フランチャイズは儲かるのか?業種別年収相場やおすすめの業種を解説
フランチャイズ
カレー屋のフランチャイズの年収は?開業資金や失敗しないコツを解説
国民的な料理であるカレーは人気があるので、カレー屋をフランチャイズで開業したい方も多いでしょう。そして、マニュアル化されており、難しい調理が不要なので、未経験からでも取り組みやすいです。
この記事では、カレー屋をフランチャイズで開業した場合の年収や失敗しない方法などについて解説します。
この記事の目次
カレー屋の市場環境は好調
カレーは日本の国民食として愛されていることもあり、安定した市場環境となっています。
直近10年程のデータでは、2014年をピークに店舗数自体は減少傾向にありますが、売上高は安定しています。
実際、2022年のカレー屋全体の売上高はコロナ禍以前よりも増えているので、どのような環境下でもカレーの需要は高いのでしょう。
また、中小企業支援サイトJ-Netが2021年に20~60代の男女にアンケートを取ったデータによると、全く利用したくないと回答した人が1割程度でした。
つまり、後の9割程度の方々はカレー屋を今後利用する可能性がある層と解釈することができ、高い水準を記録したと言えるでしょう。
(カレーショップ(2021年版) J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト])
カレー屋フランチャイズのメリット
カレー屋を経営する際、独立店舗とフランチャイズ店舗のどちらが良いのかを考えることは重要です。今回は、カレー屋フランチャイズのメリットについて詳しく見ていきましょう。
オペレーションが確立されている
フランチャイズを展開するカレー屋は、オペレーションが確立されています。
つまり、どのように店舗を運営すれば良いかが明確になっており、カレー屋未経験の方でも自分で店舗の運営方法を考える必要がありません。
また、メニューも決まっているので自分で考える必要がなく、マニュアル通りに料理を提供することができるのも大きなメリットです。
ブランド力があり集客や出店がしやすい
フランチャイズは、既に知名度の高いブランドで展開されることが一般的です。
そのため、カレー屋のフランチャイズを展開すれば、ブランド力を利用して集客を行うことが比較的容易です。
顧客は既存のブランドに親しみを感じ、安心して店舗を利用する傾向があります。
また、ショッピングモールなどに出店する場合も無名の個人店よりも名の知れたブランド店のほうが出店しやすいです。
人気が高く安定した需要を見込める
フランチャイズ展開されるカレー屋は、一般的に人気のあるメニューやサービスを提供しています。そのため、需要が高く安定していると考えられます。
また、カレーは店舗によって味は異なるが、昔から親しみがある食べ物なので、定期的に食べたくなる人が多く人気を維持し続けやすいです。
カレー屋フランチャイズのデメリット
カレー屋をフランチャイズ展開することには、多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。ここでは、カレー屋フランチャイズのデメリットについて見ていきましょう。
開業資金が高い
フランチャイズを展開するためには、一定の開業資金が必要です。これには、加盟金や物件取得費、内装や設備の準備費用などが含まれます。
ただし、飲食店は基本的に初期費用が高くなりやすいので、カレー屋が特別高いわけではありません。
むしろ、特別な機械などが不要なので、パン屋やラーメン屋などに比べると安くなるケースも多いです。
自分の好きな経営方針をとれない
フランチャイズ展開されるカレー屋は、フランチャイズ本部が決めた運営ルールや経営方針に従わなければなりません。
つまり、独立店舗を経営するように自分の好きなやり方やアイデアを活かすことが難しくなります。
これはデメリットでもありますが、右も左もわからない未経験者にとっては全て決まっているほうがやりやすい場合もあるでしょう。
カレー屋フランチャイズは儲かる?平均年収は?
