儲かる介護施設を開業するには?費用や資格と使える助成金を解説
独立・開業
スーパーの経営で必要な資金や資格・準備・失敗しないコツを解説
スーパーは、景気や消費者の行動によって売上も変わるビジネスではありますが、常に需要はあり経営チャンスはまだまだあります。
この記事では、スーパーの開業・経営資金、資格、準備、失敗しないコツについて解説します。これからスーパーの経営を始めたい方は参考にしてください。
この記事の目次
スーパー業界全体の市場の動向
スーパーを経営する前にまず、スーパー業界のことについて知る必要があります。業界の動向を知るとこで、今後の経営戦略を練ることができます。
消費者の行動の変化
スーパーは消費者の行動によって売上が大きく異なるのです。
スーパーは、コロナによって無人レジの導入やまとめ買いする方が増えました。また、外出自粛の影響で外食せずに自炊するようになり、時短料理する人も増えました。
つまり、消費者の来店を増やすためには、商品の種類を豊富にして、時短レシピのメニューなどを提供することが大事です。
スーパーのIT化が大事
現代のスーパーは、IT化が大事です。例えば、セルフレジやネットスーパーなどが挙げられます。
セルフレジの導入を行うことで、レジが混雑しているときも自分ですぐに会計ができます。また、人と接触せずにスーパーでお買い物ができるので、気を遣わずに買い物できるのもメリットです。
さらに、ネットスーパーを開設することで24時間お買い物ができるので、お店側も売上を伸ばすことができ、お店でお買い物ができないお客様にも便利です。
他にも、ITソフトを経理業務に導入することで作業効率が上がります。
スーパー業界が抱える問題と対処法
現代のスーパーには、いくつか対処すべき問題点があります。
1つ目は、1人世帯の増加や少子高齢化によって来客数が減ることです。
これに対処する方法は、ニーズに合わせた商品を取りそろえることです。例えば、1人世帯向けの商品や簡単に調理できる商品を準備することが挙げられます。
2つ目は、ドラッグストアやコンビニでもスーパーの商品を取り扱うようになってきており、競合のお店が増えてきていることです。
これに対処する方法は、イートインスペースなどの独自サービスを提供することで、スーパーに行く理由を与えることです。
スーパー経営の仕事の種類
スーパー経営は多岐にわたる仕事の種類があり、その中で特に重要なポイントは予算や売上の計画、店全体の管理、スタッフの教育、売上実績の分析や改善、経理業務やお金の管理、そしてお店の集客です。これらの要素を詳しく見ていきましょう。
予算や売上の計画
スーパー経営者の仕事として大事なのが、予算や売上の計画をたてることです。
現状を分析して、何を改善するべきかを考えます。例えば、集客や単価UP、リピート率など具体的に改善項目を決め、戦略を練ります。
そして、具体的な数字で目標を立てることは、何をすべきかを明確にできるので重要です。
店全体の管理
スーパーでは様々な部門やセクションがあり、これらを総合的に管理することが求められます。
商品の陳列やレイアウト、在庫管理、清掃など、細部にわたる管理が不可欠です。各部署からでてきた問題点を解決していく必要があります。
スタッフの教育
良い商品やサービスを提供するためには、スタッフの力が鍵となります。
しっかりと教育ができることで、スキルが向上してお客様満足度も向上します。教育するためには、マニュアル作成や研修制度などを決めることが大切です。
売上実績の分析や改善
毎月の売上実績を分析し、なぜ売上が伸び悩んでいるのかを把握することが不可欠です。
決めた目標を達成できなかった場合、部署ごとにその理由を分析して改善することが大切です。改善方法がわからない場合は、できている部署の意見や方法を真似ると実績にUPに繋がります。
経理業務やお金の管理
経理業務やお金の管理は、スーパー経営において欠かせない要素です。
これは、帳簿記入、請求書発行、給与計算などが含まれます。スーパーのような小売業で有効な方法に、「売価還元法」があります。売価還元法は、棚卸資産をグループに分け、それぞれ算出した原価率で計算する方法です。
お店の集客
最後に、お店の集客は新規客の獲得と既存客の維持に関わる重要な活動です。
集客方法はチラシや広告、SNSなど様々ですが、ターゲットに合わせた集客方法を考えましょう。
スーパーの開業・経営に必要な資金
スーパーを経営するためには、初期費用や経営資金が必要です。ここでは、必要な資金の内訳について紹介していきます。
スーパーの開業資金
スーパーの開業資金は、500~3,000万円ほどが必要です。これは、店舗の規模感によって大きく変わります。
以下で、開業資金の内訳を記載します。
項目 | 金額 |
