便利屋とは？仕事内容から開業するための方法、必要な資格まで解説

便利屋とは、人々の日常生活をサポートする多彩なサービスを提供する職業ですが、よくわからない方も多いでしょう。

この記事では、便利屋業界の基本から、開業方法や必要な資格について詳しく解説します。

便利屋の仕事内容について

便利屋という職業は、その名前からも想像できる通り、さまざまな便益を提供する専門家のことです。

便利屋は、一般の人々やビジネスに対してさまざまなタスクやサービスを提供し、彼らの日常生活や業務をスムーズにする役割を果たします。初心者でも理解できるように、便利屋の仕事内容を詳しく見ていきましょう。

便利屋の仕事の幅広さ

便利屋の仕事は、非常に幅広い範囲に及びます。その多くは、日常生活やビジネス活動において発生するさまざまな問題や課題に対処することが目的です。

高齢者サポートから引越し作業までの具体的な仕事例

以下に、便利屋が提供する主要な仕事内容の例をいくつか挙げてみましょう。

1.高齢者サポート
高齢者の方々に対して、日常生活での手助けや移動のサポートを提供します。例えば、買い物の手伝いや家庭内の修理、医療機関への付き添いなどがです。高齢者が快適で安心して生活できるように支えます。

2.引越し作業
引越しは大変な作業ですが、便利屋はその手間を軽減します。家具や荷物の梱包、運搬、運転、荷物の解体と配置など、引越し全般をサポートします。これにより、新しい住居へのスムーズな移行が可能です。

3.家庭内修理・メンテナンス
家庭内での修理やメンテナンス作業も、便利屋が行う仕事の1つです。水漏れ、壁の穴修理、電球交換、家具の組み立てなど、日常的なトラブルに対処します。これにより、家庭環境が快適で安全なものとなります。

4.不用品の整理・処分
使わなくなった家具、電化製品、衣類などの不用品の整理と処分も、便利屋によって行われます。適切な方法で不用品を処理することも可能です。

5.ガーデニング・庭の手入れ
庭やガーデンの手入れも便利屋の仕事の一環です。草刈り、植栽、庭木の手入れなど、美しい庭を維持するお手伝いを行います。

これらは便利屋の主要な仕事内容の一部ですが、その他にもさまざまな依頼に対応できます。便利屋の役割は、個々のニーズに合わせたカスタマイズされたサービスを提供し、クライアントの生活をより便利に快適にすることです。

便利屋の実際の具体的な仕事とは？

便利屋としての仕事を開始すると、様々な業務が待っています。ここでは、便利屋業界での日常業務から依頼事例について詳しく説明します。

・依頼受付とスケジュール管理
依頼者からの問い合わせや予約を受け、スケジュールを管理します。

・クライアントとのコミュニケーション
依頼者とのコミュニケーションは非常に重要です。クライアントからの要望や問題を理解し、誠実に対応することが求められます。コミュニケーションスキルは、便利屋業界で成功するために欠かせません。

・仕事の実施
依頼に応じて、様々な仕事を実施します。例えば、家庭内修理、引越し作業、不用品の整理、ガーデニング、高齢者サポートなどです。仕事内容は多岐にわたりますが、それぞれの依頼に専念することが大切です。

便利屋のような仕事の需要は増えている？

近年、便利屋のような仕事が増加していると感じる方も多いかもしれません。ここでは、その背後にある要因や需要の拡大について説明します。

高齢化や共働き世帯の増加に伴う需要の拡大

便利屋の需要が増加している背後には、いくつかの要因が影響しています。その中でも、高齢化と共働き世帯の増加が特に大きな役割を果たしています。

1.高齢化社会の影響
日本を含む多くの国々が高齢化社会に突入しています。高齢者の方々は、日常生活の中で様々な支援が必要となります。例えば、日常のお買い物や家の掃除などです。

2.共働き世帯の増加
共働き世帯が増加しているため、家庭内の作業や家事に割く時間が限られています。例えば、家庭掃除や不用品の整理など、共働き世帯にとって時間のかかる作業を代行します。

