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フランチャイズ
フランチャイズの融資で必要な物や手順は?開業資金の調達ポイントも解説
フランチャイズの経営では、資金が必要になる場面がいくつかあります。例えば、開業時や事業拡大時などです。しかし、誰でも簡単に融資してもらうことはできません。
そこで、この記事では、フランチャイズの融資で必要な書類や手順、融資を成功させるためのポイントなどについて解説します。
この記事の目次
フランチャイズ開業時の金融機関の融資が難しい2つ理由
フランチャイズを開業する際に金融機関からの融資を考えている方も多いはずです。しかし、初めて金融機関から融資を受けるのは決して簡単ではありません。以下ではそれらの理由について解説していきます。
過去の実績がないから
フランチャイズを開業する際、銀行はその事業の信頼性や収益性・返済能力などを評価します。
しかし、初めてのフランチャイズ経営者にとっては、過去の実績がまったくないため、銀行が経営能力やリスクを見極めることが難しいです。
そのため、事業が成功するための証明をするために事業計画書を作成する必要があります。
ただし、初めての開業で事業計画書を作成できない方もいるので、フランチャイズ本部に協力してもらいながら作成しましょう。
本部のブランド力に頼りすぎていると思われるから
フランチャイズは本部のブランド力を活かしてビジネスを展開するので、個人で開業する方よりも融資を受けやすいです。
一方で、銀行はフランチャイズ経営者がやる気やビジネス戦略、リスク管理能力を持っていることを期待しています。
そのため、本部のブランド力に過度に依存していると、銀行はフランチャイズ経営者が独立的にビジネスを運営できる能力を疑い、融資をしづらくなります。
フランチャイズの開業資金の調達方法
フランチャイズの開業資金を調達する方法は、主に3つあります。以下では、その3つの融資方法について解説します。
金融機関からの融資
多くの場合、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受けることができます。
しかし、審査は少し厳しめで、自己資金が求められることも多いので、初めての開業の方は審査に落ちることもよくあります。
信用保証付き融資
借主の返済が滞った場合に、信用保証協会が金融機関に「立て替え払い」を行う融資制度。その代わり、所定の信用保証料の支払いが義務である。
プロパー融資
保証人なしで自分で100%の責任を負う融資で、審査が厳しくなりやすい。メリットとして融資額に上限がないことが挙げられる。
金融機関の融資は上記のような制度があり、自分に合ったものを選びましょう。フランチャイズで開業する場合は、融資に関してもサポートしてくれる本部が多いので、審査に通りやすくなります。
日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫での融資は、初めての人も審査が通りやすくおすすめです。
新創業融資制度
新たに事業を始める方や事業開始後税務申告を2期終えていない方を対象とした保証人や担保なしで上限3,000万円の融資制度。金利は1.11~2.58%。
新規開業資金
新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方を対象とした、保証人や担保なしで最大7,200万円の融資制度。金利は1.16~2.58%。
上記のような制度があり、金融機関の融資が通らなかった方や低金利でお金を借りたい方はおすすめです。
創業補助金・助成金の活用
一部の地域では、新しいビジネスをサポートするために補助金や助成金が提供されています。これは、特定の条件を満たす場合に受けられる資金です。
メリット
補助金や助成金は、開業費用の一部をカバーするための貴重な支援です。条件に合致する場合、返済の必要がないことが多いです。
デメリット
補助金や助成金は競争率が高いことがあるため、受給するまでに時間がかかることがあります。また、一部のプログラムには厳格な条件が設定されていることもあります。
補助金や助成金の種類
上記で解説した補助金や助成金には様々な種類があり、年によっても種類や内容が異なります。以下では、代表的な一部の補助金について解説します。
小規模事業者持続化補助金
設備投資や内装工事費用、広告費など、販路開拓や生産性向上などに取り組む費用などに利用できる。
ものづくり補助金
新商品や新サービスの開発や生産プロセス改善のための機材や機器の導入費などに活用できる補助金。
創業補助金
これから開業する方、開業して年数が短い中小企業向けの助成金で返済不要というのが大きな特徴。
IT導入補助金
