エステサロン開業は儲かる?開業資金・資格・失敗しないためのコツを解説
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脱サラして漁師になるには?なり方・向いている人・失敗しないためのコツ
漁師になるには、漁師の仕事内容や自分は向いているのかを知ることが大事です。この記事では、漁師になる方法や向いている人の特徴、失敗しないためのコツについて解説します。漁師になりたい方は参考にしてください。
この記事の目次
漁師の仕事内容や休日
漁師の仕事は、海で魚を捕るプロの職業です。漁業は「沿岸漁業」、「沖合漁業」、「遠洋漁業」の3種類に分けることができます。
ここでは一番イメージしやすい「沿岸漁業」の定置網漁における1日の流れを紹介します。
04:00~ 起床後、出港し漁場へ行く
05:00~ 漁場で網を引き揚げる
07:00~ 帰港後、釣り上げた魚の選別や船・備品の整備を行う
11:00~ 食事
12:00~ 休憩・自由時間
19:00~ 就寝
漁師の休日は、漁業の種類によって異なります。
沿岸漁業の場合、週に1,2回の休みを定期的にとることができます。また、天候不良などによって漁に出れない日は休みになることが多いです。沖合漁業や遠洋漁業の場合、長期間の漁になるので、帰ってきたときに休みになります。
船のメンテナンスなども行いながら、長期間の休みとなることが多いです。働く時間は早朝の4時からなど朝が早く、昼まで仕事を行うのが一般的です。
しかし、漁法によっては夜遅くから漁に出る人もいます。
脱サラで漁師になるメリット
ここでは、脱サラして漁師になることのメリットについて説明します。
大海原で仕事ができる
メリットの一つは、美しい海と自然環境で働けることです。
サラリーマンがデスクでの事務作業に縛られるのとは対照的に、漁師はほとんどの時間を海で過ごします。つまり、都会の喧騒やストレスから離れ、開放感あふれる環境で働くことができます。
サラリーマン特有のストレスが減る
サラリーマンとして働くことは、日常的なストレスにさらされることが少なくありません。毎月のノルマや満員電車などのストレスがサラリーマンにはつきものです。
漁師ももちろん成果は大事ですが、営業マンほどのギスギス感はないでしょう。
生涯現役で続けられる
漁師の仕事は、年齢に関係なく続けることができる職業です。
サラリーマンの場合、定年退職後に再就職難があることがありますが、漁師は生涯現役で働き続けることができます。また、経験が積み重なるほど、より多くのスキルと知識を習得できるので、貴重な存在となります。
脱サラで漁師になるデメリット
脱サラで漁師に転身することには多くの魅力がありますが、デメリットも存在します。ここでは、脱サラで漁師になる際のデメリットについて説明します。
常に危険と隣り合わせ
漁師の仕事は、常に危険と隣り合わせです。
海での作業は、気象条件や波の高さに左右され、事故や急変にさらされることがあります。海難事故などのニュースも多く、漁師の方の被害もあります。常に危険な状況という意識をもって、取り組むことが重要です。
体力が必要で生活スタイルが変わる
漁師の仕事は肉体労働が中心で、過酷な環境での作業が日常です。
釣り竿を振る、重い漁網を持ち上げるなど、体力が要ります。また、不規則な勤務時間や長時間の労働も一般的です。早朝や夜中の漁が多いので、生活スタイルも変わります。
生活が変わると健康にも被害が及ぶことがあるので、注意が必要です。
地域や仕事場になじめない
漁師になる場合、新しい地域や仕事場になじむのが難しいことがあります。地元の漁村やコミュニティに馴染むまで時間がかかる方が多いです。
特に、都会から田舎に移住した場合などは生活や文化が異なるので、合わせていく必要があります。
漁師に向いている人の特徴
ここでは、漁師に向いている人の特徴について詳しく説明します。
体力がある人
漁師の仕事は肉体労働が多いため、十分な体力が必要です。
網を引っ張ったり、漁獲物を持ち上げたりする作業は、しばしば重労働となります。体力があると、長時間の労働に耐えられるでしょう。
