フランチャイズの実例10選!有名企業含め業種別に徹底紹介
フランチャイズ
フランチャイズのパン屋の開業準備や資金・失敗しないコツを解説
パンは昔から人気で現在も需要が衰えることはありません。このような状況下で、パン屋の開業を考えている人は少なくありません。
しかし、初期費用が高く、個人で開業するのは不安が大きいという人は多いので、フランチャイズの開業も人気です。
そこで、この記事では、フランチャイズのパン屋の開業準備方法や資金、失敗しないためのコツについて解説します。
この記事の目次
パン屋業界の市場傾向と特徴
現在のパン屋業界は、どのような状況にあるのでしょうか。市場傾向や特徴について以下でお伝えしていきます。
市場規模が拡大している
パン屋業界は近年、着実に成長を続けています。
その背景には、人々のライフスタイルの変化が挙げられます。忙しい現代社会では、手軽で栄養価の高い食事が求められており、パンはその需要に応える選択肢として注目されています。
また、パンは多様な種類があり、様々な味や食感を楽しむことができるため、消費者の幅広いニーズに対応できる点も魅力です。
健康志向の波に乗れている
近年、健康志向が高まる中で、パン屋業界もその影響を受け、様々な商品を開発しています。
特に、低カロリーや高タンパク質など、健康に配慮したパンの需要が増加しています。例えば、ライ麦パンや発芽玄米などを使用した「ノンホワイトブレッド」などのパンが人気です。
そして、この高齢化社会で健康に気を遣う方も増えている状況を考えると、ますます健康ブームがやってくるでしょう。
原材料が高騰している
一方で、パン屋業界は原材料の高騰に直面しています。
特に、小麦やバターなどの主要な原料の価格が上昇しており、コストの増加につながります。結果的に、利益が下がるので、値上げをしていく必要があるのです。
このような状況下で、パン屋は効果的なコスト管理策を考える必要があり、そのための対策を一緒に考えてくれるようなフランチャイズを探すことが重要です。
パン屋をフランチャイズで開業するメリット
パン屋をフランチャイズで加盟する際には、いくつかメリットがあります。それらを順番に解説していきます。
サポートやノウハウ提供でスキルを上げることができる
フランチャイズを選ぶメリットの1つは、本部からのサポートやノウハウ提供が受けられることです。
つまり、初心者であっても、スキルを学びながらパン屋を運営することができます。
フランチャイズによってパンを作る工程は異なりますが、仮に一から作るとなっても研修制度を利用すれば、作れるようになるでしょう。
そして、同時に経営者としてのノウハウも学ぶことができるのも魅力です。
仕入れ先を確保できる
パン屋を独立して開業する場合、まずは原料や材料の仕入れ先の確保が必要です。
しかし、フランチャイズを選ぶと、本部が既に信頼できる仕入れ先を確保しています。これにより、初めての経営でも安心してスムーズに材料を調達することができます。
また、原材料が高騰していることの影響は大きいですが、フランチャイズの場合、一括大量仕入れを行うことで、仕入れ値を下げる効果もあるのです。
知名度を利用して集客できる
有名なパン屋のフランチャイズを開業すると、そのブランドの知名度を利用して集客することができます。
つまり、消費者はすでにそのブランドを知っており、信頼度が高く、一定のファンがいる状態で開業ができるのです。
したがって、新規開業の際に広告や宣伝に多額の費用をかける必要がなく、比較的簡単に集客することができます。
パン屋をフランチャイズで開業するデメリット
フランチャイズでのパン屋開業には多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。ここでは、フランチャイズでの開業に関連するデメリットについて詳しく見ていきましょう。
メニューや営業時間などの自由度が低い
フランチャイズ加盟店は、本部のブランドやビジネスモデルに従う必要があります。
つまり、メニューや営業時間などの自由度が低いというのがデメリットの1つです。
例えば、競合店が営業時間を朝早くに変更したとしても、加盟店は時間の変更をできません。そのため、朝にパンを買いたい顧客層を競合店にもっていかれるということに繋がります。
ロイヤリティが収益を圧迫させる
フランチャイズ契約では、本部に対してロイヤリティなどを支払う義務があります。
このロイヤリティは、売上高の一部や固定額で支払われることが一般的です。しかし、このロイヤリティは売上から一定の割合を支払うことになるため、収益を圧迫させる要因となります。
ただし、ロイヤリティはブランドの使用権やサポートに対しての支払いなので、しっかり払いましょう。
本部や加盟店の影響を受けやすい
フランチャイズ店は、本部や他の加盟店の影響を受けやすいのがデメリットの1つです。
つまり、本部からの方針変更や他の加盟店の経営状況が、自店舗の経営に直接影響を与える可能性があります。
例えば、本部が全店舗に対して新しい販売戦略を導入する場合、フランチャイズ店もそれに従う必要があります。
また、他の加盟店が不祥事や問題を起こした場合、ブランドイメージが損なわれ自店にも影響が出るでしょう。
フランチャイズパン屋は儲かる?平均年収は?
