フランチャイズと代理店の違いは？開業方法とメリットとデメリットを解説

開業する手段として、フランチャイズや代理店があります。どちらも一から始めるタイプではないので、成功しやすい開業方法です。しかし、フランチャイズと代理店にはいくつかの違いがあります。

この記事では、フランチャイズと代理店の違いや開業方法、メリットデメリットなどについて解説します。

代理店とは？

代理店は、メーカーなどの企業の自社製品やサービスを代理で販売する代わりに手数料をもらうことで利益を上げます。

代理店は、製品やサービスの販売、マーケティング、顧客サポートなど、さまざまな役割を果たすことがあります。

代理店を募集する理由

企業が代理店を募集する理由はさまざまですが、主な理由の1つは地域性や市場へのアクセスを拡大するためです。

例えば、企業が海外市場に進出する場合、その国や地域における地元の顧客にアプローチするために、地元の代理店と提携することが重要です。

また、代理店を通じて販売を行うことで、企業は自社のリソースを節約し、販売力を強化することができます。

例えば、自社の人間を動かす必要がないので、人件費を削減することができます。

代理店とフランチャイズの違い

代理店とフランチャイズは、両方とも外部パートナーを通じてビジネスを拡大する方法ですが、重要な違いがあります。

代理店は、商品やサービスの販売方法をある程度自由に設定できるが、企業からのサポートがありません。とにかく営業や販売で実績を残すことが重要です。

一方、フランチャイズは商品やサービスの提供だけでなく、経営ノウハウやサポートを提供してもらいながら経営できます。

そのため、安定的な経営を行いやすいですが、ロイヤリティの支払いや本部の規則に従って運営する必要があります。

代理店と販売店の違い

代理店と販売店も似ていますが、いくつかの違いがあります。

代理店は、製品やサービスの販売を行い、企業との契約に基づいて手数料を受け取るビジネスです。

製品やサービスの在庫を所有する必要がなく、お客様が支払いできない状態になったとしても、代理店のリスクはありません。

一方、販売店は製品やサービスの在庫を所有し、直接顧客に販売します。在庫リスクやお金を回収できない場合のリスクなどがありますが、販売価格を自社で決めることができるのが特徴です。

代理店のメリット

代理店を運営することには、いくつかの魅力的なメリットがあります。以下で、これらのメリットを解説していきます。

自由な販売・経営ができる

代理店を運営すると、自由な販売と経営が可能です。あなたが代理店として取り扱う製品やサービスの販売方法やマーケティング戦略は、自分で決めることができます。

そのため、場合によっては他の商品やサービスとセットで販売することもでき、販売しやすい方法を工夫できます。

他のビジネスモデルに比べて、代理店はより柔軟性があり、独自のアイデアや戦略を実践できる方法です。

初期費用が少なくすぐに始めることができる

代理店を始めるための初期費用は比較的低いです。代理店の契約にはフランチャイズ加盟金や仕入れ費用が必要ありません。

自分が販売できると思った既にある商品やサービスを販売できるので、開発費用なども不要です。

そのため、他のビジネスモデルに比べて、代理店は比較的低いリスクで始めることができます。

他の事業にも手を出しやすい

代理店は、他のブランドを取り扱うことや別の事業を同時に行うことが可能です。

例えば、保険代理店では複数の企業の商品を扱っているので、それぞれお客様に合った商品を提案できます。

また、代理店は複数社と提携を結んで事業を行うことができるので、販売力や経験値を活かして、別の事業と並行して色んな事業を行うことも可能です。

例えば、家庭用品の代理店を運営している場合、そのネットワークや経験を活かして、関連するビジネスを立ち上げることができます。

代理店のデメリット

代理店を運営することには、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットは、ビジネスを始める際に考慮すべき重要な要素です。

