フランチャイズ加盟金とは?勘定科目や相場・加盟金一覧を解説
フランチャイズ
フランチャイズの便利屋の開業準備や資金・失敗しないコツを解説
便利屋ビジネスは、社会的背景によってニーズが拡大しており、これからも成長していくと見込まれています。開業費用も他のビジネスに比べると安いので、今後便利屋として開業していく人も増えるでしょう。
そこで、この記事では、フランチャイズの便利屋の開業準備や資金、失敗しないためのコツについて解説します。
この記事の目次
便利屋業界の特徴
便利屋業界には様々な特徴があります。特に重要な3つの特徴について解説していきます。
高齢化社会でニーズが増えている
高齢化社会により、日常生活でのさまざまな困りごとや手助けが必要とされるケースが増加しています。
例えば、高齢者の方々が家事や買い物、清掃などの日常生活の支援を必要とすることがあります。このような場合、便利屋のニーズが増えていくのです。
共働き世帯の増加でニーズが増えている
女性の社会進出などにより、共働き世帯が増えています。
このような共働き世帯では、仕事や子育て、家事などで忙しく、時間の余裕が少ないことが特徴です。
そのため、家事や日常生活の手助けをする便利屋業者の需要が増加しています。
訪日外国人からの需要が多い
日本の観光業が急成長する中、訪日外国人からのニーズも便利屋業界に影響を与えています。
訪日外国人の中には、長期滞在する人も増えています。しかし、長期間滞在すると生活習慣や文化が異なる外国人は戸惑うことも多いです。
そこで、便利屋へ依頼があり、様々なお手伝いを行います。
便利屋をフランチャイズで開業するメリット
便利屋をフランチャイズで開業するという選択肢には様々なメリットがあります。ここでは、3つに分けて紹介していきます。
本部のブランドを利用できる
顧客はサービスを利用する際、安心感や信頼感のあるブランドを利用する傾向にあります。
フランチャイズであれば、本部が築いたブランドの力を借りることができるので、初めての顧客にも利用してもらえやすいです。
結果的に集客力が上がり、開業当初から集客に苦しむことが少なくなります。
開業費用が低い
便利屋のフランチャイズでの開業は、比較的低資金で始めることができます。
店舗を持つビジネスではなく、自宅でも開業ができます。移動や荷物を運ぶための車両は必要になりますが、物件を借りて内装工事して開業するスタイルよりはコストの削減が可能です。
開業と同時にスキルやノウハウを学べる
フランチャイズ加盟することで、本部からの研修やトレーニングを受けることができます。
そのため、初心者でも安心してビジネスを始めることができ、開業後も本部からのサポートを受けながら、スキルやノウハウを習得していくことができます。
業務内容が幅広いので全てを習得するには時間がかかりますが、徐々に仕事の幅を広げていくことができるでしょう。
便利屋をフランチャイズで開業するデメリット
便利屋をフランチャイズで開業することには、以下のようなデメリットも考えられます。
競合が多い
便利屋は近年、需要が高まっているので、競合も多くなっています。
競合は便利屋同士はもちろん、専門業者も含まれます。例えば、引っ越し業者やハウスクリーニング、家政婦などです。
便利屋はサービスの幅が広い反面、1つ1つの質の部分でいうと専門業者のほうが上回っていることも多いのが現状です。
そのため、他社や専門業者との差別化を図っていかないと、生き残っていくのが難しい世界でもあります。
ロイヤリティの支払いで収益が減る
フランチャイズ加盟すると、本部に対してロイヤリティなどの支払いが必要になります。
これは、フランチャイズを利用する権利やサポートを受ける代わりに支払うものです。つまり、売上の一部を本部に支払うことになるため、収益が減少するのです。
もちろん、フランチャイズに加盟することでのメリットは大きいので、ロイヤリティはデメリットだけではありませんが、ロイヤリティを考えたうえでの収益計算をしておきましょう。
自分で取引先を選べないことがある
フランチャイズ加盟すると、本部が定めた取引先や仕入れ先を優先して利用しなければならない場合があります。
例えば、自分の知り合いや知人からの紹介を受けた場合でも、フランチャイズ本部から依頼された顧客を優先的に対応しないといけないなどです。
つまり、自分で取引先を選ぶことが制限されることがあるのです。もちろん仕事があることには変わりないですが、自分に裁量権が少ない経営になってしまう可能性があります。
フランチャイズ便利屋は儲かる?平均年収は?