便利屋を開業後に必要な資格は？

便利屋としての仕事は多岐にわたり、人々の日常生活やビジネスに対するサポートを提供する幅広い業務です。

しかし、便利屋として仕事をする際には、特定の業務に取り組むために必要な資格や免許が存在します。ここでは、便利屋業界において必要な主要な資格や免許について解説します。

古物商許可

古物商は、古い家具や家電製品などの古物を取引・販売する業者です。便利屋が古物商の業務を行う場合、古物商の許可が必要です。

この許可は市町村の条例に基づいて発行され、許可を受けるには所定の要件を満たす必要があります。

一般廃棄物収集運搬業許可

一般廃棄物収集運搬業は、不要な物品やゴミを収集し、適切に処理する業務です。この業務を行うには、一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。

許可を取得するためには、適切なトレーニングと設備が必要です。

産業廃棄物収運搬業許可

産業廃棄物の収集と運搬も、専門的な許可が必要な業務です。産業廃棄物は一般廃棄物よりも危険性が高くなるため、注意して行う必要があります。

一般貨物自動車運送事業許可

一般貨物自動車運送事業は、大型または中型の貨物自動車を用いて、さまざまな種類の貨物を運ぶ業務です。

この業務を行うためには、運転手が中型または大型貨物自動車の運転免許（普通自動車免許ではなく、中型または大型自動車免許）を取得する必要があります。

また、運送事業者としての登録や許可が国や地域によって必要な場合もあります。

第二種電気工事士

電気工事士の資格は、電気工事の専門家としての業務を行うための資格です。電気工事士としての業務を行う場合、免許や資格を取得することが一般的です。

給水装置工事主任技術者・排水設備工事責任技術者

給水装置工事主任技術者や排水設備工事責任技術者は、水道や排水の設備工事に関する専門的な業務を行うための免許や資格の一つです。

中型免許・大型免許

便利屋業務において、中型または大型の貨物自動車を運転する場合、運転免許が必要です。。免許の種類によって、運転できる車両の種類が異なります。

便利屋の開業方法

便利屋業界は、多くの人々にとって魅力的なビジネスの一つです。ここでは、便利屋の開業方法について、2つの選択肢をご紹介します

独立開業する

独立開業は、便利屋として個人事業主となり、独自のビジネスを立ち上げる方法です。以下に、独立開業のステップについて説明します。

独立開業のステップ

1.ビジネスプランの作成： まず、どのようなサービスを提供し、どの地域でビジネスを展開するかを計画します。
2.法的手続き： 開業に必要な法的手続きを完了します。これには、事業登録や許認可の取得が含まれます。
3.資金調達： 開業資金を確保します。これには車両の購入や広告宣伝費、必要な機器や道具の購入などが含まれます。
4.広告とマーケティング： 便利屋としてのサービスを広告し、顧客を獲得するためのマーケティング活動を開始します。
5.効果的な運営： 便利屋業務を効率的に運営し、顧客満足度を高めます。

フランチャイズに加盟する

フランチャイズ加盟は、既存の便利屋ブランドの一部としてビジネスを始める方法です。以下に、フランチャイズのメリットについて説明します。

フランチャイズのメリット

1.ブランドの利用： 既存の知名度のあるブランドを使用でき、信頼性が高まります。
2.経験とサポート： フランチャイズ本部からの経験豊富なサポートが得られます。
3.事業モデルの提供： 成功した事業モデルが提供され、経営の手助けがあります。

便利屋の開業方法は独立開業とフランチャイズ加盟の2つの選択肢があります。どちらを選ぶかは、個人の目標やリソースに応じて異なります。自身のビジョンと予算を考慮し、適切な方法を選んでスタートしましょう。

便利屋の開業に必要な費用

便利屋業界は、多くの人々にとって魅力的なビジネスの一つですが、開業には様々な費用がかかります。ここでは、便利屋の開業に必要な費用について、独立開業とフランチャイズ加盟の2つの選択肢を比較しながら解説します。

