薬局やドラッグストアのフランチャイズの年収や必要な資金を解説
フランチャイズ
人気の介護フランチャイズやサービスの種類・失敗しないコツを解説
高齢化社会が進む日本では、今後介護事業の需要はますます加速するといわれています。
しかし、介護事業を行うにもどの介護事業をするべきか、どのようなフランチャイズに加盟店するべきなのか悩んでいる人も多いでしょう。
この記事では、人気の介護フランチャイズやサービスの種類、失敗しないためのコツについて解説します。
この記事の目次
介護事業の市場や需要は伸びている
介護事業は近年急速に拡大しており、その市場と需要は着実に伸びています。
この成長の背景には、高齢化社会の進展や医療技術の向上により、長寿命が実現され、それに伴い様々な介護ニーズが生まれていることが挙げられます。
高齢化社会になり日本の3割が高齢者です。介護施設に入りたくても入れない人も多く、老老介護で悩んでいる人も増えています。
今後、日本ではさらに高齢化が進むことが想定されているので、介護事業の需要は増えていくでしょう。
また、医療技術の進歩により、以前より様々な病気に対する治療が可能になりつつあります。これにより、慢性的な疾患や身体の機能低下に伴う介護が必要なケースも増加しています。
介護フランチャイズの多様な種類とそれぞれの特徴
介護フランチャイズは、高齢者や障害者の支援を提供するための事業モデルであり、その中にはさまざまな種類が存在します。
ここでは、デイサービス、訪問介護、訪問看護、訪問入浴・マッサージ、そして配食サービスに焦点を当て、それぞれの特徴や役割について解説します。
デイサービス
デイサービスは、高齢者や障害者が施設に通い、食事や入浴、機能訓練、レクリエーションなどを日帰りで行うことです。
ここでは、普段家で過ごす高齢者が外部と交流することで、孤独感を解消し、心身ともに健康的になることが目的です。
デイサービスは、利用者が施設で充実した時間を過ごすことができ、高齢者を支える家族が介護から解放されるので、家族や利用者両者にとって非常に有益なサービスと言えます。
訪問介護
訪問介護は、高齢者や障害者が自宅で生活するためのサポートを提供するサービスです。
これは、介護スタッフが高齢者の日常生活の世話や生活支援を行うことが特徴であり、利用者が自分の家で安心して生活できるように助けることを目的としています。
例えば、料理や掃除、入浴、買い物などのサポートなどを行います。
必要な訪問介護員の人数は、常勤で2.5人です。また、訪問介護員以外にサービス提供責任者や管理者を用意する必要があります。
訪問入浴・マッサージ
訪問入浴・マッサージサービスは、高齢者や障害者に対して、自宅で入浴やマッサージを提供するサービスです。
これは、身体的な健康維持や心身のリラックスを促進することを目的としています。
訪問入浴の場合、看護職員1人と介護職員2人以上の人員配置が必要です。介護職員は資格の有無を問いませんが、看護職員は資格が必要です。
訪問マッサージの場合、あん摩マッサージ指圧師(国家資格)がマッサージを行います。
訪問マッサージだけを利用するのではなく、訪問リハビリとセットで利用する人も多く、様々な事業と組み合わせて事業展開できます。
配食サービス
配食サービスは、高齢者や障害者が自宅で栄養バランスのとれた食事を受けるためのサービスです。
これは、料理の調理や配達を通じて、利用者が健康的な食事を摂ることをサポートします。
そして、食事を配達する際に、高齢者の健康状態も同時に確認するサービスを提供している事業者も多いです。
特別な資格が必要なく、1人で開業できることから近年開業している方が増えています。
介護フランチャイズは儲かる?平均年収は?