仕事ができないと収入がなくなるので、体力をつけ、健康に気を遣う必要があります。
精神力や忍耐力がある人
漁師の生活は不確実性に満ちており、時には不運な出来事もあります。天候や漁獲量が思わしくない日もあるかもしれません。
経験が浅いときは、先輩に怒られることもあるでしょう。そのような状況に対処できる精神力と忍耐力が必要です。
また、最初は船酔いになることもあるので、慣れていく必要があります。
適応能力が高い人
漁師は、さまざまな気象条件や場所で作業を行います。
船上での作業と陸上での作業、季節ごとの気象の変化に適応できる柔軟性が重要です。
また、働く時間も朝や夜と不規則にもなります。新しい環境や状況に対して素早く適応できる人が、漁師に向いています。
協調性がある人
漁師は、他の漁師との連携が不可欠です。
網を引っ張る作業や漁獲物の仕分けなど、多くのタスクはチームで行われます。他の人と協力して働くことができる人が、漁師として成功するために必要です。
特に、最初は先輩の方と働くことになるので、素直に先輩の言うこと聞いて多くのことを学びましょう。
気象学や生態学に興味がある人
気象学や生態学に関する知識があると、漁師の仕事をより効果的に行うことが可能です。
海の気象条件を理解し、魚の生態についての知識をつけることで、仕事の成果がより出ます。興味を持って学び、実践に応用することが大切です。
釣りや海・魚が好きな人
漁師に向いている人は、釣りや海、魚が好きで情熱を持っています。
この情熱が仕事に燃えるエネルギーとなり、毎日の作業を楽しみにする要因となります。
一方で、好きなことを仕事にすることには覚悟も必要です。それは、仕事が嫌になってしまうのと同時に、好きな釣りや海なども嫌いになる可能性がありからです。
柔軟な発想のある人
漁師も他の業界と同じように、AI化などが進み成長しています。
昔と同じようなやり方をずっと続けていくことも大事ですが、効率化できるところは機械に任せることも大事です。その時々に応じて、柔軟な発想や臨機応変な対応をしていきましょう。
脱サラして漁師は儲かる?平均年収はどれくらい?
漁師の年収は、漁業の種類によって異なります。
沿岸漁業の場合、平均年収は200~300万円です。
沖合漁業の場合、平均年収は400~500万円です。
遠洋業の場合、平均年収は800万円~です。
ただ、こちらは場所や漁獲量、魚の種類によっても異なります。
しかし、遠洋漁業の場合は、平均年収が高い反面、家に帰る頻度が少なくなるのがデメリットです。短くても1か月、長くて1年以上行くこともあるので、自分に合ったほうを選びましょう。
脱サラ漁師のなり方
脱サラして漁師に転身することは、新しい生活に飛び込む魅力的な選択肢の一つです。ここでは、漁師になるための方法を2つ紹介します。
漁師として就職する
漁師というと、自分の船で漁に出ることを想像する人も多いのではないでしょうか。しかし、実際は会社に雇用してもらって働いている人も多いです。
特に、人員が必要な沖合漁業や遠洋漁業は、大きな船を買わないといけないので、雇用されて働く必要があります。会社員だけでなく、パートやアルバイトの方もいるので、自分に合っているか確かめるために短期間から始める方法もいいでしょう。
ただ、収入は固定給が多いので、収入を大幅に上げることは難しいです。
漁師として独立する
漁業として独立する場合、沿岸漁業でしている方がほとんどです。個人事業主として開業して、家族全員で漁を行っている方もいます。
以前は、未経験で漁業権を取得する方は多くありませんでしたが、田舎へ移住するのと同時に漁業権を取る方も増えています。
また、自分が働いて成果を上げた分だけ、収入が上がるのはメリットです。
一方で、開業するための道具などを自分でそろえないといけないので、自分で稼いでいく覚悟は必要です。
脱サラして漁師になるには?準備や手順を紹介
ここでは、脱サラして漁師になるための具体的なステップを解説し、初心者にもわかりやすく説明します。
情報収集する
脱サラして漁師に転身する前に、情報収集が必要です。
