フランチャイズはやめたほうがいい?失敗例や失敗しないためのコツを解説
フランチャイズ
薬局やドラッグストアのフランチャイズの年収や必要な資金を解説
薬局やドラッグストアは医療品を取り扱うので、開業に対して難しいイメージがあるでしょう。しかし、フランチャイズの場合、研修やサポート制度もあり、未経験でも始めることができます。
この記事では、薬局・ドラッグストアのフランチャイズの収入面や開業資金などについて解説します。
この記事の目次
薬局・ドラッグストアフランチャイズのメリット
薬局やドラッグストアのフランチャイズ経営には、多くのメリットがあります。これらのメリットは、経営を始める初心者にとっても非常に魅力的です。
経営ノウハウやスキルを学べる
薬局・ドラッグストアのフランチャイズは、実績のある企業の豊富な経験やノウハウ・スキルを学ぶことができます。
そのため、経営者としての経験がない方でも開業ができます。
人材を募集してくれる
フランチャイズでは、人材募集を本部が行ってくれることが多いです。
これにより、国家資格の薬剤師を採用でき、優秀なスタッフを集めることができます。国家資格保持者などは個人で開業するとなかなか探すのは難しいので、大きなメリットと言えるでしょう。
医薬品の仕入れを安くできる
患者さんが薬局やドラッグストアで処方された薬を購入する時には、保険適用できるため3割負担で購入可能です。
そして、残りの7割は一旦お店側が負担し、後日申請をして支払いされます。そのため、医薬品の仕入れ負担が大きくなるのです。
しかし、フランチャイズで開業すると医薬品をまとめて仕入れしてくれるので、仕入れコストを抑えることができます。
資金調達のサポートをしてくれる
フランチャイズ本部は、新規加盟者が事業を始める際に資金調達のサポートをしてくれるところが多いです。
薬局やドラッグストアの開業には1,000万円以上かかります。
そのため、銀行や金融機関との交渉支援や返済計画支援をしてくれることはメリットになります。
開業準備をサポートしてくれる
フランチャイズの大きなメリットとして、開業準備の支援があります。
具体的には、場所の選定や店舗デザイン、マニュアルの提供など、開業に必要な手続きや準備に関するアドバイスや支援があります。
これにより、初心者でも安心して開業に取り組むことが可能です。
薬局・ドラッグストアフランチャイズのデメリット
薬局やドラッグストアのフランチャイズ経営には、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットは、事業を始める際に考慮すべき重要な要素です。
加盟金やロイヤリティがかかる
フランチャイズを利用する場合、加盟するためには一定の初期費用や加盟金が必要です。
また、毎月の売上に対して一定割合のロイヤリティを支払う必要があります。
これらの費用は、経営の利益を圧迫する可能性があります。
独自性を発揮できない
フランチャイズ経営では、本部から与えられたマニュアルや指針に従う必要があります。そのため、独自のアイデアやサービスを提供することが難しい場合があります。
例えば、他の加盟店と同じような商品やサービスを提供することが多く、個性や差別化を図ることが難しいです。
本部や他の加盟店の影響を受ける
フランチャイズチェーンでは、本部の方針や決定に左右されます。例えば、本部の方針変更によって商品の取り扱いや価格設定が変わることがあります。
また、本部や他の加盟店の不祥事や評判が自店舗にも影響するので注意が必要です。
薬局・ドラッグストアフランチャイズは儲かる?平均年収は?
