金融機関からの融資
多くの場合、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受けることができます。
しかし、審査は少し厳しめで、自己資金が求められることも多いので、初めての開業の方は審査に落ちることもよくあります。
信用保証付き融資…借主の返済が滞った場合に、信用保証協会が金融機関に「立て替え払い」を行う融資制度。その代わり、所定の信用保証料の支払いが義務である。
プロパー融資…保証人なしで自分で100%の責任を負う融資で、審査が厳しくなりやすい
金融機関の融資は上記のような制度があり、自分に合ったものを選びましょう。フランチャイズで開業する場合は、融資に関してもサポートしてくれる本部が多いので、審査に通りやすくなります。
日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫での融資は、初めての人も審査が通りやすくおすすめです。
「新創業融資制度」…新たに事業を始める方や事業開始後税務申告を2期終えていない方を対象とした保証人や担保なしで上限3,000万円の融資制度
「新規開業資金」…新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方を対象とした、保証人や担保なしで最大7,200万円の融資制度
上記のような制度があり、金融機関の融資が通らなかった方や低金利でお金を借りたい方はおすすめです。
創業補助金・助成金の活用
一部の地域では、新しいビジネスをサポートするために補助金や助成金が提供されています。これは、特定の条件を満たす場合に受けられる資金です。
例えば、セレクトショップ開業では以下のような補助金も利用できます。
・事業再構築補助金
・IT導入補助金
メリット: 補助金や助成金は、開業費用の一部をカバーするための貴重な支援です。条件に合致する場合、返済の必要がないことが多いです。
デメリット: 補助金や助成金は競争率が高いことがあるため、受給するまでに時間がかかることがあります。また、一部のプログラムには厳格な条件が設定されていることもあります。
未経験からセレクトショップを開業する方法
セレクトショップを未経験から開業する際、いくつかの方法があります。ここでは、個人で開業、法人で開業、およびフランチャイズで開業する方法について説明します。
個人で開業する
個人での開業は、セレクトショップを運営する一般的な方法の一つです。これは、個人事業主としてビジネスを立ち上げることを意味します。
特徴
自由な経営…経営のすべての決定を自分で行うことができます。つまり、自分のビジョンやアイデアを実現できる可能性が上がります。
責任とリスク:…個人での開業は、責任とリスクを一身に負うことを意味します。すべての業務と財務に責任を持たなければなりません。
手続き…法人に比べて開業までの手続きが簡単で負担が少ない
社会的信用…会社員や法人に比べて社会的信用が低く、融資審査が通りにくい
法人で開業する
法人での開業は、個人での開業とは異なり、株式会社や合同会社などを設立することが一般的です。
特徴
社会的信用…個人事業主に比べて信用があり、融資も通りやすい
節税効果…一定以上の収益があれば節税効果が高い
開業費用…個人事業主より法人設立費用がかかる
フランチャイズで開業する
もう一つの選択肢は、既存のフランチャイズブランドと提携してセレクトショップを開業することです。これは、独自のビジネスアイデアを立ち上げるのが難しい場合や、ブランドの力を借りたい場合に魅力的な方法です。
特徴
ブランドの利用…フランチャイズとしてビジネスを開業する場合、既存の成功したブランドの名前で事業ができる。
運営のサポート… フランチャイズ本部からビジネスの運営方法や教育のサポートを受けることができます。これは初心者にとって大きなメリットです。
ロイヤリティ料… フランチャイズ本部に対して売り上げの一部を支払う必要があります。
経営の制約…フランチャイズ本部の経営方針に従う必要があり、自分が作りたい店舗にできないことがある
未経験からセレクトショップを開業する準備と流れ
セレクトショップを未経験から開業するには、いくつかの重要な準備が必要です。ここでは、その手順と具体的な準備について詳しく説明します。
コンセプトやターゲットを決める
最初に、セレクトショップのコンセプトやターゲット顧客を決めることが重要です。
コンセプトは、あなたのショップがどのようなスタイルや雰囲気で経営していくかを決めます。例えば、ヴィンテージファッションに特化するか、若者向けのトレンドアイテムを提供するかなど、明確なビジョンが必要です。ターゲット顧客も考慮しましょう。
あなたのお店はどの年齢層や趣向の人々に向けて商品を提供するのかを決めることも大切です。
資金調達をする
セレクトショップを開業するためには、資金が必要です。
資金調達の方法にはさまざまな選択肢があります。自己資金を使う、銀行からローンを借りるなどです。開業資金を抑えたい方は、ネットショップから始めることがおすすめです。
物件を決め内装工事を行う
次に、セレクトショップの物件を選び、内装工事を行います。