漁師と言っても、「沿岸漁業」「沖合漁業」「遠洋漁業」があり、どれにするか、どんな働き方がいいのかを想像することが大切です。実際にどんな働き方かわからない方は、セミナーや求人で理解することができます。
セミナーは、全国漁業就業者確保育成センターが実施する漁業就業者セミナーがあり、実際に漁師がどんな仕事なのかがわかります。現役の漁師が話してくれることもあり、経験者の話を聞くことができ、大変貴重なセミナーです。
他には、インターネットでも調べると詳しい仕事が載っているので、自分なりにいろんな角度で調べてみましょう。
研修や体験を受ける
漁師になるためには、実務経験や研修が欠かせません。
漁業学校に行くこともできますし、農林水産省が開催する体験会に行くことも可能です。いろんな地域で行っているので、自分が興味を持った地域で一度体験してみましょう。
座学だけだとイメージがつきにくく、実際の想像と全然違うなんてこともあります。実際の漁師の方と体験することで、漁師の生の声を聞けて、とても勉強になるでしょう。
求人を探す
漁師としての職を探す際に、求人情報を収集しましょう。
地元の漁業組合や漁業関連のウェブサイトで求人情報を見つけることができます。ネットには口コミも多く掲載されているので、いい面と悪い面の両方に目を通すことが大事です。
場合によっては、引っ越して移住する必要もあるので、職場の選択肢や条件を比較し、自身の目標に合った仕事を見つけましょう。
当面の生活費を蓄える
脱サラして漁師に転身する際、当面の生活費を確保することが重要です。
自分で開業するとなると最初から上手くいかないことも多く、天候トラブルや体調が悪くなることもあります。そうなると当然収入が下がります。
しかし、収入が減ったとしても生活はしていかないといけないので、資金に余裕を持っておきましょう。
脱サラして漁師になるために必要な資格
脱サラして漁師に転身するためには、特定の資格が必要です。ここでは、漁師になるために必要な資格について説明します。
漁業権
漁業権は、漁業を商売として行う場合、取得しないといけない資格です。
漁業権を取得することで、特定の海域で漁業を行う権利が得られます。もし、漁業をみんなが自由に行えてしまうと、魚を取り放題になってしまい、海の規律が乱れます。海の資源や漁師を守るために「漁業権」が存在するのです。
漁業権を取得するためには、地域の漁業協同組合に加盟します。その後、研修を受けることで、取得することができます。
小型船舶操縦士免許
小型船舶操縦士免許は、小型船舶を操縦するために必要な資格です。
漁師は船で海に出て漁を行うため、船舶の操縦に関する知識と技能が不可欠です。小型船舶操縦士免許を取得することで、総トン数20トン未満の船を運転できます。小型船舶操縦士免許は、1級と2級に分かれています。
2級は、海岸から5海里(1海里=1.852km)以内の操縦が可能です。1級は、ほぼすべての海域の運転が可能です。(一部対象外の海域アリ)
自分が必要な免許に合わせて取得しましょう。
海上特殊無線技士免許
海上特殊無線技士免許は、船上での無線通信に関する資格です。
地上であればスマホなどで連絡が取れますが、海上では電波が通りません。つまり、無線で他の漁船や漁業組合などとやり取りをしないといけません。これは、急なトラブルや気候変動などの情報共有などをしないといけないからです。
海上特殊無線技士免許も1級と2級があります。
2級は、沿岸や近海で使用が可能です。1級は、さらに遠くの海で使用可能です。
脱サラして漁師になってからのキャリア
サラリーマンから漁師に転身した後、漁師としてのキャリアはさまざまな方向に展開できます。ここでは、脱サラして漁師になった後のキャリアオプションについて詳しく説明します。
沿岸漁業の場合
脱サラして漁師になった場合、まず考えられるキャリアの一つは沿岸漁業です。沿岸漁業でのキャリアは漁船で経験を積み、将来独立するか、乗組員としてやっていくかが主な選択肢です。
もしくは漁業会社で経験を積み、独立する方もいます。独立する場合は、免許や資格が必要で、漁業組合への加入も必要です。
漁業組合に加入するためには、漁業に従事した経験(3~4か月)とこれから漁業をやっていく意思が必要となります。
