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ラーメン屋の原価率の目安は?計算方法や下げるコツ・利益率を解説
ラーメンは国民の多くが食べる料理で、ラーメン屋を経営したいと考えている人も多いです。ラーメン屋を経営する際には、利益を上げることが必要です。その利益を上げるためには、原価率について考える必要があります。
この記事では、ラーメン屋の原価率の計算方法や原価率を下げる方法、儲かる理由について解説します。
この記事の目次
ラーメン屋の原価率を決める3つの要素
ラーメンの原価率は主に「麺」「タレ・スープ」「トッピング」の3つで決まります。ここでは、それぞれの値段などを解説します。
麺
ラーメン屋の麺は、店によって異なります。例えば、太さや製法、加水率などの違いです。
いずれの場合でも、麺を仕入れる時の相場は40円程度です。ラーメン1杯あたりの麺の量は150g程度なので、約60円になります。
豚骨ラーメンの場合は1杯が120g程度になることも多いので、もう少し原価を下げることが可能です。
自家製麺のほうがコストは半額程度で抑えることができるのですが、機器導入費や置く場所、人件費もかかるので、最初は業者から仕入れるほうがいいでしょう。
タレ・スープ
スープとタレを別で考えます。
まず、スープは「醤油」「塩」「豚骨」「味噌」がよく使われ、以下でそれぞれの原価をまとめます。
スープの種類 | 原価 |
醤油 | 50円~ |
塩 | 50円~ |
豚骨 | 100円~ |
味噌 | 50円~ |
続いてタレは、10~30円ほどです。味や使用する調味料によっても異なりますが、大体このくらいです。
トッピング
味 | トッピング | 原価 |
醤油 | ネギ メンマ 煮卵 チャーシュー のりなど |
約70円 |
塩 | ネギ メンマ 煮卵 チャーシュー のりなど |
約70円 |
豚骨 | ネギ メンマ ゴマ チャーシュー 生姜 きくらげなど |
約60円 |
味噌 | もやし キャベツ ネギ チャーシューなど |
約80円 |
味噌ラーメンは野菜などの具材が多いので、他の味に比べて少しだけ高いです。
また、この中だとチャーシューが原価が高く、チャーシューにこだわればこだわるほど原価が上がり、利益が出にくくなります。
ラーメン屋の原価率
ラーメン屋の原価率の相場を知ることで今後の経営にも役立ちます。ここでは、原価率の相場や計算方法についてお伝えします。
ラーメン屋の原価率の計算方法
ラーメン屋の原価率の相場は、30~35%が平均です。30%以下で提供している店舗もあり、35%を超えると厳しくなります。
計算方法は以下の通りです。
原価率=仕入れ原価÷売上高×100
例えば、ラーメンを1杯900円で提供する場合、原価率を30%で抑えるのであれば、仕入れ額を270円以下で抑える必要があります。
ラーメン一杯の原価
ラーメン一杯の原価は190円〜270円ほどが目安となります。
ここでは、それぞれの味の原価を表でまとめてみます。
味 | 原価 | 価格(原価率30%) | 価格(原価率35%) |
醤油 | 190円 | 約630円 | 約540円 |
塩 | 190円 | 約630円 | 約540円 |
豚骨 | 220円 | 約730円 | 約630円 |
味噌 | 270円 | 約900円 | 約770円 |
この価格以上の料金で販売することができれば、赤字にならず経営していけるということです。
ただ、これは目安なので、自分の店舗の原価率を計算して算出する必要があります。
ラーメン屋の原価率を下げるコツ
ラーメン屋の経営において、原価率の適切な管理は利益を最大化する上で重要です。ここでは、ラーメン屋の原価率を下げるためのコツに焦点を当て、わかりやすく解説します。
全メニューで原価率を計算する
ラーメン屋では、具体的なメニューごとに原価率を計算することが大切です。
これにより、どのメニューが収益性が高く、どのメニューが改善の余地があるかを把握することができます。
また、ラーメンの原価率は30~35%に抑えるという目安はありますが、こだわりぬいたラーメンを提供して35%を超える場合は、他のメニューの原価を抑えると良いでしょう。
原価率に縛られすぎて料理の質が低下すると、顧客離れにも繋がります。それぞれのメニューで原価率を計算して、高いものと低いもので調整しましょう。
廃棄食材を減らす
廃棄される食材は原価率を上昇させる原因の一つです。食材の有効活用や在庫の管理を徹底することで、無駄を減らし、コストを抑えることができます。
食材を廃棄しないといけないのは、「発注量」「仕込み量」の2つが原因です。発注量と仕込み量はともに、売上から計算して適切な量を発注する必要があります。
多すぎると廃棄食材が増えますが、逆に少ないと販売機会を失ってしまうので注意しましょう。
