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脱サラで自営業を始めるには?やり方や始め方・開業前の手続きまとめ
脱サラして自営業を始めるには、どのように始めるのか、自営業の特徴を知っておくことが重要です。この記事では、自営業と会社員の違い、自営業のメリット、自営業の始め方について解説します。自営業をしたい方は参考にしてください。
この記事の目次
脱サラと自営業とは
脱サラとは、会社勤めをやめて独立し、自分でビジネスを立ち上げることを指します。転職したり、アルバイトなどになることは脱サラではありません。
自営業とは、開業届を提出して自分で事業を行うことです。主に、個人事業主やフリーランスが該当します。自分で店舗を構えていたり、会社を持っている人も自営業に含まれます。
自営業の特徴の一つは、独自の責任が非常に重いことです。利益や損失は全て自己責任であり、経営の成否は自分の判断と行動次第です。
また、自営業者は自分で税金や社会保険などの手続きを行う必要があります。
自営業と会社員の違いとは
今回は、自営業と会社員の主な違いを雇用主の存在、社会保険の違い、社会的信用、責任、働く人や取引先、そして働く時間や場所の観点から解説します。
雇用主の存在の違い
自営業では、雇用主が存在しません。自分自身が事業のオーナーであり、全ての意思決定を自分で行います。
一方、会社員は、会社の雇用主の下で働き、指示に従うことが一般的です。雇用主が給与や労働条件を管理し、労働者はその指針に従うことで給料などの保証を享受できます。
社会保険の違い
自営業者と会社員の間には、社会保険に関する重要な違いがあります。以下の5つの保険のことを社会保険と言います。
- 医療保険
- 年金保険
- 介護保険
- 雇用保険
- 労災保険
自営業が入る保険
- 国民健康保険
- 国民年金保険
会社員が入る保険
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 雇用保険
- 労災保険
自営業者は自分で健康保険や年金などの社会保険に加入しなければなりません。
一方、会社員は会社で保険へ加入し、雇用主が一部を負担します。医療保険と年金保険の種類が、自営業と会社員の大きな違いです。
また、雇用保険と労災保険には基本的に自営業は加入できないので、備えをしっかりしておくことが重要です。
社会的信用の違い
社会的信用は、自営業者と会社員の間で異なる要素です。会社員は、安定的な収入があり、企業に勤めていることにより一定の信用があります。
一方、自営業は収入が安定しておらず、企業に勤めていない点から社会的信用が低いのです。社会的信用が低いと住宅や車などのローンが組みにくく、クレジットカードの審査にも通りにくくなります。
責任の違い
自営業者は、ビジネス全体の責任を負う必要があります。
これは、ビジネスの成功や失敗、債務、リスクなど様々です。一方、会社員は通常、自分の職務に関連する責任を負い、組織全体の責任には関与しません。
また、もし大きな失敗をしてしまっても、最終的な責任は上司や会社がとってくれます。
働く人や取引先の違い
自営業者は、自分でクライアントや取引先を見つけ、ビジネスを成立させる必要があります。
逆に、自分で仕事をする人を自分選ぶことができるので、自分で好きな人と仕事をしたい人には向いています。一方、会社員は、会社が顧客や取引先を獲得してくれますが、一緒に働く人を選ぶことができません。
働く時間や場所の違い
自営業者は、働く時間と場所について柔軟性が高いです。
自分でスケジュールを管理し、場所も自由に選べることが多いです。ただ、働く場所の確保や資金の準備をする必要があります。一方、会社員は通常、所定の勤務時間と場所に従う必要があります。
ただ、オフィスは会社が用意してくれて、お金がかからないことはメリットです。
これらの違いを考えると、自営業と会社員のどちらが適しているかは、個人の目標や価値観に異なります。
自分のライフスタイルと目標に合った選択をするために、自身の状況をよく考えることが重要です。
脱サラして自営業を始めるメリット
脱サラして自営業を始めることには多くの魅力的なメリットがあります。以下では、そのメリットを詳しく説明します。
働き方を自由に決められる
自営業を選ぶ最大のメリットの一つは、働き方を自由に決められることです。
自分のスケジュールを調整し、仕事とプライベートのバランスを取ることも可能です。休暇を取りたいときに取れるし、労働時間を柔軟に調整できるため、家族や趣味との時間を大切にできます。
自分のしたい事業ができる
自営業を始めることで、自分のアイデアや夢を実現する機会が広がります。
自分が熱中し、情熱を注げる分野でビジネスを展開できます。これは、自己表現や個人の成長にとって非常に満足感のあることです。
自分が働いた分だけ収入が上がる
自営業者は、自分が働いた成果に比例して収入が上がるのもメリットの1つです。
努力と労力に見合った報酬を受け取ることができるため、収入の上限がないと言えます。