カレー屋をフランチャイズで開業する人の平均年収は、500万円前後といわれています。
では、他の業種に比べて儲かりやすいのか?ということが気になるでしょう。
カレー屋は回転率が高い飲食店であり、回転率を高くできればできるほど、収入を上げることが可能です。カレー屋は既に仕込んでいるカレーを注文後に盛り付けて準備するので、提供時間が短くなります。
一方、例えばラーメン屋の場合、注文を受けてから麺を茹でて盛り付けを行うので、10分前後時間がかかるでしょう。
つまり、同じ単価で同じ席数の場合、カレー屋のほうが儲かりやすくなります。
また、カレー屋はテイクアウトとも相性がいいので、様々な層の顧客を獲得しやすい点でも儲かりやすいと言えます。
カレー屋フランチャイズの開業資金や運営資金
カレー屋をフランチャイズで開業する場合、開業資金や運営資金はいくらかかるのでしょうか。以下で詳しく見ていきます。
カレー屋フランチャイズの開業資金
カレー屋は規模や立地によって開業資金は大きく変わり、400~4,000万円ほどで開業できます。
ただし、数千万かかるのは規模が大きい店が多く、小さ目の規模だと数百万円で開業できるところも多いです。
以下では、例としてカレー屋の開業資金でかかる項目や金額を説明していきます。
項目 | 金額 |
加盟金 | 100万円 |
保証金 | 50万円 |
研修費 | 10万円 |
物件取得・内装工事費 | 400万円 |
設備導入費 | 200万円 |
雑費・広告費 | 50万円 |
加盟金はブランドや商標権利用、サポート提供に対して支払う初期費用です。
フランチャイズによって金額が異なります。中には加盟金が0円のフランチャイズもあります。
保証金も初期費用の1つで、毎月支払うロイヤリティが支払えなかった時のための費用です。そのため、契約解除時に返ってきます。
研修費は開業前に行う研修にかかる費用です。研修費は加盟金の中に含まれているフランチャイズもあり、しっかり確認しておきましょう。
物件取得費や内装工事費は、店舗を契約して工事を行い、営業できる状態に持っていくまでの費用です。カレー屋は小さい規模でも運営できるので、小さい店舗を選ぶと費用を抑えることができます。
設備導入費は、調理するための道具や机・椅子などです。
広告費は、本部が行う広告宣伝活動の費用を一部負担するようなところもあり、実際に店舗側で宣伝をしなくてもいいフランチャイズもあります。
カレー屋フランチャイズの運営資金
運営資金もロイヤリティや規模・立地などによって異なりますが、数百万円規模となっています。
以下では、例として月の売上200万円のカレー屋の運営資金でかかる項目や金額を説明していきます。
項目 | 金額 |
人件費 | 60万円 |
賃料 | 20万円 |
仕入れ費 | 60万円 |
水道光熱費 | 6万円 |
雑費・広告費 | 8万円 |
ロイヤリティ費(3%) | 6万円 |
人件費の売上からの割合を見ると、30%ほどです。接客やキッチンスタッフなど営業するために欠かせない費用となっています。人件費を抑えるためには、正社員を増やすよりもアルバイトなどを増やすといいです。
賃料の売上からの割合を見ると、10%ほどです。10%を上回ってしまうと利益が少なくなるので注意しましょう。
仕入れ費の売上からの割合を見ると、30%ほどです。仕入れ先は本部で決められている場合もありますが、廃棄量を抑えるために仕入れ量は適切に抑えましょう。
水道光熱費の売上からの割合を見ると、3%前後です。
雑費・広告費の売上からの割合を見ると、4%ほどです。雑費は営業で必要な備品類を補充したりする費用になります。広告費はお店の宣伝費用となり、店舗単体ではほとんどかからない場合もあります。
フランチャイズでカレー屋を開業する準備
カレー屋をフランチャイズ展開するためには、様々な準備が必要です。ここでは、その準備について詳しく見ていきましょう。
資料請求や説明会への参加
まず最初に、興味のあるフランチャイズ企業に対して資料請求を行い、説明会に参加します。
ここで、フランチャイズに関する詳細な情報や展開計画などを聞き、自分のビジョンと比較します。説明会後にある質問会では、不明点を聞いておくことが重要です、
フランチャイズ担当者との面談
興味を持ったフランチャイズ企業との面談を行います。
ここでは、フランチャイズ担当者と直接会って、疑問や不明点を解消したり、自身のビジネス計画について相談したりします。
フランチャイズ契約は様々な条件があるので、自分に合っているかを確かめるための重要なステップです。
契約審査申し込みと加盟金の支払い
フランチャイズ契約を申し込み、契約審査を受けます。審査に合格すると、加盟金を支払い、正式な契約を結びます。
加盟金は契約後すぐに支払いを求められることもあるので、あらかじめまとまった金額準備しておくことが必要です。
店舗選び
次に、フランチャイズ展開するカレー屋の店舗を選びます。場所や周辺環境、人通りの多さなど、店舗の立地条件を慎重に考慮することが重要です。
店舗選びは本部のサポートの元できるので、不明なところやアドバイスは積極的に聞き入れましょう。
内装工事や設備・備品の導入
店舗を決定したら、内装工事や必要な設備・備品の導入を行います。
カウンターやキッチンの配置、調理器具やテーブル・椅子などの備品の設置を行い、店舗の準備を整えます。
自分で設備を整えられる場合、リースや中古を購入することで費用を抑えることができます。
採用や研修
最後に、スタッフの採用や研修を行います。カレー屋と言ってもマニュアル化されたメニューになるので、腕利きの良い料理人を雇う必要はありません。