提供するラーメンの量を決めておく
提供するラーメンの量を事前に決めておくことで、無駄な材料の使用を避け、コスト削減にも繋がります。
また、毎回トッピングや麺の量などを変更していると顧客満足度も下がる可能性があり、リピーターも減るかもしれません。
仕入れを安くする
原価率を下げるためには、仕入れコストを見直すことも必要です。複数の仕入先と価格を比較し、コスト効率の良い供給業者を見つけることが大切です。
原価を下げる方法は、大量に仕入れること、生産者から直接仕入れることなどがあります。
しかし、大量に仕入れることで廃棄量が増えたり、仕入れ先を変えることで味が変わりリピーターが減ってしまうこともあるので、慎重に行いましょう。
原価を含めたラーメン屋全体の諸経費
ラーメン屋を経営する際には、商品の原価だけでなく、様々な経費が発生します。これらの諸経費を把握し、適切に管理することが、持続可能な経営を実現できます。
ここでは、主要な諸経費に焦点を当て、その意味や管理のポイントを分かりやすく解説します。
人件費
人件費は、スタッフに支払う給料などを指し、20~30%を目安に考えましょう。
ラーメン屋は1人で営業することが難しく、注文を聞くスタッフやキッチンで作業するスタッフなどを規模に応じた人数雇う必要があります。
人件費は社員だと20数万円、アルバイトだと時給×働く日数分が必要で、コストを削減したい場合はアルバイトを雇うほうが良いです。
人件費は諸経費の中でも多くの割合を占めるので、計算しましょう。
家賃
家賃は店舗の場所や広さによって変動し、全体の10%以内に納めましょう。
適切な場所を見極め、家賃のバランスを保つことが、収益を最大化するポイントです。駐車場を借りる場合は、駐車場の家賃も必要です。
水道光熱費
水道光熱費も、店舗の運営において欠かせない経費です。
電気代やガス代、水道代が必要で、全体の5%前後が目安です。使用する量によってお得なプランがあるので、水道光熱費もお得な会社で契約しましょう。
そして、普段の営業でも無駄使いをせずに、節水・節電を頭に入れて営業しましょう。
広告費
広告費は集客やブランディングに欠かせない費用で、全体の2~3%が目安です。
フランチャイズの場合、CMや大々的な広告は本部が行ってくれるところが多く、その他の広告を自分の店で行いましょう。
例えば、集客のためのキャンペーンやポスターなどを作る場合は費用が必要です。
通信費
通信費は、注文や予約などインターネットに接続するプロバイダ料金がかかります。
他にも、電話代や郵送費用なども通信費として計上します。
衛生維持費
衛生維持費は、食品安全や店舗清潔に関わる費用です。
規定された衛生基準を守り、清潔な環境を維持することが、お店の信頼性を高める鍵となります。
ユニフォームやタオル、おしぼり、などを清掃してクリーニングに出すのも衛生維持費に含まれます。
ラーメン屋の利益率の目安は?
利益率とは、売上に対してどれくらい利益が出たのかを表す指標です。
利益とは、売上から上記で説明した原価や諸経費を引いた金額です。
例
売上 | 300万円 |
原価・諸経費 | 270万円 |
利益 | 30万円 |
利益率(利益÷売上×100) | 10% |
利益率の計算は、その利益から売上を割った数字を100倍すると算出できます。
そのため上記の例では、利益率は30万円(利益)÷300万円(売上)=10%となります。
ラーメン屋などの飲食店の利益率の平均は、5~8%となっているので、10%だとかなり良いです。
ラーメン屋は原価率が高くなりやすいので、原価率を下げて利益率を高めることを目指しましょう。
ラーメン屋で儲かるためのコツ
ラーメン屋を成功させるためには、様々な経営戦略が必要です。ここでは、初心者でも理解しやすいように、ラーメン屋で儲かるための4つのコツを紹介します。これらのポイントを押さえることで、お店の収益性向上が期待できます。
原価率と人件費を抑える
ラーメン屋では、できるだけ原価率と人件費を下げることが重要です。
この2つは経費の中でも多くの割合を占めるので、この2つの金額を下げることができると利益を残しやすくなります。
原価率はラーメンの味を落とさないようにすることが大切です。
人件費を抑えるには、お店の営業に支障が出ない程度に無駄なく配置することが大切です。1人のスタッフができる作業を増やすことでスタッフの人数を減らすこともできます。
回転率を上げる
回転率を高上げるためには、注文から提供までのスピードを重視し、スムーズな席の転換を図ることが大切です。
回転率は1日来客数÷席数で求めることができます。
例えば、席数が10席のお店で来客数が80名の場合は8回転していることになります。
もちろん、回転率が高いほど販売機会が増えるので、売上も上がりやすいです。
しかし、回転率ばかりに気を取られていると来店客を急かすことになり、満足度が下がるので、バランスを取りましょう。