沖合・遠洋漁業の場合
漁師としてのキャリアを追求する別の選択肢は、沖合または遠洋漁業です。これは、海岸線から遠く離れた海域での漁業を指します。
沖合または遠洋漁業は、独立するハードルが少し高いので、リーダーや幹部を目指す方が多いです。序列や役職は以下で紹介するので、参考にしてください。
漁船の中の序列と役割
漁船では、船内における各乗組員の序列と役割が存在します。
漁労長…漁船で、漁場・漁法などを選択する権限があり、漁獲作業の指揮をとる者。「船頭」と呼ばれるリーダー。
船長…船の運航を指揮する責任者。キャプテンと呼ばれる責任者。
機関長…船を動かすエンジンや機械の運転管理などを行う船の機関部の責任者。通
信長…無線などを使って他の漁船や組合などとの連絡を担当する通信関係の責任者。
一等航海士…船の甲板部門の責任者。
一等機関士…機関長を補佐するエンジンルームの現場を任された管理責任者。操
機長…機関部の全体の指揮・監督を行う実務遂行リーダー。
甲板長…甲板部の全体の指揮・監督を行う実務遂行リーダー。
脱サラで漁師になり失敗しないためのコツ
ここでは、脱サラで漁師になる際に失敗を防ぐためのコツについて説明します。
家族と話し合い理解を得る
脱サラで漁師になると決める時、最初に家族と話し合いをすることが必要です。家族の理解と協力は成功への第一歩です。
漁師としての生活は、不規則な労働時間や遠隔地での勤務が含まれることがあり、家族とのコミュニケーションが難しくなることがあります。また、家族が一緒に引っ越す場合は、奥さんや子供の人間関係や生活も大きく変わります。
独立する場合は、収入が不安定になることも考えられるので、資金面もしっかり計画を練ることが重要です。
収入が安定しない時のことを考えておく
漁師としての収入は安定しないことがあります。
漁獲の量は気象条件や漁場の状態に左右されるため、収入が不規則であることがあります。雇用されていれば一定の給料が出ますが、独立する場合は特にそうです。
したがって、脱サラで漁師になる前に、収入が安定しない期間を考慮に入れた財政計画を立てることが重要です。緊急の支出や家計の管理についても考えておきましょう。目安としては、3か月~半年分ほどあればいいでしょう。
移住先を計画的に決める
漁師としての生活は、しばしば海岸から近いエリアで行われます。
したがって、移住先を計画的に選ぶことが重要です。新しい環境やコミュニティに適応できるかどうかを考慮に入れ、学校や医療施設のアクセスなども確認しましょう。
旅行で行くにはおすすめでも、ずっと生活していくには不便な場所もあります。移住先を慎重に選ぶことで、生活の質が向上し、仕事にもいい影響が出るでしょう。何度かその地域に足を運んで、住んでいる人や雰囲気を知っておくことも重要です。
漁師になる前に水産高校で学ぶことができる
転職前に研修を受けたり、体験するだけでなく、水産高校で学ぶこともできます。水産高校は全国で46校あり、海のない県にもあります。
漁師の事だけでなく、水産学を全般的に学ぶことができ、船の運航、整備、養殖、水産食品、水産資源、マリンスポーツなど様々な分野について学ぶことが可能です。さらに、実習もあるので、実践的なことを経験できます。
漁師は漁業のことが中心ですが、海のいろんな分野の知識を知っておくことで、役に立つこと間違いなしです。
まとめ
本記事では、漁師の仕事ついて詳しく解説しました。
漁師になるには、雇用されて働くか、自分で独立する方法があります。漁師の仕事に向いている性格も7つあり、自分が当てはまっているかを考えてみましょう。
漁師に向いている人の特徴
・体力がある人
・精神力や忍耐力がある人
・適応能力が高い人
・協調性がある人
・気象学や生態学に興味がある人
・釣りや海・魚が好きな人
・柔軟な発想のある人
脱サラして漁師になるために必要な資格
・漁業権
・小型船舶操縦士免許
・海上特殊無線技士免許
詳細は本文で解説しているので、漁師になりたい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。