料理経験者の方が良いですが、その分人件費がかかる場合もあるので、予算を考えながら検討しましょう。
また、研修を本部が行ってくれるので、未経験でも安心です。
カレー屋フランチャイズの開業に必要は資格や許可
カレー屋を開業するためには、様々な資格や許可を得る必要があります。以下でそれらの用語の解説をします。
食料品衛生責任者
飲食店に1人以上は在籍していないといけない国家資格です。オーナーが自分で取得するか、従業員に取ってもらうか、資格保有者を雇うことが必要です。
各都道府県で行われている講習を受講終了して、保健所に申請することで資格を取得できます。
栄養士、調理師、製菓衛生師などの資格を保有している方は、保健所に申請するだけで大丈夫です。
飲食店営業許可
飲食店を営業するためには、飲食店営業許可を保健所に申請する必要があります。
申請の前に食品衛生責任者を取得しておかないといけませんので、早めに準備しておきましょう。
申請後、間取りや立ち入り検査等での審査が通れば、無事許可証が交付されます。
防火管理者
収容人数が30人以上の規模の飲食店を開業するときにのみ、防火管理者を設置しないといけません。従業員を含めた人数です。
施設の延べ面積が300㎡以上の場合、甲種防火管理者(2日間で約10時間で8,000円の講習)の資格が必要です。
逆に、施設の延べ面積が300㎡未満の場合、乙種防火管理者(1日約5時間で7,000円の講習)の資格が必要です。
カレー屋フランチャイズを失敗しないコツ
カレー屋をフランチャイズ展開する際には、成功するためのコツがあります。ここでは、カレー屋フランチャイズを失敗しないためのポイントを紹介します。
回転率を意識した営業を行う
回転率とは、店舗内での顧客の入れ替わりの速さを指します。
カレー屋は調理スピードを短くできるので、スピーディーな接客や調理を心がけることで、より多くの顧客を受け入れることができ売り上げを向上できます。
その際、回転率を意識するあまり雑なお客様対応をしてしまわないように、満足度の高いサービスを提供することが重要です。
テイクアウトやデリバリーに力を入れる
近年、テイクアウトやデリバリーサービスの需要が高まっています。
カレー屋では、店内で飲食する人だけでなく、テイクアウトやデリバリーを依頼する方も多いです。
そのため、効率的なデリバリーサービスやテイクアウトメニューの充実を図ることが重要です。
顧客単価を上げる工夫を行う
顧客単価を上げることも、売上向上の重要なポイントです。カレー屋は回転率が高い分、追加注文も少なく顧客単価も高くはありません。
そのため、単価を上げるための工夫が必要です。例えば、セットメニューやドリンクのセット、デザートの提供などを通じて、顧客が追加で注文する機会を増やしましょう。
失敗しないカレー屋フランチャイズ本部の選び方
カレー屋をフランチャイズ展開する際には、適切な本部を選ぶことが成功の鍵となります。ここでは、失敗しないカレー屋フランチャイズ本部の選び方について紹介します。
オペレーションの簡単な本部を選ぶ
カレー屋のフランチャイズ本部を選ぶ際には、オペレーションが簡単でわかりやすい本部を選ぶことが重要です。
初心者でも理解しやすいマニュアルのある本部を選ぶことで、経営の安定性が高まります。
将来的に自分が店舗に入らずに他のスタッフに任せる時に、誰でもできる仕組みが整っているかを確認しましょう。
初期費用や運営費用で本部を選ぶ
フランチャイズ展開には、初期費用や運営費用がかかります。カレー屋のフランチャイズ本部を選ぶ際には、自身の資金状況や予算に合わせて、費用の面で負担が少ない本部を選ぶことが重要です。
初期費用や運営費用が大きいと精神的な不安が大きくなるので、いろいろな企業を比較検討しましょう。
知名度やブランド力のある本部を選ぶ
顧客にとって、知名度やブランド力は信頼性や安心感をもたらします。
カレー屋のフランチャイズ本部を選ぶ際には、知名度やブランド力のある本部を選ぶことで、集客や売上の向上につなげることができます。
契約内容やサポート制度に納得のいく本部を選ぶ
フランチャイズ契約内容やサポート制度も重要な要素です。
契約内容が公平で、適切なサポートが提供される本部を選ぶことで、トラブルや問題が発生した際にも安心して経営を行うことができます。
本部側のほうが立場が上に感じるような契約内容であれば、リスクが高いので注意しましょう。
他社との差別化や強みを持っている本部を選ぶ
競争が激しいカレー屋業界においては、他社との差別化や強みを持つ本部を選ぶことが成功のカギとなります。
独自のメニューやサービス、地域に根ざした展開など、他社との差別化が図れる本部を選ぶことで、競争力を高めることができます。
まとめ
本記事では、カレー屋フランチャイズについて詳しく解説しました。
カレー屋のフランチャイズは、マニュアル化された調理法があり、オペレーションも簡単なので、開業しやすいフランチャイズです。
また、人気の料理なので、今後も安定した売上が見込めるでしょう。
カレー屋フランチャイズを失敗しないコツ
・回転率を意識した営業を行う
・テイクアウトやデリバリーに力を入れる
・顧客単価を上げる工夫を行う
失敗しないカレー屋フランチャイズ本部の選び方
・オペレーションの簡単な本部を選ぶ
・初期費用や運営費用で本部を選ぶ
・知名度やブランド力のある本部を選ぶ
・契約内容やサポート制度に納得のいく本部を選ぶ
・他社との差別化や強みを持っている本部を選ぶ
詳細は本文で解説しているので、カレー屋のフランチャイズについて知りたい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。