パン屋をフランチャイズで開業した方の平均年収は、450~500万円ほどと言われています。
顧客単価を上げることができ、上手く店舗運営をできると500万円以上も稼ぐことができます。また、フランチャイズは多店舗展開しやすいので、多店舗展開できると1,000万円以上も見えてくるでしょう。
一方、フランチャイズであっても、年収が200、300万円以下しかないようなこともあり得ます。
パン屋の開業で収入を上げるためには、以下のようなことが大事です。
- 店の看板商品のある本部を選ぶ
- 売上の上げにくい夏場に売上を上げる工夫をする
- ターゲットを考えた立地や販売方法を行う
- 本部に頼らず自ら集客のためのキャンペーンなどを行う
- 本部のノウハウを守り徹底する
フランチャイズパン屋の開業に必要な資金
フランチャイズのパン屋を開業するためには、開業資金と運営資金が必要です。ここでは、それぞれの資金についてみていきます。
フランチャイズのパン屋の開業資金
開業資金は規模や立地などによって異なりますが、1,000万円以上かかる場合も多いです。
以下では、例としてあるパン屋の開業資金でかかる項目や金額を説明していきます。
項目 | 金額 |
加盟金 | 300万円 |
保証金 | 50万円 |
デザイン料 | 50万円 |
研修費 | 50万円 |
店舗関連費 | 700万円 |
加盟金はブランドや商標権利用、サポート提供に対して支払う初期費用です。
保証金も初期費用の1つで、毎月支払うロイヤリティが支払えなかった時のための費用です。そのため、契約解除時に返ってきます。
デザイン費は店舗の間取りや構造などを考え、設計するための費用です。費用は坪数や坪単価、施工費によって算出されます。
研修費は開業前に行う研修にかかる費用です。数日から数週間程度の研修となるでしょう。
店舗関連費は、物件取得費や内装工事費、厨房設備の導入費などです。
フランチャイズのパン屋の運営資金
運営資金もロイヤリティや規模などによって異なります。
以下で、売上が300万円のあるパン屋の運営資金でかかる項目や金額を説明していきます。
項目 | 金額 |
人件費 | 90万円 |
賃料(光熱費等込み) | 30万円 |
消耗品・広告費など | 10万円 |
原材料費 | 120万円 |
ロイヤリティ費 | 15万円 |
人件費は、約30%が売上からの目安となっています。オーナーもメインで店頭に立つ場合は、実質オーナー人件費も含まれるので、収入は増えるでしょう。
賃料は売上の10%以内に抑えることが大事です。
消耗品費は、営業で必要なものがなくなった場合に購入するための費用です。他にも交通費や水道光熱費なども含んでいます。
原材料費は売上の40~50%が目安です。50%までかかると利益が少なくなるので、廃棄量を減らしたりしてコスト削減に努めましょう。
ロイヤリティ費は、店舗によって金額が異なります。およそ5%前後が多い印象で、中には毎月固定金額を回収する本部もあります。
パン屋の開業に必要な資格や許可
パン屋を開業するには取得しないといけない資格、取得しておいた方がいい資格が合わせて5つあります。以下で解説していきます。
食品衛生責任者
飲食店に1人以上は在籍していないといけない国家資格です。オーナーが自分で取得するか、従業員に取ってもらうか、資格保有者を雇うことが必要です。
各都道府県で行われている講習を受講終了して、保健所に申請することで資格を取得できます。
栄養士、調理師、製菓衛生師などの資格を保有している方は、保健所に申請するだけで大丈夫です。
飲食店営業許可
飲食店を営業するためには、飲食店営業許可を保健所に申請する必要があります。
申請の前に食品衛生責任者を取得しておかないといけませんので、早めに準備しておきましょう。
申請後、間取りや立ち入り検査等での審査が通れば、無事許可証が交付されます。