フランチャイズで便利屋を開業する場合、平均的に年収400~500万円ほどと言われています。この数字が多いか少ないかは人によって様々ですが、国民の平均年収くらいは稼げるということです。
自分のスキルを伸ばし、リピーターの数を増やすことでより安定的に平均以上の金額を稼ぎやすくなります。
また、自分がずっと労働しておくのではなく、従業員を雇うことで事業を拡大して収入を上げている方も多いです。
便利屋として収入を上げるための方法を以下でいくつか紹介していきます。
- 自分の得意ジャンルに強いフランチャイズ本部を選ぶ
- 月の固定費を減らす
- 加盟金やロイヤリティが少ないフランチャイズ本部を選ぶ
- 自分のスキルを上げ仕事の幅を広げる
- 資格を取得する
- リピーターを増やす
などです。
フランチャイズ便利屋の開業に必要な資金
フランチャイズの便利屋を開業するためには、開業資金と運営資金が必要です。ここでは、それぞれの資金についてみていきます。
フランチャイズの便利屋の開業資金
開業資金は諸条件によって異なりますが、100万円以内で収まるケースもあります。
以下では、例として便利屋の開業資金でかかる項目や金額を説明していきます。
項目 | 金額 |
加盟金 | 0~300万円 |
保証金 | 0~50万円 |
車両費 | 50~200万円 |
資材・道具費 | 10~60万円 |
研修費 | 7~60万円 |
加盟金はブランドや商標権利用、サポート提供に対して支払う初期費用です。便利屋では加盟金が無料のフランチャイズもいくつかありますが、高いところは数百万円必要です。
保証金も初期費用の1つで、毎月支払うロイヤリティが支払えなかった時のための費用です。そのため、契約解除時に返ってきます。
車両費は顧客の所までの移動や荷物運搬に使う車の費用です。軽トラックを使う人が多く、中古車を購入すると安く済みます。
パック料金の中に車両代も込々の本部もあるので、確認しておきましょう。また、バイク1台で始めることができることもあります。
研修費は開業前に行う研修にかかる費用です。習得するスキルによってコースが分かれている本部もあります。日数は数日で終わるものも多く、色んなスキルを学ぶ場合は数週間かかるでしょう。
フランチャイズの便利屋の運営資金
運営資金もロイヤリティや規模などによって異なります。
以下で、便利屋の運営資金でかかる項目や金額を説明していきます。
項目 | 金額 |
車両関連費 | 5~15万円 |
材料費 | 5~20万円 |
広告費 | 0~5万円 |
ロイヤリティ | 5~20万円 |
車両関連費は移動のためのガソリン代や駐車場代金などです。他にも車検や保険代金も計算しておく必要があります。
材料費は、日々の業務で必要な材料を購入する費用です。受ける仕事内容によって異なりますが、売上の25%以内には抑えたいところです。
広告費は集客するための費用で、安定的に収益を得るために必要です。特に初期のころは売上に対して広告費の比率が上がりやすいですが、徐々に減らしていくことができます。
また、フランチャイズが有名な場合、そこまでお金をかけないでも一定の依頼はくるでしょう。
ロイヤリティ費は、利益の10~30%前後の本部や固定費として5万~20万円ほど回収している本部が多い印象です。中には一定以上の売上がない加盟者からはロイヤリティを回収しない本部もあります。
便利屋の開業に必要な資格や許可
便利屋の開業にあたって必須の資格はありません。
しかし、提供するサービスによっては資格の取得が必要なので、以下でいくつかの資格について簡潔に解説します。
【古物商許可】
中古品やリサイクル商品などを扱う業者が取得しないといけない。ゴミや不用品の廃棄は不可。
【一般廃棄物収集運搬業許可】
家庭や事業所から出る一般廃棄物などを収集・運搬できる。