自分たちで考えて行動しないといけない

代理店を運営する際には、自分たちで考えて行動しなければなりません。

サービスや商品を販売する権利はあるが、販売ノウハウの提供などがなく、自分たちで戦略を考え実行する必要があります。

そのため、自分で考えて行動できない方には向いていないでしょう。

営業以外の雑務も多い

代理店を運営する際には、営業以外の雑務も多く発生します。例えば、請求書の処理などの経理・事務作業です。

これらの雑務は時間と労力を必要とし、営業活動と並行して行う必要があります。

そのため、本来行うべき利益を上げる営業活動の時間が減るので、効率的な組織やプロセスの確立が重要です。

営業力や販売力がないと売上が上がらない

代理店を運営する際には、営業力や販売力が不可欠です。代理店は実績が残せないと売上が上がらず、収益が上がらないので、生活にも大きく影響してきます。

また、実績が悪いと企業からの評価が悪くなり、条件が悪くなることもあるので注意しましょう。

フランチャイズのメリット

フランチャイズは、ビジネスを始める際に考えるべき魅力的な選択肢の1つです。その背後には、いくつかの重要なメリットがあるので解説していきます。

商標やブランド力を使って経営できる

フランチャイズを選ぶ最大のメリットの1つは、その商標やブランド力を活用できることです。

例えば、ファーストフードのフランチャイズ店を開業する場合、そのブランドが既に広く知られていると、新規の独立店舗よりも顧客の信頼を得やすくなります。

結果的に、ブランドの信頼性があることで、あなたの店舗に足を運ぶ可能性が高くなるのです。

これにより、集客するために必要な広告費や時間・労力を節約することができます。

サポート体制が整っている

フランチャイズは、本部からのサポートを受けながら経営できるというのがメリットの1つです。

フランチャイズ本部は、広告やマーケティング支援、教育や研修、経営ノウハウなどの様々なサポートを提供します。

例えば、飲食店のフランチャイズを経営する場合、調理マニュアルや接客マニュアルがあることで、未経験からでも新たな業界にチャレンジできます。

また、トラブルや問題が発生した時に自分だけで解決できない場合、本部の力を借りることもできるのも大きな強みでしょう。

多店舗展開しやすい

フランチャイズは、多店舗展開しやすいというメリットがあります。

例えば、1店舗目でフランチャイズ経営に成功すると、2店舗目以降も同じ方法で経営を行うと多店舗展開できます。

多店舗展開のメリットは、最初の店舗での経営を活かして経営することができるので、2店舗目以降も成功しやすいことです。

多店舗展開することで、どの店舗も調子が良いと収益を増やすことができます。

フランチャイズのデメリット

フランチャイズは魅力的なビジネスモデルですが、注意すべきデメリットもあります。これらのデメリットを理解し、事業計画を立てる際に考慮することが重要です。

ロイヤリティや加盟金がかかる

フランチャイズを運営する際には、本部に対してロイヤリティや加盟金を支払う必要があります。

これは、フランチャイズのブランド利用料やサポートを利用するための料金です。

加盟金はフランチャイズ契約を結んだとき初期費用として支払う費用です。業界や本部によりますが、数十万円~数百万円のところが多くなっています。

ロイヤリティは初期費用ではなく毎月支払う費用です。ロイヤリティの金額は売上の何％や毎月〇〇万円というような支払い方が一般的です。

自由な経営ができない

フランチャイズ契約では、本部の規則やマニュアルに従って運営していく必要があるので、自由に経営することができません。

例えば、フランチャイズ本部が定めた営業時間や販売方法に従わなければならない場合があります。

自分で販売戦略を考えたり、自分のアイデアを積極的に提供したい方には向いてないでしょう。

契約期間に辞めると違約金がかかる

フランチャイズ契約には、一定の契約期間が定められています。契約期間内にフランチャイズを辞める場合、違約金の支払いが必要です。

そのため、少し挑戦してみたいというような安易な気持ちで参入しにくくなっています。

また、辞めてからも制約がかかり、守れなかった場合は罰則を受けることもあります。