菓子製造業許可
パンやお菓子を作る場合、取得しないといけない資格です。菓子製造業許可も保健所に申請して、立ち入り検査等で審査をします。
しかし、飲食店営業許可申請よりも細かく店舗の設計等を見られます。
食料品等販売業許可
弁当類、総菜類、乳製品、食肉製品、魚介類加工品、その他の調理加工をせずに直接食べれる食品を販売する営業許可のことです。
保健所に申請する必要がありますが、都道府県や自治体によって内容が異なるので、事前に確認しましょう。
パン製造技能士
パン作りの高いスキルを持っていることを証明する国家資格です。こちらは必須の資格ではありませんが、持っておくことで様々な場面で役に立ちます。
- 2級→2年以上の実務経験
- 1級→7年以上、または2級合格後2年以上の実務経験
- 特級→1級合格後5年以上の実務経験
以上が主な資格の内容です。
2級は専門学校に通っていた場合、卒業後すぐに取得可能です。パン作りの唯一の国家資格なので、取っておくことをおすすめします。
フランチャイズパン屋を開業する準備
フランチャイズパン屋を開業するためには、様々な準備が必要です。ここでは、その具体的な準備手順について詳しく見ていきましょう。
資料請求や説明会への参加
まずは、興味のあるフランチャイズ企業から資料請求やお問合せを行います。
その後、説明会やセミナーがある場合は参加し、フランチャイズの仕組みや条件などを詳しく学びます。
フランチャイズ担当者との面談
興味を持ったフランチャイズ企業の担当者と面談を行います。
この面談では、開業に必要な情報や条件、契約内容などについて詳しく話し合います。
自分の疑問や不安を解消するために、積極的に質問することが重要です。
契約審査申し込み
フランチャイズ契約を申し込むための審査を受けます。
この審査では、自分の経歴や資金状況、加盟にふさわしい人格かなどもチェックされます。
店舗選び
本部が提案してくれる店舗から、場所や周辺の環境、交通アクセスなどを考慮して、最適な場所を選びます。
地域の需要や競合店舗の状況なども注意深く調査しましょう。
事業計画策定
店舗が決まったら、事業計画を策定します。売上目標や費用予算、人員配置などを具体的に計画し、将来の店舗運営の方針を決めます。
加盟金の支払い
フランチャイズ契約を正式に締結するために、加盟金を支払います。
この加盟金は、フランチャイズ企業に支払う初期費用のことです。
内装工事や設備・備品の導入
店舗の内装工事や必要な設備・備品の導入を行います。
これには、店舗のデザインやレイアウトの決定、機器や家具の設置などが含まれます。
採用や研修
最後に、スタッフの採用や研修を行います。
店舗運営に必要なスタッフを採用し、フランチャイズ企業が提供する研修プログラムを受けます。
フランチャイズパン屋の開業で失敗しないためのコツ
フランチャイズパン屋の開業は、成功すれば大きな利益をもたらしますが、失敗するリスクもあります。
ここでは、失敗しないためのコツについて、具体的なポイントを見ていきましょう。
出店地域の特性を活かして運営する
まず、出店地域の特性をよく理解し、それを活かした運営を心がけることが重要です。
例えば、住宅街周辺のお店であれば子供に喜ばれる商品、高齢の方が多い地域では柔らかめのパンを多めに提供するなどの配慮が考えられます。
地域の人々の好みやライフスタイルに合った商品を提供することで、地域住民から支持されやすくなります。
競合調査・市場調査を行う
開業前に、競合店や市場の状況を調査することも欠かせません。
競合店の商品ラインナップや価格設定、サービス内容などを分析し、自店舗の強みを出し、差別化を図りましょう。
競合店はパン屋だけではなく、パンを取り扱うコンビニやスーパーの状況を確認することも大事です。