【産業廃棄物収集運搬業者許可】
飲食店などの事業所から出る産業廃棄物の収集・運搬ができる。
【貨物軽自動車運送事業】
軽トラックなどを利用して、有償で荷物を運送できる。運輸支局に経営届出書の提出が必要。
【一般貨物自動車運送事業】
自分のトラックで有償で荷物を運送できる。許可を取得するハードルは高い。
【電気工事士】
一般住宅のコンセントや壁のスイッチなどの修理、電気の配線工事などを行うことができる。
【給水装置工事主任技術者・排水設備工事責任技術者】
給水装置の設置から撤去や変更などを行うことができる。
フランチャイズ便利屋を開業する準備
フランチャイズ便利屋を開業するためには、以下の手順を踏む必要があります。
資料請求や説明会への参加
まずは、興味を持ったフランチャイズ企業に対して資料請求を行います。
その後、フランチャイズ企業が定期的に開催している説明会に参加しましょう。ここで、フランチャイズについて詳しく知ることができます。
フランチャイズ担当者との面談
興味を持ったフランチャイズ企業の方と面談を行います。
この面談では、フランチャイズ担当者と直接話をして、自分の疑問や不安を解消することができます。
これにより、自分が本当にそのフランチャイズに適しているかどうかを確認することができます。
研修の見学
フランチャイズ企業が提供する研修の内容や雰囲気を見学しましょう。
研修は開業後の成功に大きく影響するため、その質や内容をしっかりと把握することが重要です。また、加盟者の先輩の話を聞ける機会でもあります。
契約審査申し込み
フランチャイズ契約を申し込むために、本部に契約審査の申し込みを行います。
この審査では、自分の経歴や資金状況などがチェックされます。審査に合格することで、正式な加盟が可能になります。
加盟金の支払い
契約を結ぶと、一定の加盟金を支払う必要があります。加盟金は、フランチャイズ企業によって異なります。
この加盟金は、フランチャイズ企業のブランドやサポートを利用する権利を得るための費用です。
開業準備
車両や資材・道具などを準備します。集客するためのHP作成やSNSのアカウント作成・運用は早めに始めておきましょう。
研修
加盟後は、フランチャイズ企業が提供する研修に参加します。この研修では、ビジネスの運営方法やサービスの提供方法などを学びます。
しっかりと研修を受けることで、開業後のスムーズな経営が期待できます。
フランチャイズ便利屋の開業で失敗しないためのコツ
フランチャイズ便利屋の開業は、成功するためには様々なポイントがあります。以下に、失敗しないためのコツを紹介します。
正しい知識・スキルを身につける
まずは、便利屋業界についての正しい知識や必要なスキルを身につけることが重要です。
仕事内容によってもサービス提供に必要なスキルやノウハウが異なり、トラブルを防ぐためにも、しっかりと研修を受けましょう。
また、ビジネス運営に必要な知識やスキルも身につけることが必要です。会社員とは違い自分で決断をすることも増えていきます。
ニーズのあるサービスを提供する
便利屋業界では、顧客のニーズに合ったサービスを提供することが重要です。地域の特性や顧客層を分析し、需要が高いサービスを把握しましょう。
例えば、高齢者が多い地域の場合、体力が必要な仕事や買い物や病院への送迎などが多いでしょう。
その需要が高いサービスに合ったターゲットを集客していくことが大切です。
依頼者からの信頼を構築する
信頼はビジネスにおいて非常に重要な要素です。
便利屋としての信頼を築くためには、丁寧な対応や高品質なサービス提供が必要です。依頼者とのコミュニケーションを大切にし、彼らの要望に応える姿勢を示しましょう。
信頼を築くことができれば、リピーター客を増やし、口コミで新規顧客を獲得することができます。