ITを導入し運営効率を上げるための補助金で、中小企業や個人事業主が利用できる。PCやタブレットなどの導入にも利用できることがある。
地域雇用開発助成金
各地域の雇用の促進や地域経済の振興を図るために設けられた助成金で、1年後ごとに最大3回まで受けられる。
トライアル雇用奨励金
すぐに就職が難しいと思われる求職者を、ハローワークなどの職業紹介業者を通じて3か月間試用雇用することでもらえる助成金。
特定求職者雇用開発助成金
高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する事業者に対しての助成金。
金融機関や日本政策金融公庫の融資の必要書類や手順
金融機関や日本政策金融公庫から融資を受けたいと考えている人は少なくないでしょう。ここでは、それぞれの融資の必要書類や手順について解説していきます。
金融機関
【必要書類】
- 決算書
- 試算表
- 資金繰り表
- 事業計画書
- 銀行取引一覧表
- 納税証明書
- 商業登記簿謄本(法人)
- 本人確認書類(個人事業主)
【融資の流れ】
- 必要書類や自己資金を準備する
- 支店またはインターネットから借り入れ申し込みを行う
- 支店の担当者と面談する
- 審査結果を待つ
- 着金される
- 計画的に返済していく
日本政策金融公庫
【必要書類】
- 借入申込書
- 住民票
- 運転免許証やパスポート
- 源泉徴収票や確定申告書2年分
- 通帳コピー
- 支払明細書
- 不動産の賃貸借契約書
- 営業許可書・資格または免許の証明書
- 見積書・工事請負契約書
- 創業計画書
- 水道光熱費等の支払いがわかる書類
- 登記簿謄本(法人)
【融資の流れ】
- 必要書類や自己資金を準備する
- 支店またはインターネットから借り入れ申し込みを行う
- 支店の担当者と面談する
- 審査結果を待つ
- 着金される
- 計画的に返済していく
金融機関の融資を通すためのポイント
金融機関からの融資を受けるには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。特に、事業計画書の作成、融資を受けやすい時期の選択、そして金融機関との関係構築が鍵となります。
筋の通った事業計画書を作成できるか
事業計画書は、ビジネスの全体像や将来性などを金融機関に伝える重要な文書です。
収益性が見込めると思ってもらえるようにビジネスの目標、財務状況、市場分析、競合状況など、ビジネスに関する詳細な情報を提供します。
筋の通った計画書を作成することで、金融機関はあなたのビジネスの信頼性や成長の見込みをより明確に把握することができます。
初めての作成が難しい場合、フランチャイズ本部の担当者に相談しながら作成するのがおすすめです。本部の担当者は融資が通りやすい方法をある程度知っているでしょう。
融資を通しやすい時期に合わせることができるか
銀行融資を行うには、銀行の都合に合わせることも重要です。銀行の融資が通りやすい時期は、「3月・9月・12月」となっています。
理由は、上記の月は決算月に当たるため、融資の実績作りに積極的になるからです。
つまり、フランチャイズ本部と相談しながら、これらの月に融資の申し込みをすると融資が通りやすくなります。
また、景気の動向や金融機関の政策によっても影響を受けるので、常に情報に敏感になっておくことも重要です。
金融機関と上手にお付き合いできるか
金融機関との信頼関係は、融資の承認に大きな影響を与えます。
開業時は難しいですが、既に事業行っている場合は事業用口座を作成しておいて、取引実績を積んでおくといいでしょう。
また、担当者と知り合いになっておくことも重要なので、銀行に予定がある時に積極的にコミュニケーションをとっておくことも1つの手段です。
フランチャイズ開業後に融資が必要なタイミング
フランチャイズを開業した後、融資が必要になることがあります。
特に、新しい機械や設備が必要なタイミング、事業を拡大するタイミング、そして資金繰りが厳しいタイミングには、融資のニーズが高まります。
新しい機械や設備が必要なタイミング
ビジネスは常に進化しており、最新機械が次々発表されることがあります。新しい機械や設備を導入することで、生産性や効率性を向上させることができるでしょう。
しかし、これには大きな資金投資が必要です。そのため、新しい設備を導入する際には、融資が必要になることがあります。
新たな設備投資を行うことで事業がさらに上手くいくことが証明できれば、融資が通りやすくなるでしょう。
事業を拡大するタイミング
ビジネスが順調に成長している場合、事業を拡大したい場面が訪れることがあります。新しい店舗の開業やサービスの拡充など、事業拡大には資金が必要です。