また、ターゲットとする顧客層や需要の傾向を把握し、それに合った戦略を立てることが重要です。
売上や在庫管理を徹底する
パン屋の開業では、売上や在庫などの管理を徹底することが成功の鍵となります。
売上の推移や在庫の状況を日々記録し、適切なタイミングで仕入れや調整を行います。
パン屋の経費で一番多くを占めるのが原材料費なので、このコストを削減できれば利益を増やすことが可能です。
顧客目線で商品や価格を設定する
顧客目線で商品や価格を設定することも重要です。
消費者のニーズや要望に合った商品を提供し、ターゲット層に合った価格設定でお客様を満足させることが必要です。
例えば、安くしたら必ずしも集客できるわけではなく、健康志向の方にはより健康的な原材料を使用した商品を提供するほうが効果的です。
そのような情報を得るためにも、顧客からアンケートを取ったり、口コミをチェックする必要があります。
体力が必要なので体調管理をしっかり行う
フランチャイズパン屋の開業には体力が必要です。
長時間の立ち仕事やパンの製造作業は体力を消耗しますので、十分な休息と栄養補給を心がけることが重要です。
開業初期は慣れない仕事で時間がかかり残業することも多いとは思いますが、適切なシフト設定を行い、スタッフにも休息をとってもらうようにしましょう。
失敗しないフランチャイズ本部の選び方
フランチャイズパン屋を開業する際には、適切なフランチャイズ本部を選ぶことが成功のカギです。
では、失敗しないためにどのようなフランチャイズ本部を選べば良いのでしょうか。以下にそのポイントを解説します。
実績があり他社と差別化できる本部を選ぶ
まず、実績が豊富で他社と差別化できるフランチャイズ本部を選ぶことが重要です。
実績のある本部は、多くの加盟店舗が成功している証拠です。
また、他社との差別化ができる独自の商品やサービスを提供している本部は、競争力が高く成功しやすい傾向があります。
契約内容やサポート制度に納得のいく本部を選ぶ
次に、契約内容やサポート制度に納得のいくフランチャイズ本部を選ぶことも大切です。
契約内容は、将来的な展開や費用面の重要な要素となります。
また、本部からのサポートやトレーニング制度が整っているかどうかも重要です。しっかりとしたサポートがあれば、開業後の運営がスムーズに行えます。
初期費用をなるべく低く開業できる本部を選ぶ
最後に、初期費用をなるべく低く抑えて開業できるフランチャイズ本部を選ぶこともポイントです。
パン屋の開業には多くの初期費用が必要となりますが、これが高額だと負担が大きくなります。そのため、初期費用が比較的低い本部を選ぶことが賢明です。
また、ロイヤリティもサポート内容などに見合っているかを確かめましょう。
確かめるためには、色んな企業を比べる必要があるので、時間があるのであれば比較検討しましょう。
まとめ
本記事では、フランチャイズのパン屋について詳しく解説しました。
パン屋をフランチャイズで開業するメリットは、サポート体制が整っていることで未経験でも開業できることや仕入れ先を確保できる、集客しやすいことなどがあります。
しかし、初期費用が高く、競合も多いので、しっかりとした計画で開業する必要があります。
フランチャイズパン屋の開業で失敗しないためのコツ
・出店地域の特性を活かして運営する
・競合調査・市場調査を行う
・売上や在庫などの管理を徹底する
・顧客目線で商品や価格を設定する
・体力が必要なので体調管理をしっかり行う
失敗しないフランチャイズ本部の選び方
・実績があり他社と差別化できる本部を選ぶ
・契約内容やサポート制度に納得のいく本部を選ぶ
・初期費用をなるべく低く開業できる本部を選ぶ
詳細は本文で解説しているので、フランチャイズでパン屋を開業したい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。