介護フランチャイズは事業内容によって変わりますが、平均年収は500~700万円ほどと言われています。
700万円以上稼いでいる事業者も3割ほどいるので、全体的に高収入の業界です。ただし、開業エリアや規模によっても異なります。
介護サービスはすぐに事業が上手くいく業界ではなく、徐々に伸びていく業界なので、忍耐力をもって経営していくことが重要です。
その分、利用客はサービスに満足するとリピート率は高いので、安定的な収益が見込めます。
介護フランチャイズの開業・運営費用
介護事業を始めるとなると資金がどれくらい必要か気になるでしょう。ここでは、開業資金や運営資金がどれほど必要なのかを解説していきます。
開業資金
開業資金は規模や立地によっても異なりますが、500~1,500万円ほどが目安です。様々なフランチャイズ本部を比較して、自分に合った本部を選びましょう。
主な内訳は、以下の通りです。
項目 | 金額 |
加盟金 | 100~350万円が多い |
研修費 | 50~100万円程度 |
物件取得費や内外装費・設備費 | 100~1,000万円 |
保証金 | 20~100万円 |
加盟金は、事業内容によって異なりますが、利用者が通う通所型のほうが高くなりやすいです。
研修費は加盟金に含まれていることも多いですが、その場合は加盟金が高くなる傾向にあります。逆に、研修費が別々で請求される場合は、加盟金も抑えられます。
物件取得費や内外装費は、店舗の規模や立地によって異なりますが、開業費用で一番割合が多いです。
設備基準が決められており、基準に従わなかった場合は営業できません。スロープを設置して、消防法に則り準備しましょう。
保証金は加盟金とは異なり、契約解除後に返ってくるお金です。
運営資金
介護フランチャイズの運営資金の主な内訳は以下の通りです。
- 人件費
- 家賃・光熱費
- ロイヤリティ5~10%程度
人件費は売り上げの半分以上を占めます。そのため、人件費を抑えることができれば、儲かりやすいですが、人件費を低くしてしまうと人材が集まりません。
そして、離職率も高くなるので、上手くバランスをとることが必要です。
家賃や光熱費は、立地や施設の大きさに比例して高くなります。訪問型介護の場合は、安く抑えることができるのでおすすめです。
ロイヤリティは、売上の5〜10%ほどが目安となっています。
介護フランチャイズのメリット
介護フランチャイズには、多くのメリットがあります。ここでは、開業準備や手続きサポート、経営ノウハウや研修制度、そして事業方針の明確化に焦点を当て、それぞれのメリットについて探っていきます。
開業準備や手続きサポートがある
介護フランチャイズのメリットの1つは、開業の際に必要な準備や手続きに対するサポートがあることです。
介護サービスは法人を設立する必要があり、その設立手続きのサポートや介護事業を始めるための申請サポートをフランチャイズ本部が行ってくれます。
また、介護事業には人員基準があり、基準を満たすまでは開業できません。そのスタッフの採用や雇用手続きも大変な作業ですが、その辺のサポートも行ってくれる本部がほとんどです。
個人で開業する場合は、このような大変な作業を1人でしないといけないので、フランチャイズで開業するメリットは大きいです。
経営ノウハウや研修制度を提供してもらえる
次に挙げられるメリットは、フランチャイズ本部から提供される経営ノウハウや研修制度です。
開業後はスタッフを抱えて教育を行い、事業の計画を練り、売上を上げるための戦略を立てないといけません。
このようなスキルは初めから身についているものではなく、正しい手順で学んでいくことが必要です。
フランチャイズだとこれまでの成功ノウハウがあるので、一から教育してくれて初めての開業でも安心です。
また、スタッフの教育もプロの研修を通じて行うほうがスキルも早く身につきます。
そして、介護事業は国からお金を請求する必要があるので、その方法もサポートしてもらうことができます。
事業方針を明確化できる
最後に、介護フランチャイズのもう一つのメリットは、事業方針を明確にできることです。
フランチャイズ本部はブランドイメージや価値観を提供し、オーナーはそれに基づいて事業を展開できます。
最初はどのような方針で事業を行うべきかわからない事業者も多いので、既に成功しているフランチャイズの方針に従って経営を行うことで、安心して経営を続けていくことができます。
介護フランチャイズでよくある失敗
介護フランチャイズは将来性が高くメリットも多いですが、一方でよくある失敗も存在します。ここでは、人材不足、知識やスキルの不足、そしてフランチャイズ本部の選び方に焦点を当てて説明していきます。
人材不足
まず、介護フランチャイズでよくある失敗の一つが人材不足です。
介護サービスは専門的なスキルと人間関係の構築が求められるため、適切なスタッフを確保することが難しいです。
採用活動が上手くいったとしても、スタッフが辞めないような仕組みや体制を作る必要があります。
そのため、介護フランチャイズはスタッフが働きやすい環境を整えることも重要です。
そして、資格保持者が辞めてしまった場合に備えて、常に人材育成にも力を入れて、資格取得を支援していきましょう。
知識やスキル不足
次に挙げられる失敗要因は、オーナーやスタッフの知識やスキルの不足です。
介護は専門的な分野であり、適切な知識とスキルがなければ質の高いサービスの提供が難しいです。
介護事業は利用者の健康にも影響を与える仕事でもあるため、正しい知識とスキルで向き合う必要があります。
そして、その知識やスキルは一部の人間だけでなく、全員が身に着けておかないといけないので、日頃からトレーニングや研修を行いましょう。
フランチャイズであれば、本部でトレーニングマニュアルを作成してくれて、研修も行ってくれるので、有効に活用して組織の基盤を固めることが重要です。
フランチャイズ本部選び
最後に挙げられる失敗要因は、フランチャイズ本部の選び方のミスです。
本部のサポートが不十分だったり、提供されるノウハウが不足していると、事業の成功が難しくなります。