独立開業とフランチャイズ加盟の費用比較

独立開業の費用

・事業登録手数料： 独立開業をする際には、地域の法的要件に基づいて事業を登録する必要があります。事業登録に関連する手数料は地域によって異なります。
・車両購入費用： 便利屋としての業務に必要な車両を購入する費用がかかります。
・広告宣伝費用： 顧客を獲得するために広告宣伝を行う必要があります。フライヤー、ウェブサイトの制作、広告掲載費用などがかかります。
・事業運営費用： 日常の事業運営にかかる費用は多岐にわたります。事務所の賃料、電話代、車両の維持費、従業員の給与（必要な場合）、その他の経費が含まれます。

フランチャイズ加盟の費用

・加盟料： フランチャイズ本部に加盟する初期料金です。この料金には、フランチャイズのブランド名やサポートを利用する権利を含みます。加盟料の額はフランチャイズによって異なります。
・ロイヤリティ： フランチャイズ加盟者は売上の一部をフランチャイズ本部に支払う必要があります。これは、ブランドの使用やサポートの対価として支払われます。
・設備・装置の購入費用： フランチャイズ本部から指定された設備や装置を購入・設置するための費用がかかります。
・広告費用： フランチャイズ本部が広告キャンペーンを行う場合、加盟者はこれに参加するための広告費用を支払うことがあります。

比較と考慮すべきポイント

独立開業とフランチャイズ加盟の費用を比較する際、以下のポイントを考慮することが重要です。

・リスクと報酬： 独立開業は自己責任であり、全てのリスクと報酬が個人に帰属します。一方、フランチャイズ加盟はブランドの信頼性とサポートが得られますが、一部の収益をロイヤリティとして支払う必要があります。
・初期投資とランニングコスト： 独立開業は初期投資がかかり、事業をスタートさせるために多くの資金が必要です。フランチャイズ加盟は初期投資が相対的に低く、フランチャイズ本部からのサポートがあるため、スムーズに事業を始められることがあります。
・独自性と制約： 独立開業は独自のビジネスを構築できますが、フランチャイズ加盟はフランチャイズ本部のルールとブランドイメージに従う必要があります。

便利屋を開業するための手続きとは

便利屋を開業する際には、いくつかの重要な手続きが必要です。ここでは、便利屋を開業するための具体的なステップについて説明します。

開業届の提出

便利屋ビジネスを始めるには、最初に「開業届」を提出する必要があります。これは、開業後1か月以内に提出が必要です。

その他の届け出

開業届けだけでなく、便利屋ビジネスを運営するためにはさまざまな届け出が必要な場合があります。たとえば、次のようなものが該当します。

・税務申告: 自分でビジネスを行い稼いだ収入には税金がかかります。税金の計算方法や提出期限は税務署に問い合わせて確認しましょう。
・労働者の雇用: 便利屋ビジネスを展開し、従業員を雇う場合は、雇用契約書の作成や社会保険の手続きなどが必要です。
・営業許可: 一部の地域では、便利屋ビジネスを営むために営業許可が必要な場合があります。自治体の規制に従って営業許可を取得する必要があります。

便利屋はどれくらい稼げるのか？相場は？

便利屋の費用相場は、1時間当たり3,000円~5,000円が相場です。

追加で費用が発生するケース

・出張費・駐車場代・車両費・交通費・材料費など
・作業人数の追加
・深夜・早朝料金など

便利屋業界での年収は、提供するサービスの種類、労働時間、価格設定、地域によって大きく異なります。以下に、一般的なケースに基づいた便利屋の年収の目安を示します。

年収の目安

これらの数字はあくまで一般的な目安であり、個人の実力やビジネスの実績によって大きく変動します。

案件を獲得するための方法

便利屋として成功するためには、積極的な案件獲得戦略が不可欠です。以下に、案件獲得のための具体的な施策をまとめました。

オンラインプレゼンスの構築

・ホームページの作成: プロフェッショナルなウェブサイトを作成し、サービス内容、料金、連絡先情報などを掲載しましょう。
・SNS活用: InstagramやTwitter（X）などのSNSを活用して、顧客とのコミュニケーションを図り、サービスを宣伝しましょう。
・SEO対策: ウェブサイトを検索エンジンに最適化し、関連キーワードで上位表示されるよう努力しましょう。

口コミを活用

・良いサービス提供: 顧客満足度を高めるため、常に質の高いサービスを提供しましょう。
・評判管理: 顧客からのフィードバックやレビューに対応し、評判を良く保つ努力をしましょう。