例えば、競合避止義務があり、フランチャイズを辞めてから一定の期間は同業の事業を行うことができません。

これは、フランチャイズ本部の情報やノウハウの流出を防止するためです。

代理店の開業方法

代理店を開業するためには、いくつかのステップが必要です。ここでは、代理店を始めるための一般的な手順について説明します。

企業への連絡と契約

代理店を開業する最初のステップは、代理店として取り扱いたい商品やサービスを持つ企業に連絡し、業務委託契約を結ぶことです。

この契約時に、取り扱う製品やサービス、販売条件、報酬などを確認します。場合によっては、事業計画書を提出しないといけない場合もあります。

条件や報酬をよく確認して、市場調査や収益が取れるシミュレーションをすることが重要です。

開業の準備

代理店を開業するためには、いくつかの準備作業が必要です。目標、予算、マーケティング戦略を考えて、適切なビジネスプランを作成しましょう。

また、代理店の場所を選定し、必要な設備や備品を準備する必要があります。顧客の来店が少ない場合には、自宅を事務所にしている事業者も多いです。

そして、営業許可や法的手続きなど、開業に必要な手続きを完了させることも重要です。

資格取得をして開業

代理店を運営するためには、特定の業界や製品に関する知識やスキルが必要です。

そのため、場合によっては資格や認定を取得することが重要です。例えば、不動産代理店を開業する場合、宅建を取得する必要があります。

仮に、資格が必要なくても顧客に正しい説明を行うために、事前に勉強はしておきましょう。

フランチャイズの開業方法

フランチャイズを始めるためには、いくつかのステップを踏む必要があります。以下では、一般的なフランチャイズの開業手順について説明します。

資料請求をして説明会を受ける

まず、興味のあるフランチャイズ企業に対して資料請求を行います。資料を受け取った後は、説明会に参加してより詳しい話を聞きます。

この説明会では、フランチャイズの詳細や契約条件について詳しく説明されるので、自分に合ったフランチャイズかどうか確認しましょう。

担当者との面談

説明会を受けた後、興味を持ったフランチャイズ企業の担当者と面談を行います。

この面談では、懸念点や自分の経験、資格、資金状況などについて話し合うことができます。

この段階で、フランチャイズ企業との相性を確認し、自分が本当にそのフランチャイズを始めることができるかどうかを検討します。

契約をして開業準備

面談がうまくいった場合、次のステップはフランチャイズ契約を結ぶことです。

契約書には、フランチャイズの条件や契約期間、ロイヤリティ料の支払い方法などが明記されています。

契約後、加盟金を支払い、開業準備を進める必要があります。場所の選定や設備の準備、スタッフの採用などの準備が必要なので、本部サポートを借りながら進めていきましょう。

まとめ

本記事では、フランチャイズと代理店の違いについて詳しく解説しました。

フランチャイズは、自由な経営ができないが、サポート体制も充実していて未経験でも開業しやすいです。

一方、代理店はノウハウ提供やサポートがないが、自分で考えた方法で販売営業できるのが特徴です。

代理店のメリット
・自由な販売・経営ができる
・初期費用が少なくすぐに始めることができる
・他の事業にも手を出しやすい

代理店のデメリット
・自分たちで考えて行動しないといけない
・営業以外の雑務も多い
・営業力や販売力がないと売上が上がらない

フランチャイズのメリット
・商標やブランド力を使って経営できる
・サポート体制が整っている
・多店舗展開しやすい

フランチャイズのデメリット
・ロイヤリティや加盟金がかかる
・自由な経営ができない
・契約期間に辞めると違約金がかかる

詳細は本文で解説しているので、フランチャイズと代理店の違いについて知りたい方は参考にしてください。

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この記事の執筆者

フランチャイズ支援歴10年

松田 和也

大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3％以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。