これは、契約前に注意する必要があり、他のフランチャイズとも比較したうえで決めることが大切です。
例えば、開業までのサポートはしっかり行ってくれるが、開業後のサポートに力を入れていない本部もあります。
そのため、実績などの数字もとても大事ですが、口コミや評判などもチェックしましょう。
介護フランチャイズで失敗しないためのコツ
介護フランチャイズを成功させるためには、いくつかの重要なコツが存在します。ここでは、人材不足の防止、利用者のニーズへの対応、そして長期的な経営視点に焦点を当て、失敗を回避するための方法について考えてみましょう。
人材不足を防ぐため人材確保に力を入れる
人材不足は介護フランチャイズにおいて頻繁に起こりうる課題です。しかし、これを防ぐためには、人材確保に力を入れることが不可欠です。
スタッフの採用部分に関してはフランチャイズ本部が大部分を担ってくれることが多いので、スタッフの育成に力を入れることが重要になります。
スタッフが離職する原因で多いものの1つが、職場の環境です。
そのため、給与面や休日数、福利厚生などを他社に劣らず設定して、随時職場の声に耳を傾けることも必要です。
利用者のニーズに合わせたサービスを行う
次に、利用者のニーズに合わせたサービスを提供することも成功の鍵です。
介護サービスは利用者中心のものであり、そのニーズを正確に理解し、対応することが必要です。
利用者の要望や状況に応じて柔軟かつ効果的なサービスを提供することで、顧客満足度を向上させることができます。
満足度が上がれば、リピートしてくれる確率が上がり、収益も確保できます。
また、利用者だけでなく、その家族とも良好な関係を築くことが必要です。介護施設を利用する方の中には、利用者本人ではなく家族の方に権限がある場合も少なくありません。
つまり、関わる方全てに真摯に向き合う姿勢が大切ということです。
長期的目線で経営を行う
最後に、介護フランチャイズの成功には長期的な経営視点が欠かせません。
短期的な利益追求ではなく、将来を見据えた経営計画が必要です。介護事業は短期的に一気に儲かる事業ではなく、徐々に軌道に乗せていくタイプの業界です。
そのため、将来の展望を考慮した経営計画を策定し、着実に目標に向かって進みましょう。
利用者は実績や評判をもとに決める傾向にあるので、最初は儲からなくても実績と信頼を積み重ねることが重要です。
介護フランチャイズで本部の選び方
介護フランチャイズを始める際、本部がビジネスの成功に大きく影響します。ここでは、加盟店の実績の確認、サポートの充実度の確認、そして収益化の可能性の確認に焦点を当て、成功するための本部の選び方について考えていきます。
加盟店の実績を確認する
最初に注意すべきポイントは、加盟店の実績を確認することです。
他の加盟店が成功しているかどうかは、そのビジネスモデルの信頼性を示す重要な要素です。
他の加盟店の成功事例を知ることで、そのフランチャイズで実際に成功できることを実感できます。
介護業界の開業費用や運営費用は決して安くないので、一度開業するとなかなか辞めれないでしょう。
介護事業者の中には5年以内に廃業するところも多く、他の加盟店がどれくらい事業を継続できているかも注目しましょう。
サポートの充実度を確認する
次に、本部が提供するサポートの充実度を確認することが重要です。
フランチャイズ加盟者は事業を始める際に様々な支援が必要ですので、本部がどれだけサポートしてくれるかがビジネスの成功に直結します。
初めて開業を行う方にとって、開業準備も大変です。手続きが多く、何から始めたらいいのかもわからないので、サポート体制がしっかりしている本部を選ぶことが重要です。
本部が提供するサポートが充実していれば、加盟者は様々な課題に対処する際に安心感を得ることができます。
収益化ができるか確認する
最後に、加盟店が収益を上げられるかどうかを確認しましょう。事業が収益化できなければ、長期的な成功は難しいです。
したがって、本部が提供するフランチャイズが市場でどのくらい収益を上げられるかを確認することが必要です。
そして、開業費用をそれくらいの期間で回収可能かを計算しないといけません。事業を行う上で、融資で借り入れた資金を返済し続けることはプレッシャーになります。
補助金や助成金は返済義務がないものも多いですが、金融機関から借りているものは返済義務があるので、早めに返済しておきましょう。
人気の介護フランチャイズ5選
ここでは、人気の介護フランチャイズを紹介していきます。
介護フランチャイズの名前 | 開業資金目安 | 特徴 |
フレアス在宅マッサージ | 200万円~ | ・在宅マッサージで唯一の上場企業 ・20年以上の実績 |
はぐくみ弁当plus | 1,500万円~ | ・収益構造が3つあり安定した経営 ・障害者雇用に力を入れている |
ペット共生型障がい者グループホームわおん | 1,000万円~ | ・1,500拠点の事業所数を誇る万全なサポート体制 ・安定的な収益構造 |
ジョブタス フランチャイズ | 600万円 | ・最短4ヵ月で開業できる ・未経験からでも高収入が望める |
OWL障がい者グループホーム | 860万円~ | ・異業種参入率95%で未経験でも可能 ・毎月5社限定なのでサポートが手厚い |
まとめ
本記事では、介護フランチャイズについて詳しく解説しました。
高齢化社会の影響で高齢者の割合は約3割となっており、介護事業の市場と需要は着実に伸びています。
介護施設の平均収入は、一般の収入に比べても高い水準となっています。
介護フランチャイズで失敗しないためのコツ
・人材不足を防ぐため人材確保に力を入れる
・利用者のニーズに合わせたサービスを行う
・長期的目線で経営を行う
介護フランチャイズで本部の選び方
・加盟店の実績を確認する
・サポートの充実度を確認する
・収益化ができるか確認する
詳細は本文で解説しているので、介護フランチャイズについて知りたい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。