フランチャイズと代理店の違いは?開業方法とメリットとデメリットを解説
フランチャイズ
フランチャイズ塾の開業は儲かる?必要な資金や失敗しない方法を解説
塾を開業する場合、個人で開業するかフランチャイズで開業するか悩む人も多いでしょう。それぞれ特徴はありますが、塾という性質上、評判や信用が大事になってくるので、ブランド力のあるフランチャイズは良い方法と言えます。
この記事では、フランチャイズ塾の開業者の年収や開業資金、失敗しないためのコツについて解説します。
この記事の目次
フランチャイズ塾の3つのスタイル
フランチャイズ塾は教育分野において幅広く展開されており、そのスタイルは大きく3つに分類されます。それぞれ、個別学習塾、集団学習塾、自立型個別学習塾について解説していきます。
個別学習塾
個別学習塾は、生徒一人ひとりに合わせたカリキュラムと指導方法を提供することを重視したスタイルです。
1人の講師に対して、3人以下の生徒を指導します。ここでは、生徒が自分のペースで学習を進めることができます。
そして、先生と生徒との間には密なコミュニケーションができるので、生徒が理解できない部分があればすぐにフォローアップすることが可能です。
これは、個別指導ならではのメリットでありますが、一方で集団塾よりも月会費が高い傾向にあります。
集団学習塾
集団学習塾は、1人の講師が4人以上の生徒を一つの教室で同時に指導するスタイルです。
ここでは、生徒同士が切磋琢磨し合いながら学習を進めるので、ライバル意識や仲間意識が生まれ相乗効果が生まれやすいです。
そして、他の生徒の発言や解法を聞くことで、新たな視点やアプローチを得ることができます。
一方で、個人個人のペースやレベルに合わせた指導方法ではないので、中にはついていけなくて辞めていく子もいるでしょう。
自立型個別学習塾
自立型個別学習塾は、個別学習の要素を取り入れつつも、生徒が自ら学習を進めることを重視したスタイルです。
ここでは、塾が準備した教材や問題集を通じて、生徒が自主的に学習します。そこで不明な点があれば、生徒が先生に聞きに行くという流れが一般的です。
そのため、がっつりと指導するというよりかはサポート役というイメージです。
フランチャイズ塾のメリット
フランチャイズ塾は、教育ビジネスを展開する上で多くのメリットを提供します。ここでは、その中でも特に顕著な4つのメリットについて解説します。
ブランド力があり集客しやすい
フランチャイズ塾は既に確立されたブランド力を持っており、その学習塾の名前やロゴを使うことができます。
そのため、保護者や生徒に信頼感を与えることができ、新規顧客を獲得しやすくなります。
新しくできた塾だと評判や信頼性がないので、子供を通わせるにはリスクが高いのでしょう。
指導や運営ノウハウが整っている
フランチャイズ塾は、加盟店に対して指導や運営ノウハウを提供します。
そのため、加盟店オーナーはフランチャイズ本部からのサポートを受けながら、効果的な授業内容や効率的な経営方法を行うことができます。
また、ブランド力で集客ができたとしても、辞める子が多いと意味がないので、生徒が塾に通い続けるためのノウハウも教えてくれるでしょう。
他の加盟店オーナーとも情報交換ができる
フランチャイズで塾を始めると、他の加盟店オーナーとの繋がりが生まれます。
加盟店オーナー同士が集まって意見交換や情報共有を行うことで、より良い経営方法や指導戦略を学ぶことができます。
また、悩みや失敗があれば、先にフランチャイズで開業した先輩へ相談も可能です。
これによって、初心者でも他の成功事例を参考にして自分の教室を成長させることができます。
フランチャイズ塾のデメリット
フランチャイズ塾は、多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。
ここでは、フランチャイズ塾を運営する際に直面するかもしれない3つの主なデメリットについて考察します。
個人塾より金銭面のリスクが高い
フランチャイズ塾を開業するには、個人塾を開業するよりも多くの初期投資が必要です。
それは、商標権やブランドを使用する代わりに加盟金が必要だからです。
また、フランチャイズ本部が設定する基準や規定に合わせて、設備や教材を準備する必要があるので、想定以上の費用が必要になるかもしれません。
初期費用を安く済ませたい方は、加盟金の少ないフランチャイズを探してみましょう。
経営方針に自由がない
フランチャイズ塾を運営する際には、フランチャイズ本部が定めた経営方針や規定に従う必要があります。
例えば、授業内容や料金設定、営業時間など、多くの面でフランチャイズ本部の指示に従わなければなりません。
そのため、自分が良いと思ったアイデアも簡単に取り入れることができない場合があり、自由に運営したい方には向いていないでしょう。
利益が少なくなる
フランチャイズ塾の場合、ロイヤルティや広告費用など様々な費用がかかります。
そのため、塾の利益率が低下し、結果として実際に手元に残る利益が少なくなる可能性があります。
ロイヤリティは10%前後の所が多くなっています。しかし、ロイヤリティが低いところを探してしまうと、サポートが充実していないこともあるので注意が必要です。
フランチャイズ塾は儲かる?平均年収は?