物件取得費 | 300~800万円 |
内装工事費 | 100~1,200万円 |
設備費 | 100~1,000万円 |
仕入れ費 | 50~300万円 |
宣伝広告費 | 20~100万円 |
物件取得費は、およそ家賃の10か月分です。
内装工事費は、スーパーの構造によって大きく変わります。イートインスペースやその他のスペースを作る場合、費用は高くなります。
全体的に物件取得費や内装工事・設備費が費用のほとんどを占めるので、複数社で見積もりを取りやすく抑えることが重要です。
スーパーの経営資金
スーパーを経営するためには、賃料、人件費、仕入れ費、備品等の費用、宣伝広告費のような費用が必要です。
経営資金の目安は賃料の6~7カ月分が必要なので、例えば賃料が30万円の場合、200万円ほど必要です。
経営資金は売上から支払いをしますが、開業初期は売上が上がらないことがあるので、余裕をもって資金計画を立てておきましょう。
スーパーの開業・経営に必要な資格や許可
スーパーを経営するにあたって、以下のような資格や許可が必要になります。それぞれ詳しく見ていきます。
食料品衛生責任者
飲食店に1人以上は在籍していないといけない国家資格です。オーナーが自分で取得するか、従業員に取ってもらうか、資格保有者を雇うことが必要です。
各都道府県で行われている講習を受講終了して、保健所に申請することで資格を取得できます。
または、栄養士、調理師、製菓衛生師などの資格を保有している方は、保健所に申請するだけで大丈夫です。
防火管理者
収容人数が30人以上の規模の飲食店を開業するときにのみ、防火管理者を設置しないといけません。従業員を含めた人数です。
施設の延べ面積が300㎡以上の場合、甲種防火管理者(2日間で約10時間で8,000円の講習)の資格が必要です。
逆に、施設の延べ面積が300㎡未満の場合、乙種防火管理者(1日約5時間で7,000円の講習)の資格が必要です。
営業許可
スーパーで食料品を販売するためには、「食品関係営業許可」の取得が必要です。
また、製造・加工された商品を販売する場合は「飲食店営業許可」が必要です。
これは管轄の保健所に提出するものなので、事前に必要な物や基準等を保健所に確認しておきましょう。
販売士
販売士は、スーパーの開業に必須資格ではありません。しかし、持っていると役立つ資格であることに間違いありません。
販売士の資格は3階級に分かれており、3級は販売員向け、2級は管理者向け、1級は経営者向けです。
自動車免許
自動車免許も必須ではありませんが、仕入れで車を使う場合は必要です。
スーパーを開業・経営する流れや準備
スーパーを開業・経営するためには、着実な流れで計画的な準備が必要です。以下では、事業計画から集客までのステップを詳しく解説していきます。
事業計画書を作成する
まず、スーパーを開業するためには事業計画書の作成が必要です。
経営戦略・販売戦略・収支計画などあらゆることを決めます。この時にコンセプトやターゲット層も考えます。
資金を調達する
次に、計画ができたらその実現に向けて資金調達が必要です。
先ほどお伝えした通り、スーパーの開業資金は1,000万円以上かかる場合もあります。自己資金だけだと賄えないので、金融機関からの融資や補助金や助成金を活用しましょう。
物件を探す
資金が確保できたら、適切な場所にスーパーを構えるために物件を探します。
立地はスーパーの売上にとても影響してくるので、コンセプトやターゲット層に合わせて探す必要があります。
アクセスしやすい場所や駐車場を広く確保できる場所、人口が多い住宅地付近がおすすめです。ただ、いい立地には競合が既に多く、賃料も高くなる傾向にあるので、予算はしっかり考えておきましょう。
内外装工事を行う
物件が決まったら、内外装工事を行います。
コンセプトに従ってターゲット層にアピールできるように、工事を業者に依頼します。
仕入れ先を決める
スーパーを魅力的にするためには、商品のバリエーションが大切です。
そのため、信頼性のある仕入れ先を見つけ、商品の品質や価格をバランスよく考える必要があります
特に、利益を確保するためには原価率と利益率が大切で、原価率は75%以内、利益率は30%以上になるようにしましょう。
備品や機器を購入・設置する
商品が揃ったら、備品や機器を購入して設置します。
開業日ギリギリに到着すると準備に間に合わないので、余裕を持ったスケジュールで搬入してもらい設置作業を行います。商品数や種類によって準備するものも変わるので、陳列する商品は事前に決めておくほうが良いでしょう。
費用を削減するためには、中古品を購入するか、リースでも可能です。
資格取得や申請手続きを行う
スーパー経営には様々な規則や法律が関わります。