顧客単価を上げる
顧客単価を上げることができれば、利益を残しやすくなります。
顧客単価を上げるためには、魅力的なメニューやサービスを提供することが重要です。例えば、セットメニューを作る、サイドメニューを提案するなどの工夫が必要です。
しかし、単価を上げると客離れにつながる可能性があるので、お客様の状況を見ながら行いましょう。
具体的に売上シミュレーションを行う
売上シミュレーションは、過去のデータや市場調査をもとに、将来の売上予測を行うものです。
シミュレーションを行うことで、今後の戦略を練ることができます。
売上シミュレーションは現実的な数字で行う必要があり、大まかな数字でシミュレーションを行うと現実と違うギャップが生まれる可能性があります。
ラーメン屋はフランチャイズでの開業がおすすめ
ラーメン業界において、フランチャイズ展開は安定的かつ成功の可能性が高いビジネスモデルとして注目されています。
ここでは、フランチャイズのラーメン屋がおすすめの7つの理由について詳しく解説します。
集客しやすく開業初期から売上が上がりやすい
ラーメンのフランチャイズは、既に確立されたブランド力と知名度を持っているので、開業初期から集客しやすいです。
顧客は既知のブランドに安心感を抱き、新しく開業したラーメン屋にも興味を持ちやすいため、安定した売上が期待できます。
ラーメン屋は3年以内に70%も廃業すると言われるほど厳しいので、集客力のあるフランチャイズのほうが成功しやすいです。
未経験でも運営できるシステムがある
フランチャイズ展開されているラーメン屋は、未経験者でも理解しやすい運営システムが整備されています。
これにより、経営初期からオーナーがスムーズに業務を行うことができ、効果的な経営が可能です。
例えば、誰でも取り組みやすいシンプルな調理プロセスや注文システムが採用されており、未経験者でも運営を進めることができます。
サポートがあり営業に集中できる
フランチャイズ展開されたラーメン屋は、本部からのサポートやノウハウ提供をもらえます。
これにより、オーナーは本業に集中しやすくなり、経営に関する悩みや問題にも迅速かつ適切に対処可能です。
余裕があると営業中の失敗も減り、顧客満足度も上がることで、売り上げ増加に繋がります。
仕入れ原価を抑えることができる
フランチャイズは店舗数が多い分、食材の仕入れ原価を抑えることが可能です。
これにより、利益率を高めつつ、リーズナブルな価格で提供できるため、顧客のリピート率も向上します。
メーカーや業者も安定的に仕入れてくれる店を優遇する傾向があるので、個人店よりもフランチャイズ経営のほうが仕入れを安くできます。
効率よく働ける内装で開業できる
フランチャイズのラーメン屋は、営業しやすい店舗内装で始めることが可能です。
これにより、従業員はスムーズに作業を進めることができ、顧客満足度の増加にも繋がります。
フランチャイズの場合、過去の店舗開業のノウハウをもとに働きやすい店舗構造を知っているからこそできることです。
他の加盟店と交流や情報共有ができる
フランチャイズ加盟店同士が交流し、情報共有が行われることがあります。
これにより、各店舗が成功体験やノウハウを共有し合い、より良い経営が実現できます。
本部からのサポートや成功体験の共有も大事ですが、同じ立場の人からもらうアドバイスのほうがより具体的な話を聞くことができるでしょう。
失敗リスクが軽減された状態で開業できる
フランチャイズ展開されたラーメン屋は、既に成功したビジネスモデルを踏襲するため、失敗リスクが軽減されます。
これにより、初心者でも安心して開業に取り組むことができます。
個人開業店舗だと開業準備やトラブル時に自分で解決しないといけない不安点がフランチャイズ店よりも多いでしょう。
まとめ
本記事では、ラーメン屋の原価率について詳しく解説しました。
ラーメン屋の原価率を決める主な要素は、「麺」「タレ・スープ」「トッピング」の3つです。
ラーメン屋の原価率の計算方法は以下の通りです。
原価率=仕入れ原価÷売上高×100
ラーメン一杯の原価は190円〜270円ほどが目安となります。
フランチャイズのラーメン屋が儲かる7つの理由
・集客しやすく開業初期から売上が上がりやすい
・未経験でも運営できるシステムがある
・サポートがあり営業に集中できる
・仕入れ原価を抑えることができる
・効率よく働ける内装で開業できる
・他の加盟店と交流や情報共有ができる
・失敗リスクが軽減された状態で開業できる
ラーメン屋で儲かるためのコツ
・原価率と人件費を抑える
・回転率を上げる
・顧客単価を上げる
・具体的に売上シミュレーションを行う
詳細は本文で解説しているので、ラーメン屋の原価率について知りたい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。