このような場合、融資を活用することで、成長を加速させることができます。ここでのポイントは、現在の収益性を事業拡大した時にも引き継ぐことができる根拠を準備することです。
資金繰りが厳しいタイミング
ビジネスは予測不能な状況に直面することがあり、売上の低下や予想外の支出など、資金繰りが厳しくなる場合があります。
このような状況では、臨時の資金が必要になることがあるでしょう。
ここで融資を通しやすくするためには、融資を受けることで事業を上手く回復させることができる根拠を示すことです。
また、日頃の融資担当者などとの関係性も重要になってきます。
フランチャイズで金融機関から融資を行うメリット
フランチャイズ経営者にとって、金融機関からの融資は重要な資金調達手段の一つです。
融資を受けることによってのメリットは、資金に余裕ができること、事業投資が可能になること、信用や実績を証明することができることなどです。
資金に余裕ができる
ビジネスを運営する上で、十分な資金があることは非常に重要です。資金に余裕があれば、急な支出や予期せぬ事態にも対応できます。
金融機関からの融資を受けることで、資金に余裕を持つことができます。
また、融資を行わずに自己資金から貯めるほうがリスクを抑えることができますが、事業を始めるまで時間がかかってしまい、どんどんチャンスが失われていくので、融資を行うほうが賢明な場面も多いです。
事業投資ができる
事業を拡大し成長させるためには、投資が必要です。新しい店舗の開設や設備投資など、事業投資は資金が必要です。
金融機関からの融資を受けることで、事業投資を行うことができます。
時代のトレンドはどんどん新しくなるので、手元に資金がない場合は融資を行い、ビジネスチャンスを取り逃さないようにしましょう。
信用や実績を証明できる
金融機関からの融資を受けることは、ビジネスの信用や銀行への実績を証明する一つの手段です。
金融機関からの融資は簡単に受けれないため、融資が通ることで事業自体の信用度が増します。信用度が増すことで、取引先からの信用も高まり、事業にもプラスに働くでしょう。
また、金融機関から受けた融資を計画的に返済していれば、返済能力を認めてもらうことができ、融資の実績ができます。実績を積み重ねることで、次回融資してもらいたいときに有利に働くでしょう。
フランチャイズで金融機関から融資を行う際の注意点
フランチャイズ経営者が金融機関から融資を受ける際には、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。
特に、借入と返済には計画性が必要であり、着金までに時間がかかること、そして融資以外の手段も検討することが重要です。
借入と返済には計画性が必要
融資を受ける際には、どのように資金を使うのか、そしてその使い道に対する計画性が必要です。
無計画な借入れや返済計画の欠如は、将来的な経営に深刻な影響を与える可能性があります。
計画が認めてもらえなければ融資を受けることができず、融資を受けれたとしても返済不能となり、破産してしまうリスクもあるので注意しましょう。
着金されるまでに時間がかかる
金融機関から融資を受ける際には、手続きや審査に時間がかかることがあります。
また、融資が承認されてから実際に資金が口座に入金されるまでにも時間がかかる場合があります。
目安は数週間から数カ月です。そのため、急に資金が必要になった場面では融資を頼るのは難しいでしょう。
融資以外の手段も検討する
融資は資金調達の一つですが、必ずしも最適な手段とは限りません。資金調達の方法は様々あり、融資以外の手段も検討することが重要です。
補助金や助成金、自己資金の活用や投資家からの資金調達など、多角的なアプローチが求められます。
また、コスト削減や経費の見直しなどで経営を立ち直らせることができないかも考える必要があります。
まとめ
本記事では、フランチャイズの融資について詳しく解説しました。
フランチャイズを開業する時の資金調達方法は、金融機関からの融資や日本政策金融公庫からの融資、補助金・助成金の活用などがあります。
金融機関から融資を通す場合は、しっかりとした事業計画書を準備して、融資のタイミングを見計らい、金融機関の方と上手に関係性を築くことが重要です。
金融機関の融資を通すためのポイント
・筋の通った事業計画書を作成できるか
・融資を通しやすい時期に合わせることができるか
・金融機関と上手にお付き合いできるか
フランチャイズで金融機関から融資を行う際の注意点
・借入と返済には計画性が必要
・着金されるまでに時間がかかる
・融資以外の手段も検討する
詳細は本文で解説しているので、フランチャイズで融資を受けたい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。