薬局やドラッグストアをフランチャイズで開業する場合、平均年収は500~1,000万円と言われています。
薬局の薬剤師の平均年収は500万円ほどなので、開業するほうが稼ぎやすいでしょう。
また、個人で開業する方の平均年収は1,000万円以上とも言われています。このように全体的に薬局やドラッグストアが稼ぎやすい理由は、調剤事業の利益率が高いことにあります。
つまり、集客ができれば安定した利益を残すことが可能です。
薬局・ドラッグストアフランチャイズの初期費用
薬局やドラッグストアのフランチャイズを始めるには、さまざまな初期費用がかかります。初期費用の目安は800~3,000万円ほどです。
ここでは、それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。
加盟金
フランチャイズ加盟者は、本部に対して加盟金を支払います。
加盟金は、フランチャイズのブランドやノウハウを利用する権利やサポートを得るための初期費用です。
加盟金の費用は薬局やドラッグストアによって異なり、相場は0~100万円です。ただし、加盟金が0円でもその他の項目で初期費用がかかるので、注意しましょう。
保証金
保証金は、ロイヤリティの支払いができなくなった場合に備えて預けておく費用です。
そのため、ロイヤリティが支払いできなければ、保証金から引かれていきます。
保証金も0円~数十万円の所が多いです。初期費用を抑えたい方は保証金が少ないところを探すと良いでしょう。
店舗関連費
薬局やドラッグストアを開業するには、店舗関連費用もかかります。これには、店舗の取得費、内外装工事費用、設備費などが含まれます。
これらの費用は、地域や店舗の規模によって異なりますが、500~2,000万円ほどが相場です。
本部によって店舗関連費用は大きく異なり、場所や物件も本部側が準備してくれる場合もあるので、様々なフランチャイズで比較すると良いでしょう。
機器や医薬品費
薬局やドラッグストアでは、機器や医薬品が必要です。初期費用は、200~700万円が相場です。一般的には下記のような費用が必要です。
- レセコン
- 電子薬歴
- 分包機
- 冷蔵庫
- 調剤棚
- 作業台
- 電話・FAX・コピー機
- 机、いす
初期費用を抑えたい方は中古品を購入するか、リースという手段もあります。
広告宣伝費
薬局やドラッグストアのフランチャイズを展開する際には、広告宣伝費も重要な初期費用の一部です。
広告宣伝費は、新規顧客の獲得や地域での知名度向上、採用活動のために使われます。
初期費用は10~20万円が相場で、自分でもっとコストを抑えて行うこともできますが、医療関係の広告は規制も厳しいので、本部に頼ったほうがいいです。
広告も本部によって自分でできる範囲が決まっているので、最初に確かめておきましょう。
研修費
フランチャイズ加盟者やその従業員が、業務を適切に行うために必要な研修を受けるための費用も、初期費用の一部として考えられます。
これは、薬局やドラッグストアの運営に必要な知識やスキルを身に付けるためのトレーニングプログラムや研修を提供してもらうための費用です。
研修費用は加盟金に含まれていることもあり、0万円~数十万円が相場です。
こちらもフランチャイズによって費用は異なりますが、未経験の方は費用よりも内容を重視して決めることをおすすめします。
各種申請費
薬局やドラッグストアを開業するには、「薬局開設許可新規申請書」の提出が必要です。これは、管轄の保健所に提出し、費用は3~3.5万円前後です。
また、法人で開業する場合は法人設立費用で10~25万円ほどかかります。法人は初期費用はかかりますが、個人事業主に比べて税制面で有利で社会的信用も高いことがメリットです。
薬局・ドラッグストアフランチャイズの運営資金
薬局やドラッグストアのフランチャイズを運営するには、運営資金が必要です。運営資金には、さまざまな費用が含まれますが、特に以下のポイントに注目する必要があります。
ロイヤリティ
ロイヤリティは、フランチャイズ契約に基づいて売上の一部を本部に支払う費用です。
これは、フランチャイズのブランドやサポートを利用する対価として発生します。
支払う費用の算出方法、「定額方式」「売上歩合方式」「粗利分配方式」の3つがあります。