成功すれば、収入も増加し、会社員時代の給料を超えることも十分可能です。ただ、固定収入ではないので、収入が不安定になってしまう可能性もあります。
定年がない
自営業者には定年が存在しないため、年齢に関係なく活動を続けることができます。
会社員のように定年後に退職する必要はなく、自分のビジネスを続けたり、新たなプロジェクトに挑戦したりできます。これにより、長期的な経済的安定を確保することができるでしょう。
脱サラして自営業を始めることは、自己決定権や経済的自立を追求する素晴らしい選択肢です。ただし、リスクも伴うため、慎重な計画と戦略が不可欠です。
脱サラして自営業を始めるデメリット
自営業に転身することには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。以下では、脱サラして自営業を始める際のデメリットについて詳しく説明します。
資金管理・確定申告を自分で行う必要がある
自営業者は、自身で資金管理や確定申告を行うことが必要です。
収益と支出は自分で管理する必要があり、資金繰りを疎かにしてしまうと事業の失敗につながります。また、収入や支出の記録を正確に行い、税金や社会保険料を適切に支払う責任があります。
特に税金の計算や法的手続きには専門知識が必要なので、自分で分からない場合は税理に依頼するのも1つの方法です。
働けない時の保証が少ない
自営業者は、病気や急な状況で働けない場合、収入の保証が少ないこともデメリットの1つです。
会社員は通常、有給休暇や手当などの制度が提供されることが一般的ですが、自営業者は基本的に保証がありません。
そのため、予期せぬ休業による経済的負担を受け入れる必要があり、自分で保険などの加入が必要です。
ローンやカードの審査が通りにくい
自営業者は、ローンやクレジットカードの審査が通りにくいこともデメリットの1つです。
銀行や金融機関は、自営業者の収入の不確実性や信用リスクを懸念し、融資やローンの審査が厳しい傾向にあります。このため、個人的な資金調達が難しくなる可能性があります。
また、クレジットカードもカードによっては作れないこともあるので、会社員の間に作っておくといいでしょう。
これらのデメリットを踏まえて、自営業を始める際には慎重な計画と戦略が必要です。専門家の助言を受けることや、リスク管理策を確立することが重要です。
自分のライフスタイルやリスク許容度に合った選択をするために、デメリットとメリットをバランスよく考慮しましょう。
脱サラ後の自営業のやり方・始め方
脱サラ後の自営業を始める方法はいくつかあります。以下では、個人で独立する、フランチャイズで独立する、業務委託でフリーランスとして働くという選択肢について説明します。
個人で独立する
個人で独立することは、自分のスキルや経験に基づいて一から事業を立ち上げることです。
誰かに命令や指示されることがないので、自由にできることはメリットです。ただ、全て自分で準備や計画を立てないといけないので、自分で考えて行動できる方が向いています。
まずは、自分のスキル、趣味、経験に基づいてビジネスアイデアを考え、どの分野で活動したいか、どのサービスや製品を提供したいかを検討しましょう。
そして、ビジネスプランを作成し、事業の目標、戦略、資金調達計画、市場調査などを詳細に考えることが大事です。
フランチャイズで独立する
フランチャイズは、既に成功しているブランドの力を借りて起業する方法です。
みんなが知っているような店の名前を使うことができるので、集客に困ることは少ないでしょう。経営や教育などさまざまなサポートも充実しているので、初めて自営業としてやっていくには、環境が整っています。
一方で、フランチャイズへの加盟金やロイヤリティ(売り上げの一部を本部に支払う制度)の支払いが必要になってくるので、費用の負担が大きくなる可能性があります。
フランチャイズビジネスを始める場合、信頼性のあるフランチャイズ業者を選ぶことが重要です。慎重な調査と比較を行い、自分に合ったフランチャイズを見つけましょう。
業務委託として働く
業務委託は、会社や個人が仕事を外部の人に委託することです。
会社とは雇用関係を結ばず、対等な立場で働くことができ、個人事業主の扱いになります。
業務委託で働くメリットは、自分の働く時間を調節でき、会社員よりも高い給料をもらえる可能性があることです。また、自分の得意な仕事だけを受けることができ、嫌な仕事をするストレスが減るでしょう。
基本的に会社員ではなく自営業になるので、色んな責任は自分でとることになります。また、固定で収入があるわけではなく、仕事がない時期は収入が減る可能性もあります。
自分でどの仕事を、どの単価で受けるかなどを前もって定めておくことが重要です。
脱サラ後に自営業を始めるための準備
脱サラ後に自営業を始める際、成功するためには十分な準備です。以下は、自営業を始めるための準備の項目です。
自営業を始める目的・目標を明確にする
最初に、自営業を始める目的と目標を明確に定めましょう。
なぜ自営業を始めるのか、何を達成したいのかを理解することは、ビジネスの方向性を決定するのに役立ちます。例えば、「お金を稼ぐため」「自分のやりたいことをするため」「3年以内に売り上げ3,000万円」などです。