物件はお店の成功に大きな影響を与えるため、慎重に選ぶことが重要です。人が集まる場所は集客がしやすいが、その分賃料が高くなる傾向にあるので、予算管理をしっかり行いましょう。
内装工事では、お店のコンセプトに合ったデザインと陳列スペースを作ります。内装にも予算を設定し、外観や内部の魅力を最大限に引き立てることが重要です。
仕入れをする
次に、商品の仕入れを行います。お店で販売する商品を仕入れるための卸売業者やブランドとの提携をします。
自分の決めたコンセプトに合った仕入れ業者、商品を選択し、商品の品質、価格、在庫管理などを考慮して仕入れを行うことが重要です。
備品や設備をそろえる
お店を運営するために必要な備品や設備を揃えることも大事なことです。これにはレジ、陳列棚、試着室、照明などが含まれます。
最近は支払方法でキャッシュレスが使える店でないと行かないお客様もいるので、キャッシュレス機器は必須と言えるでしょう。
適切な備品と設備を選び、お店の運営を円滑に行えるようにしましょう。
集客を行う
最後に、お店を運営するためにお客様を呼び込むための集客活動を行います。
これにはウェブサイトの運営、SNSの活用、広告、イベントの開催などが含まれます。顧客があなたのセレクトショップを知り、訪れるための努力が必要です。
セレクトショップ開業に必要な資格や届け出
未経験でセレクトショップを始める際には、様々な書類や届け出が必要です。以下は、主な書類と届け出の一例です。
開業届
開業届は、開業する際に税務署に提出するものです。
必ず提出しないといけないわけではありませんが、提出することで青色申告を行うことができ、税制面でメリットがあります。
原則、事業を開始してから1か月以内に提出しましょう。
青色申告承認申請書
青色申告承認申請書は、日本において青色申告特別控除を受けるために提出する書類です。
この制度を利用することで、最大65万円の所得控除を行えるので、開業届と共に提出するのが望ましいです。また、事業が赤字の際も、次年度に赤字を繰り越すこともできます。
新規開業の場合は事業開始から2カ月以内に提出しましょう。
個人事業開始申告書
個人事業開始申告書は、個人事業主が開業した地域の都道府県税事務所に提出する書類です。
これは、地方税である個人事業税を地方自治体が把握するためのものです。こちらは都道府県によって提出期限が異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
未経験からセレクトショップ開業を成功させるコツ
セレクトショップを未経験から開業するときに、成功のためにいくつかの重要なコツがあります。ここでは、未経験者に向けたセレクトショップ開業の成功のためのコツを紹介します。
コンセプトをしっかり持つ
セレクトショップを開業する際、まず最初にコンセプトをしっかり持つことが重要です。
コンセプトはあなたのお店が何を提供するのか、どのようなスタイルや雰囲気を持つのかを定義するものです。
例えば、ヴィンテージファッションに特化したセレクトショップを開業する場合、どの年齢層でどのくらいの価格帯で販売するかなど具体的に決めておきましょう。
ターゲット層に合わせたマーケティング施策を打つ
セレクトショップを開業したら、お客様を呼び込むために集客に力を入れる必要があります。
集客はウェブサイトの運営、SNSの活用、広告、イベントの開催などが含まれます。特にSNSは効果的な集客手段の一つです。
おしゃれな商品やお店の魅力を伝えやすく、無料で多くの方にリーチできる可能性があります。
同業者とのコネクションを築く
セレクトショップを未経験から開業することは可能ですが、少し経験を積んでおくと成功の確率が高まります。
自分で事業を行うためには、色んな業務を1人で行わないといけません。
どの業界でも業界にいる人だからわかる知識や経験はあるはずなので、働いた経験は取引先の方などとのコミュニケーションで活きてくるでしょう。
また、同業者とのコネクションを築いたり、仕入れのヒントを得たりすることもできます。
まとめ
本記事では、未経験でセレクトショップを開業する方法について詳しく解説しました。
セレクトショップは未経験からでも開業できます。取得する特別な資格はなく、ネットショップで開業すると開業資金も抑えることが可能です。
未経験でセレクトショップを開業する手順や準備
・コンセプトやターゲットを決める
・資金調達をする
・物件を決め内装工事を行う
・仕入れをする
・備品や設備をそろえる
・集客を行う
未経験でのセレクトショップ開業を成功するコツ
・コンセプトをしっかり持つ
・集客に力を入れる
・少し経験しておく
詳細は本文で解説しているので、未経験からでもセレクトショップを開業したい方は参考にしてください。
この記事に関連するキーワード
シェアする
https://ikuraya.jp/fc/column/independence/how-to-start-a-select-store
URLをコピー
この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。