必要な資格を取得し、営業許可の申請手続きを行うことで、法的なトラブルを避けることができます。食品衛生管理者と防火管理者(規模による)は必須資格です。
スタッフの採用と教育を行う
スーパーはスタッフの力に支えられています。そのため、採用し信頼できるスタッフに育てるために教育が必要です。
スタッフはすぐに集まらない場合や募集が来ても不採用になるケースもあるので、早めに採用活動を行いましょう。
採用方法はハローワークや求人サイトへの掲載、SNSでの募集など多岐にわたります。
マニュアルを作成する
スーパーの運営には様々な作業があります。スタッフがスムーズに仕事を進めるためには、マニュアルが必要です。
マニュアルがあることでスタッフ間の差も生まれにくく、ストレスなく働けます。このマニュアルは最初に作成して、経営していくうちに改善していくことが大切です。
集客活動を行う
集客活動は経営していくためには、とても重要な要素です。
お客様が来店しないと始まらないので、チラシ配布や広告、SNS集客などを行いましょう。
最初のころはセールや割引チケットなどを配布することで、他店ユーザーの方も足を運んでくれる可能性が上がります。
スーパーの開業・経営で失敗しないためのコツ
スーパーの開業・経営で、失敗しないためには慎重な計画と戦略が必要です。初心者でも理解できるよう、具体的なコツを解説していきます。
地域住民のニーズに合わせた経営を行う
スーパー経営の最初のポイントは、地域住民のニーズを理解し、それに合わせた経営を行うことです。
スーパーに来るのは近隣住民が多いので、そこの人々のニーズに合わせた商品を販売することが重要です。
例えば、子供がいる家族が多い住宅地付近では子供向け商品やゲームを準備する、少し高級住宅街付近ではオーガニック製品を扱うなど、が挙げられます。
買い物以外のサービスも行う
スーパーが単なる商品の提供だけでなく、買い物以外のサービスも行うことがポイントです。
例えば、小さめのゲームセンターを併設させたり、イートインスペースを設けるなど競合にないサービスを探して、提供するとそのサービス目当てで訪れるお客様も増えるかもしれません。
他のスーパーにない独自性や強みを作る
競争の激しいスーパー業界で成功するためには、他のスーパーにない独自性や強みを持つことが大切です。
例えば、地元産の特産品を積極的に取り扱ったり、目の前での調理を行うコーナーを用意するなどが挙げられます。
他のスーパーとあまり変わらない店を展開しても、みんな行き慣れているスーパーを選らんでしまうので、差別化を図りましょう。
IT化で業務効率を上げる
スーパー経営では様々な業務が発生しますが、これをIT化することで業務効率を向上させることができます。
POSシステムや在庫管理ソフトウェアの導入など、適切なITツールを活用することで、経営全体の効率が向上します。ITの導入は初期費用が掛かりますが、将来的に人件費の削減につながるでしょう。
また、お客様の行動をIT技術で分析することで、売上UPも狙えます。
ネットスーパーでも販売する
現代の消費者は忙しく、ネットでの買い物が一般的になっています。
スーパーもこれに対応するために、ネットスーパーでの販売を検討することが重要です。24時間対応でお客様にとって利便性が向上し、売上向上も期待できます。
しかし、販売できない商品もあり、送料などを考えると少々割高にしないといけない可能性も出てきます。
まとめ
本記事では、スーパーの開業・経営について詳しく解説しました。
スーパーは消費者の行動によって売上は変わってくる業態で、今後はIT技術を取り入れた経営戦略が大事になってきます。
スーパーの仕事は多岐にわたり、自分だけでは店舗を回すことはできないので、スタッフの教育やマニュアル作成が重要となっています。
スーパーを開業・経営する流れや準備
・事業計画書を作成する
・資金を調達する
・物件を探す
・内外装工事を行う
・仕入れ先を決める
・備品や機器を購入・設置する
・資格取得や申請手続きを行う
・スタッフの採用と教育を行う
・マニュアルを作成する
・集客活動を行う
スーパーの開業・経営で失敗しないためのコツ
・地域住民のニーズに合わせた経営を行う
・買い物以外のサービスも行う
・他のスーパーにない独自性や強みを作る
・IT化で業務効率を上げる
・ネットスーパーでも販売する
詳細は本文で解説しているので、スーパーを開業・経営したい方は参考にしてください。
この記事に関連するキーワード
シェアする
https://ikuraya.jp/fc/column/independence/supermarket-management
URLをコピー
この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。