目的や目標がないと進む方向がわからず、事業にプラスの影響を及ぼさないでしょう、
自営業を始める場所・地域を決める
事業を展開する場所や地域を選択しましょう。
これには、競合状況、ターゲット市場の規模、地域のビジネスの成熟度などを考慮する必要があり、顧客を最大限集客できる場所で行うのが重要です。
また、店舗ビジネスだと物件を契約する必要があり、準備に時間がかかるので早めに行動しましょう。そして、立地や間取り次第ではコストが高くなるので、あらかじめ予算は決めておくとよいでしょう。
屋号を決める
屋号は自分のビジネスで使用する名前です。自分のビジネスにふさわしい屋号を選びましょう。
決め方は何でもいいですが、覚えやすい名前がいいです。
屋号は必須項目ではないですが、名刺や書類、看板などでも使えるので、作っておくのがおすすめです。
事業計画書を作る
ビジネスの方向性、戦略、資金調達計画、市場分析、競合分析などをまとめた事業計画書を作成することが大事です。
事業計画書は将来のビジネス展開に向けたロードマップとなります。計画がないと自分の目標まで遠回りしてしまう可能性があります。
また、資金を調達する際に金融機関などに提出が求められるので、その都度提出が必要です。
資金調達をする
自営業を始めるためには、十分な資金が必要な場合が多いです。
初期費用や運転資金の数か月分、資格や免許取得費など、自分の事業に必要なお金を考えましょう。
資金調達の方法としては、次のような選択肢が考えられます。
自己資金: 脱サラ後の貯金や資産を活用することができます。
銀行ローン: 銀行から融資を受ける方法です。
日本政策金融公庫の融資: 銀行ローンより審査に通りやすく、低金利の方法です。
投資家からの資金調達: ビジネスアイデアが魅力的であれば、投資家から資金調達できるかもしれません。
自営業を始める際、資金調達計画を練り、予算を立てて資金を効果的に管理することが重要です。
脱サラして自営業を始めるために必要な書類や届け出
脱サラして自営業を始める際には、様々な書類や届け出が必要です。以下は、主要な書類と届け出の一例です
開業届
開業届は、自営業を始める際に税務署に提出するものです。
必ず提出しないといけないわけではありませんが、提出することで青色申告を行うことができ、税制面でメリットがあります。原則、事業を開始してから1か月以内に提出しましょう。
青色申告承認申請書
青色申告承認申請書は、日本において青色申告特別控除を受けるために提出する書類です。
この制度を利用することで、最大65万円の所得控除を行えるので、開業届と共に提出するのが望ましいです。
また、事業が赤字の際も、次年度に赤字を繰り越すこともできます。新規開業の場合は事業開始から2カ月以内に提出しましょう。
個人事業開始申告書
個人事業開始申告書は、開業した地域の都道府県税事務所に提出する必要があります。
これは、地方税である個人事業税を地方自治体が把握するためのものです。こちらは都道府県によって提出期限が異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
脱サラして自営業を始める際の失敗しないコツ
脱サラして自営業を始める際、失敗しないコツを実践することが重要です。以下は、そのためのコツです。
市場調査や競合調査を行う
事業を始める前に、市場調査と競合調査を徹底的に行いましょう。
どの分野で競合他社が存在し、市場ニーズは何かを理解することはビジネスの成功の鍵です。顧客のニーズやトレンドを把握し、競合他社の戦略を分析することで、自分のビジネス戦略を立てることができます。
家族に相談し協力を得る
自営業を始める決定は、家族にも大きな影響を与えることがあります。
例えば、「収入が安定しないかもしれない」「忙しくなって家事ができないかもしれない」などです。
家族とのコミュニケーションを重視し、計画やリスクについて率直に話し合いましょう。家族の協力や理解を得ることは、ビジネス成功において非常に重要です。
まずは副業から始める
自営業を始める際、副業としてスタートすることを検討するのも良いアプローチです。
副業としてビジネスをスタートさせ、安定した収入源を保ちつつビジネスを育てることで、リスクが減ります。
仕事終わりや休みの日に副業で自分の事業を行い、少しずつ成長させていき、ある程度拡大してきたときに完全に自営業でやっていくスタイルです。
まとめ
本記事では、自営業について詳しく解説しました。
脱サラして自営業になるには、個人事業主で一から事業を立ち上げる方法、フランチャイズで独立する方法、業務委託で働く方法があります、
脱サラして自営業を始めるメリット
・働き方を自由に決められる
・自分のしたい事業ができる
・自分が働いた分だけ収入が上がる
・定年がない
脱サラ後の自営業のやり方・始め方
・個人で独立する
・フランチャイズで独立する
・業務委託として働く
詳細は本文で解説しているので、自営業をしたい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。