「定額方式」は毎月一定額を支払うこと、「売上歩合方式」は毎月売上に応じて決まった%を支払うこと、「粗利分配方式」は、コンビニで利用されている方式で、売上総利益に対してロイヤリティを支払う仕組みです。
賃料
薬局やドラッグストアの店舗を借りる場合、賃料が発生します。賃料は、店舗の立地や広さ、地域などによって異なります。
医薬品に特化した店の場合は大きな店舗を準備する必要はありませんが、食料品や日用品を揃える場合は大きい店舗の準備が必要です。
フランチャイズ本部が探してくれたりサポートしてくれる場合が多いので、高額な場所を提示されることは少ないです。
人件費
薬局やドラッグストアの運営には従業員を雇用する必要があり、従業員の給与や福利厚生などの人件費は、運営資金の大きな部分を占めます。
従業員の数や役割によって人件費の額は異なり、薬剤師のような資格保持者ほど費用が大きくなります。
もし、従業員の数が足りない場合は本部からスタッフを派遣してくれる場合があるので、応援依頼をかけると良いでしょう。
予め、どれくらい人数が必要なのかは本部と話し合いながら、売上シミュレーションをもとに雇用人数を考えましょう。
仕入れ費
薬局やドラッグストアでは、医薬品や健康食品、化粧品などの商品を仕入れる必要があります。
フランチャイズの場合、共同購入システムを導入しており、個人で仕入れるよりも安くなる傾向が高いです。
仕入れ費用は薬局・ドラッグストアの立地やコンセプトに左右されることもあります。例えば、病院の近くの場合、その病院の必要な薬が多くなり、仕入れ費用も予測しやすくなります。
一方で、品揃えが豊富な店舗の場合、仕入れ費用の予測が難しく、市場状況によって左右されやすいです。
薬局・ドラッグストアフランチャイズに必要な資格
薬局・ドラッグストアの経営には、薬剤師の資格が必要です。これは、薬を調剤して提供するために必要だからです。
ドラッグストアで販売している薬は処方箋がない一般人でも買えますが、これも薬剤師が情報提供をしています。
薬剤師の資格は必ず経営者が取得する必要があるわけではなく、薬剤師を雇うことで経営することは可能です。
しかし、薬剤師は給与が高く人件費が高くなるので、自分で取得できる場合は取得しましょう。
フランチャイズで薬局・ドラッグストアを開業する準備
薬局やドラッグストアをフランチャイズで開業する準備は、しっかりと計画し準備が必要です。以下では、その準備に必要な手順について詳しく説明します。
資料請求や説明会への参加
まず、興味のあるフランチャイズ企業に資料請求をし、気になった企業の説明会に参加しましょう。
参加方法は現地での説明会以外にも、リモートで行っている企業も多く参加しやすいです。
参加申し込みはネットで簡単に申込できますが、開催日が少ない企業もあるので、しっかり日時を確認しておきましょう。
説明会では、フランチャイズの詳細やサポート内容、開業に必要な資金などについて学ぶことができます。説明会終わりには面談や質問コーナーの機会を設けている企業もあるので、積極的に参加しましょう。
フランチャイズの契約締結
選んだフランチャイズ企業との契約を締結します。
契約書には、加盟金やロイヤリティの支払い条件、契約期間、提供されるサポート内容などが記載されています。契約書を十分に理解し、納得した上で署名しましょう。
店舗選び
次に、適切な場所に店舗を構える必要があります。店舗の立地は成功に大きく影響するため、地域の需要や競合他社の存在などを考慮して選択しましょう。
フランチャイズの開業では本部が立地や店舗を選んでくれることも多いので、サポートを受けながら納得した店舗を選ぶことが重要です。
内装整備や各種申請
店舗を選定したら、内装や設備の整備を行います。同時に、「薬局開設許可新規申請書」の提出など、開業に必要な各種申請手続きを進めると効率がいいです。
これらの手続きは、開業までに時間がかかる場合があるため、早めに準備を始めましょう。
採用や教育
最後に、薬剤師や販売スタッフなど、適切な人材を揃えることが必要です。
従業員には、商品知識や接客マナーなどを研修して、顧客満足度の向上を図りましょう。
これまで従業員を雇用した経験のない方は、採用や教育のサポートが充実した本部に加盟することがおすすめです。