サービスの範囲から料金まで事前に説明する
依頼者がサービス内容や料金を明確に理解していることも大切です。
顧客にサービスを提供する前に、サービスの範囲や料金、利用条件などを事前に説明しましょう。
これにより、トラブルや不満を未然に防ぐことができます。口頭だけだと信ぴょう性が少ないので、契約書などを交わす方が賢明です。
様々な集客方法を試す
顧客獲得のためには、様々な集客方法を試してみることも重要です。
例えば、チラシやポスター配布、ネット広告、SNS活用など、効果的な集客手法を探求しましょう。
また、口コミや紹介制度、キャンペーンの実施なども有効です。ターゲット層をある程度絞り込み、ターゲットに合った集客を行いましょう。
失敗しないフランチャイズ本部の選び方
フランチャイズ本部を選ぶ際には、以下のポイントに注意することが重要です。
知名度やブランド力のある本部を選ぶ
成功するためには、知名度やブランド力のあるフランチャイズ本部を選ぶことが大切です。
有名なフランチャイズは、顧客の信頼を得やすく、集客力も高いからです。
契約内容やサポート制度に納得のいく本部を選ぶ
契約内容やサポート制度も重要なポイントです。
フランチャイズ契約の条件や取り決め、サポート内容などが自分に合っているかをしっかりと確認しましょう。
本部と加盟者はあくまで対等な関係なので、本部が優位になるような契約の場合はリスクが高いのでしっかり考える必要があります。
初期費用や運営費用を抑えることができる本部を選ぶ
フランチャイズ開業には、初期費用や運営費用がかかります。
収益を上げるためには、これらの費用を抑えることができる本部を選ぶことが重要です。
高額な加盟金やロイヤリティ、広告費などがかかりすぎると、収益を上げるのが難しくなります。経営が安定していくためには、コスト面もしっかりと考慮しましょう。
他社と差別化できており収益化が見込める本部を選ぶ
競争が激しい便利屋業界においては、他社と差別化できる本部を選ぶことが重要です。
顧客が他社と比較して本部を選ぶ際には、どのような特長や付加価値があるのかが重要なポイントとなります。
また、収益化が見込めるビジネスモデルを持つ本部を選ぶことも大切です。しっかりと利益を確保できる仕組みがあれば、長期的な経営が見込めます。
自分の価値観や理念と合った本部を選ぶ
最後に、自分の価値観や理念に合ったフランチャイズ本部を選ぶことも大切です。
ビジネスを成功させるためには、自分が本部の方針やビジョンに共感し、情熱を持って取り組むことが必要です。
自分と本部の理念が合致していれば、より継続的な成功が見込めます。
まとめ
本記事では、フランチャイズの便利屋開業について詳しく解説しました。
フランチャイズの便利屋を開業するメリットは、知名度があり集客しやすいことや開業費用が安いこと、未経験でも始めやすいことが挙げられます。
近年、高齢化社会や共働き世帯の増加で、ますます需要が拡大していくことが見込まれているので、チャンスが広がっていくでしょう。
フランチャイズ便利屋の開業で失敗しないためのコツ
・正しい知識・スキルを身につける
・ニーズのあるサービスを提供する
・依頼者からの信頼を構築する
・サービスの範囲から料金まで事前に説明する
・様々な集客方法を試す
失敗しないフランチャイズ本部の選び方
・知名度やブランド力のある本部を選ぶ
・契約内容やサポート制度に納得のいく本部を選ぶ
・初期費用や運営費用を抑えることができる本部を選ぶ
・他社と差別化できており収益化が見込める本部を選ぶ
・自分の価値観や理念と合った本部を選ぶ
詳細は本文で解説しているので、フランチャイズで便利屋を開業したい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。