地域コミュニティの参加

・地域イベントへの参加: 地域のイベントやコミュニティ活動に積極的に参加し、地域の人々とのつながりを深めましょう。

プロモーションと特典

・期間限定プロモーション: 特定の期間に限定した割引や特典を提供し、新規顧客の獲得を促進しましょう。
・顧客応援: リピート顧客に対して割引や特典を提供し、長期的な関係を築きましょう。

便利屋を成功させるための3つのポイント

便利屋として成功するためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、便利屋の成功に向けて考慮すべきポイントについて詳しく説明します。

信用や信頼関係を大切にする

便利屋の仕事は、顧客の信頼を得ることが不可欠です。信頼を獲得するために以下のポイントに注意しましょう。

・丁寧な対応: 顧客とのコミュニケーションを大切にし、丁寧な対応を心がけましょう。顧客の要望や問題に真摯に向き合うことが信頼を築く第一歩です。
・実績の積み重ね: 仕事の質を高め、成功事例を積み重ねることで口コミや評判が良くなります。

適正な価格設定

料金設定は便利屋ビジネスにおいて重要な要素です。高すぎる価格は顧客を遠ざけ、低すぎる料金はビジネスの維持が難しくなります。適正な価格設定について以下の点に留意しましょう。

・市場調査: 同業他社や競合便利屋の料金を調査し、市場価格を把握しましょう。
・透明性: 料金設定は顧客に対して透明で分かりやすく伝えることが大切です。追加料金やサービス内容について説明し、不明瞭な部分を排除しましょう。

集客方法を工夫する

便利屋で稼いでいくためには、顧客を見つけることが大事なので、集客はかなり重要です。

集客方法は、広告や募集サイトへの掲載など様々ですが、SNSでの発信も効果的です。実際の作業風景や作業員の雰囲気がわかることで依頼者も安心できます。

便利屋を開業する時の注意点

便利屋としてのビジネスを始める前に、成功に向けての注意点を理解しましょう。特に、資格・免許、法令遵守、倫理的な考え方について正しく理解することが非常に重要です。

資格・免許の必要な仕事は断る

便利屋業界には、資格や免許が必要な仕事とそうでない仕事があります。依頼を受ける前に、どの仕事には資格や免許が必要かを確認しましょう。特に、以下のような仕事は免許が必要な場合が多いです。

・電気工事: 電気工事には電気工事士の免許が必要です。
・建築・リフォーム: 建築や大規模なリフォームには建築士の資格が必要です。

法や道徳に反する依頼は断る

便利屋として仕事を受ける際には、法令と倫理規定を遵守することが絶対です。

違法な依頼や倫理に反する仕事を受けてしまうと、法的な問題や評判への悪影響が生じます。違法な仕事や道徳的に疑わしい仕事は断りましょう。

 依頼を受ける際の倫理的な考え方

依頼を受ける際には、倫理的な考え方を持つことが非常に重要です。以下は、依頼を受ける際の倫理的な原則です。

・誠実さ: 顧客に対して正直かつ誠実に対応しましょう。約束を守り、誠意を持ってサービスを提供しましょう。
・顧客の利益: 顧客の利益を最優先に考えましょう。顧客の要望やニーズを理解し、最良の解決策を提供しましょう。

まとめ

本記事では、便利屋を開業するときのポイントや必要な資格ついて詳しく解説しました。

便利屋は仕事の幅が広く、開業しすい業界の1つです。ただ、しっかりと開業前に計画を立てて失敗しないようにしましょう。

便利屋を成功させるためのポイントは以下の3つです。

・信用や信頼関係を大切にする
・適正な価格設定
・集客方法を工夫する

便利屋を開業する時の注意点は以下の3つです。

・資格・免許が必要な仕事は断る
・法や道徳に反する依頼は断る
・依頼を受ける際の倫理的な考え方

詳細は本文で解説しているので、便利屋として開業する際の参考にしてください。

この記事に関連するキーワード

シェアする

https://ikuraya.jp/fc/column/independence/handyman-opening

この記事の執筆者

フランチャイズ支援歴10年

松田 和也

大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3％以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。