フランチャイズ契約時の注意点
フランチャイズ契約を締結する際には、いくつかの注意点があります。ここでは、その注意点について詳しく見ていきましょう。
契約期間や更新方法
まず、契約期間や更新方法を確認することが重要です。
契約期間は通常数年間となっており、契約期間中に解約する場合は中途解約金がかかる可能性があります。
また、更新方法は自動更新か都度更新が必要なのかを確認しましょう。自動更新の場合は手続きが不要ですが、もし解約したい場合に解約をし忘れてしまう可能性もあるので、注意が必要です。
一方、都度更新の場合、解約忘れはないですが、更新の手間が必要です。
そして、更新料がかかるフランチャイズもあるので、確認しておきましょう。
商標やロゴの使用条件
フランチャイズ契約では、本部の商標やロゴの使用条件が定められています。これらの商標やロゴを使用する際には、使用条件を守る必要があります。
もし、条件を無視してブランドイメージを下げるようなことをした場合、契約違反となり損害賠償を求められる可能性があるので注意が必要です。
売上や利益
契約書には、売上や利益に関する条項も記載されています。これには、売上の一部を本部に支払うロイヤリティや、利益の配分方法などが含まれます。
また、本部が売上予測シミュレーションを提示してくれますが、どのような理論でシミュレーションが出されているのかを納得することが重要です。
シミュレーション通りにいかないこともあるので、自分でも計算しましょう。
大事なのは、契約書をよく読み、自分の収益の見込みや条件をしっかりと把握し理解することです。
解約や違約金
解約や違約金に関する条項も注意しておく必要があります。万が一契約を解除する場合や、契約条件に違反した場合には、違約金の支払いや強制解約となる可能性があります。
これらの条件を事前に理解し、リスクを最小限に抑えることが大切です。
薬局・ドラッグストアフランチャイズを失敗しないコツ
薬局やドラッグストアのフランチャイズを成功させるためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。
ここでは、失敗しないためのコツについて詳しく見ていきましょう。
集客できる立地選びにこだわる
繁盛する薬局やドラッグストアの重要なポイントの一つが、集客できる立地の選定です。
人通りの多い場所や、周辺に競合他社が少ないエリアなど、顧客が利用しやすい場所を選ぶことが重要です。
他にも、病院の近くにあると処方箋を持った方が多く来店するので、自然と集客が増え、売上も伸びやすくなります。
独自のサービスや品揃えを提供する
薬局やドラッグストア業界で成功するためには、独自のサービスや品揃えを提供することが重要です。
例えば、薬剤師による健康相談サービスや、特定の地域に合った商品のラインナップなど、他店と差別化された価値を提供することがポイントです。
また、薬だけではなく食品や日用品が揃っていると、買い物するための来店も増えるので、多くの来店が見込めます。
予算に合わせた本部選びをする
フランチャイズ加盟には、一定の初期費用やロイヤリティなどの費用がかかります。予算に合わせて、本部の選定を慎重に行うことが重要です。
また、金額などの情報だけでなく、実際の体験者の声や説明会での雰囲気などをもとに費用対効果が合っているかを確認することも大事です。
まとめ
本記事では、薬局・ドラッグストアフランチャイズについて詳しく解説しました。
薬局やドラッグストアをフランチャイズで開業した方の平均年収は、500~1,000万円と一般的に高いです。
一方で、初期費用も1,000万円以上かかることも多く、リスクも高いです。売上予測とリスクをしっかり理解して開業を考えましょう。
薬局・ドラッグストアフランチャイズの初期費用
・加盟金
・保証金
・店舗関連費
・機器や医薬品費
・広告宣伝費
・研修費
・各種申請費
薬局・ドラッグストアフランチャイズの運営資金
・ロイヤリティ
・賃料
・人件費
・仕入れ費
詳細は本文で解説しているので、薬局・ドラッグストアのフランチャイズについて知りたい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。