フランチャイズ塾の年収はフランチャイズや立地などにもよりますが、平均年収は500万円ほどと言われています。
フランチャイズの場合、ブランド力がありサポート体制も整っているので、初期のころから売り上げは上がりやすいです。そして、このまま生徒数が伸びていくと年収1,000万円以上稼ぐことも可能です。
個人で開業する場合、開業当初は生徒が集まらず売上も上がらないこともあります。そのため、集客面ではフランチャイズのほうが良いと言えるでしょう。
ただし、フランチャイズの場合ロイヤリティがかかるので、どれくらいのロイヤリティが必要なのかを事前に確認しておく必要があります。
フランチャイズ塾の開業資金や運営資金
フランチャイズ塾を開業するためには、開業資金と運営資金が必要です。ここでは、それぞれの資金についてみていきます。
フランチャイズ塾の開業資金と運営資金
開業資金はフランチャイズ加盟金や規模・立地などによって異なりますが、数百万円規模となっています。
以下では、例として塾の開業資金でかかる項目や金額を説明していきます。
項目 | 金額 |
加盟金 | 100~300万円 |
保証金 | 50万円 |
店舗関連費 | 300~400万円 |
研修費 | 50~60万円 |
加盟金はブランドや商標権利用、サポート提供に対して支払う初期費用です。
本部によって金額が異なりますが、大手のほうが高い傾向にあります。一方、安いところでもサポートが充実しているところも多いので、しっかり見極めが大切です。
保証金も初期費用の1つで、毎月支払うロイヤリティが支払えなかった時のための費用です。
そのため、契約解除時に返ってきます。保証金が0円の所もありますが、他の金額が高めに設定されている可能性があるので注意しましょう。
研修費は開業前に行う研修にかかる費用です。研修費は加盟金の中に含まれているフランチャイズもあり、しっかり確認しておきましょう。
店舗関連費は、店舗を契約して工事を行い、営業できる状態に持っていくまでの費用です。規模や立地にもよりますが、開業資金の中でも大きな割合を占めるので、慎重に進めていく必要があります。
店舗関連費を負担してくれる本部もあるので、初期費用を抑えたい方は負担してくれる本部を選びましょう。
フランチャイズ塾の運営資金
運営資金もロイヤリティや規模・立地などによって異なりますが、数百万円規模となっています。
以下では、例として売上が200万円の塾の運営資金でかかる項目や金額を説明していきます。
項目 | 金額 |
人件費 | 40~60万円 |
賃料 | 20万円 |
仕入れ費 | 10万円 |
水道光熱費 | 5万円 |
ロイヤリティ費(10~30%) | 20~60万円 |
人件費の売上からの割合を見ると、20~30%ほどです。質のいい先生を雇うとなると、人件費が高くなることが多いです。逆に、大学生などのアルバイトを雇うと少し抑えることができます。
賃料の売上からの割合を見ると、5~10%ほどです。10%を上回ってしまうと利益が少なくなるので注意しましょう。
仕入れ費の売上からの割合を見ると、5%ほどです。仕入れ費は本部によって変わりますが、個人で開業するよりも仕入れ費は安くなることが多いです。
水道光熱費の売上からの割合を見ると、2〜3%前後です。
ロイヤリティ費は、10~30%が相場になります。ただし、料金だけに捉われずにサポート内容なども確認しましょう。
フランチャイズで塾を開業する準備
フランチャイズで塾を開業するには、いくつかの準備が必要です。ここでは、その準備の具体的なステップについて解説します。
資料請求や説明会への参加
まず最初に、興味を持ったフランチャイズ企業に資料請求をし、説明会に参加します。
資料や説明会で、フランチャイズ企業のビジネスモデルやサポート内容を理解し、自分に合ったフランチャイズかどうかを判断します。
フランチャイズ担当者との面談
次に、フランチャイズ企業の担当者と面談を行います。ここでは、具体的な条件や契約内容、加盟店の運営について詳しく話し合います。
面談を通じて、自分のビジネススキルや目標に合ったフランチャイズ企業かどうかを判断しましょう。
契約審査申し込み
面談が終わったら、契約審査の申し込みを行います。これは、申込者が加盟店として適切かどうかの審査です。
審査には、経済的な安定性や経営能力、人間性など多角的に判断されます。
加盟金の支払い
審査が合格したら、加盟金を支払います。加盟金の額は、フランチャイズ企業や加盟店の規模によって異なります。
店舗選び
フランチャイズで塾を開業する際には、適切な店舗を選ぶことが重要です。
店舗の立地や広さ、周辺環境などを考慮して選定します。まずは、生徒や保護者が通いやすい場所にあるかどうかを確認します。
また、競合他社の存在や地域の需要を考慮し、市場調査を行います。店舗を選ぶ時は本部の方もサポートしてくれるので、初めてでも安心です。
内装工事や設備・備品の導入
店舗を決定したら、内装工事や設備・備品の導入を行います。
内装工事では、教室や受付スペース、トイレなどのレイアウトや装飾を行います。設備としては、机、椅子、黒板、パソコンなどが必要です。
また、教材や参考書、ホワイトボードやプロジェクターなどの学習支援具も準備します。
これらの準備を丁寧に行うことで、生徒が快適に学習できる環境を整えることができます。
採用や研修
最後に、スタッフの採用や研修を行います。採用活動では、適切な経歴や資格、人物像を持つ候補者を選考します。
そして、採用されたスタッフには教育研修を行い、フランチャイズ塾の理念や教育方針、指導方法などを丁寧に教えることが大切です。
フランチャイズ塾を失敗しないコツ
フランチャイズ塾を開業する際には、いくつかのコツを押さえることで成功への道が開けます。ここでは、そのコツについて詳しく解説します。
講師は多角的判断で選ぶ
まず一つ目のコツは、講師を選ぶ際には多角的な判断基準を持つことです。
講師は塾の顔であり、生徒や保護者と直接関わる重要な役割を果たします。そのため、単に学歴や資格だけでなく、人柄やコミュニケーション能力、教育への熱意などを含めて総合的に判断することが重要です。
また、フランチャイズ本部が提示する基準を満たすだけでなく、地域のニーズや塾の特性に合った講師を選ぶことも大切です。
保護者とも積極的にコミュニケーションをとる
二つ目のコツは、保護者とも積極的にコミュニケーションをとることです。
保護者は生徒の学習状況や塾の運営に大きな関心を持っています。そのため、定期的な面談や進捗報告、イベントの開催などを通じて、保護者との信頼関係を築くことが重要です。
保護者の理解と協力が得られれば、生徒のモチベーションや成績向上にも大きな影響を与えます。
生徒目線にも立って開校場所を決める
三つ目のコツは、生徒目線にも立って開校場所を決めることです。
生徒が通いやすい立地や安全な環境を考慮するだけでなく、学校や公共施設からの距離や交通の便、周辺の犯罪率なども確認することが重要です。
また、競合他社の存在や地域の需要を分析し、ニーズに合った場所を選ぶことが成功の鍵となります。生徒が快適に通える環境を提供することで、塾の評判や生徒数の増加につながります。
失敗しないフランチャイズ塾本部の選び方
フランチャイズ塾を運営するにあたり、成功のカギとなるのは適切な本部の選択です。ここでは、失敗しないためのフランチャイズ本部の選び方について詳しく見ていきましょう。
知名度やブランド力のある本部を選ぶ
まず最初に考慮すべき点は、知名度やブランド力のある本部を選ぶことです。
有名なフランチャイズ本部は、既に確立されたビジネスモデルやマーケティング戦略を持っています。また、知名度のあるブランドを選ぶことで、集客や信頼度の向上が期待できます。
契約内容やサポート制度に納得のいく本部を選ぶ
次に重要なのは、契約内容やサポート制度に納得のいく本部を選ぶことです。
契約内容は、加盟店と本部の間で取り決められる重要な条件で、加盟金やロイヤリティ、契約期間、独占エリアの設定などがなされます。
また、本部が提供するサポート制度も重要です。教材やカリキュラムの提供、ノウハウ、経営指導など、加盟店の成功に向けたサポートが充実しているかどうかを確認しましょう。
初期費用や運営費用を抑えることができる本部を選ぶ
失敗しないためには、初期費用や運営費用を抑えることができる本部を選ぶことも重要です。
開業には多額の初期投資が必要となりますが、本部によってその金額や支払い条件が異なります。
また、ロイヤリティや広告費用などの運営費用も本部によって異なります。経営を安定させるためにも、費用の面で納得のいく本部を選ぶことが重要です。
強みを持っていて収益化が見込める本部を選ぶ
最後に、強みを持っていて収益化が見込める本部を選ぶことも大切です。
フランチャイズ本部が持つ独自の特徴や競争力が、加盟店の成功に直結します。
市場のニーズに合った教育プログラムや独自の教材、先進的な指導方法など、本部の強みが加盟店の差別化や収益増につながります。収益がしっかり出る本部を選ぶことが重要です。
まとめ
本記事では、フランチャイズ塾の開業について詳しく解説しました。
塾は飲食店などとは違い、通い続けるものなので、生徒も保護者も慎重に選びます。そのため、既に名の知れた塾で評判が良いと新規開業でも生徒は集まりやすくなります。
そして、フランチャイズの場合はサポートも充実しているので、経験が浅い方でも始めやすいです。
フランチャイズ塾を失敗しないコツ
・講師は多角的判断で選ぶ
・保護者とも積極的にコミュニケーションをとる
・生徒目線にも立って開校場所を決める
失敗しないフランチャイズ塾本部の選び方
・知名度やブランド力のある本部を選ぶ
・契約内容やサポート制度に納得のいく本部を選ぶ
・初期費用や運営費用を抑えることができる本部を選ぶ
・強みを持っていて収益化が見込める本部を選ぶ
詳細は本文で解説しているので、フランチャイズ塾を開業したい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。