フランチャイズの便利屋の開業準備や資金・失敗しないコツを解説
フランチャイズ
フランチャイズカフェの開業に必要な資金・失敗しないコツを解説
カフェを開業するには、様々な選択肢があります。独自のスタイルで個人開業する方法もあれば、成功したノウハウを用いてフランチャイズ開業する方もいます。
開業時はどちらで開業するか迷う方も多いと思いますが、今回はフランチャイズでの開業に焦点を当てていきます。
この記事では、フランチャイズのカフェの開業資金や失敗しないためのコツについて解説します。
この記事の目次
カフェの2つの業態
カフェには、大きく分けて2つの業態があります。その中でも代表的な2つの業態について解説します。
フルサービス型
フルサービス型のカフェでは、席に座っているお客様に注文を取り、料理や飲み物を運びます。喫茶店をイメージするとわかりやすいです。
フルサービス型はお客様がゆっくりと時間を過ごすことができるので、客単価を高く設定できるのが特徴です。
セルフサービス型
セルフサービス型のカフェでは、お客様が自ら注文をし、飲食物を受け取るスタイルです。
飲食後の食器などもお客様が返却します。スターバックスをイメージするとわかりやすいです。
単価は安いが、回転率が高いことが特徴です。また、人件費を抑えやすく、少人数でも運営できます。
カフェをフランチャイズで開業するメリット
カフェをフランチャイズで開業することには、多くのメリットがあります。それらを以下で詳しく解説します。
知名度があり集客しやすい
フランチャイズカフェは、既に知名度があり、ブランドイメージが確立されています。
顧客はカフェの名前やロゴを見て、安心感を持ち訪れるため、開業初期から集客が比較的容易です。
カフェは全国にたくさんの数あるので、集客しやすいことはオーナーにとってはありがたいことです。
集客しやすい立地に出店できる
個人で開業する場合、実績や信頼性のなさから断られるケースもあります。
一方、フランチャイズカフェは、実績や信頼性があるので、集客しやすい立地への出店がしやすいです。
本部は市場調査や競合分析などを行い、成功が見込まれる場所を提案してくれます。場合によっては、大型ショッピングモールや駅構内などへの出店もできるでしょう。
本部からノウハウやサポート提供がある
フランチャイズカフェは、本部からノウハウやサポートを受けることができます。
開業前から、店舗運営のノウハウやマニュアル、研修を受けることができるので未経験でも安心です。
また、開業後も本部によって様々なサポート制度が設けられているので、自分に合ったサポートのあるフランチャイズを選びましょう。
カフェをフランチャイズで開業するデメリット
カフェをフランチャイズで開業することには、いくつかのデメリットも存在します。それらを以下で詳しく解説します。
経営の自由度が低い
フランチャイズでカフェを開業する場合、本部から提供されたメニューやマニュアルに従う必要があります。
これにより、自分のアイデアを経営に活かすことができず、経営の自由度が低くなります。
メニューやマニュアルが揃っていることはメリットではありますが、人によっては窮屈に感じるかもしれません。
ロイヤリティの支払いで収益が減る
フランチャイズ契約では、本部に対してロイヤリティなどの支払いが求められます。
これは、フランチャイズブランドの使用権やサポート料として支払われる費用です。
しかし、ロイヤリティの支払いは利益から差し引かれるため、収益が減少します。特に、売上が安定していない時期は痛い出費となります。
本部や加盟店の影響を受けやすい
フランチャイズ契約により、本部や他の加盟店の方針や行動が自分の店舗にも影響を与えることがあります。
例えば、本部の方針変更や他の加盟店の不祥事などがあった場合、それが自分の店舗にも波及して影響が出るでしょう。
それに伴い、売上が大きく減少してしまうリスクも頭に入れておかないといけません。
フランチャイズカフェは儲かる?平均年収は?
フランチャイズカフェのオーナーの平均年収は、店舗規模や売り上げ状況によって異なります。
収入が保証されているわけではないので、年収200万円以下になる可能性もあります。
逆に、売上が好調で多店舗展開もできれば、1,000万円以上稼ぐことも可能です。
会社員に比べて、収入が不安定ではあるが、収入を自分次第で上げやすいのが特徴です。
収入が下がる要因には、店舗内の環境だけではなく、競合店舗の出現のような外部的な要因も関わってくるので、日々様々な情報を取り入れておくことも必要です。
フランチャイズカフェの開業に必要な資金
フランチャイズのカフェを開業するためには、開業資金と運営資金が必要です。ここでは、それぞれの資金についてみていきます。
フランチャイズのカフェの開業資金
開業資金は規模や立地などによって異なりますが、数千万円ほど必要なケースも多いです。
以下では、例としてカフェの開業資金でかかる項目や金額を説明していきます。
項目 | 金額 |
加盟金 | 150~300万円 |
保証金 | 100~150万円 |
物件取得費 | 1,000~3,000万円 |
研修費 | 30~50万円 |
加盟金はブランドや商標権利用、サポート提供に対して支払う初期費用です。カフェでは加盟金が無料のフランチャイズは少なく、およそ150~300万円程度が一般的です。
保証金も初期費用の1つで、毎月支払うロイヤリティが支払えなかった時のための費用です。そのため、契約解除時に返ってきます。
物件取得費は開業費のほとんどを占め、規模にもよりますが、一から準備すると2,000~3,000万円必要なケースが多いです。居ぬき物件を利用できる場合は、数百万円で済む場合もあります。
研修費は開業前に行う研修にかかる費用です。数週間から2カ月程度の研修となり、泊まり込みで行うこともあります。
フランチャイズのカフェの運営資金
運営資金もロイヤリティや規模などによって異なります。
以下で、売上が200万円のカフェの運営資金でかかる項目や金額を説明していきます。
項目 | 金額 |
人件費 | 40~60万円 |
賃料 | 15~20万円 |
日用品・広告費 | 20万円 |
仕入れ費 | 60万円 |
ロイヤリティ | 2~3% |
人件費は売上の20~30%を占めます。開業初期は店舗を上手く回せないこともあり、人件費がかさんでしまう可能性もあります。
慣れてくると、時間帯に応じて適切な人員配置を行いましょう。
賃料は売上の10%以内に抑えることが大事です。10%を超えてくると、利益を圧縮してしまうので、利益を上げる施策を行う必要があります。
大体3日間での売上金額程度の物件を選ぶと良いでしょう。
日用品費は、日々の業務で必要な備品購入などの費用です。日用品費を削減するためには、お客様に無駄使いされないような工夫が必要です。
仕入れ費は売上の30%が目安です。仕入れ費を削減するためには、日々の在庫管理をしっかり行い、廃棄食品を減らす努力をしましょう。
ロイヤリティ費は、2~3%で設定している本部が多いです。
ロイヤリティの計算方法は本部によって異なり、純売上から計算するところもあれば、総売上から計算するところもあります。同じ%でも利益率が変わってくるので、各社比較して考えましょう。
カフェの開業に必要な資格や許可
カフェを開業するにあたり、必要な資格や許可についてお伝えします。
食料品衛生責任者
食料品衛生責任者は、飲食業において食品の衛生管理を担当する資格で、飲食業を開業するためには必須の資格です。
オーナーが自分で取得するか、従業員に取ってもらうか、資格保有者を雇うことが必要です。
各都道府県で行われている講習を受講終了して、保健所に申請することで資格を取得できます。
栄養士、調理師、製菓衛生師などの資格を保有している方は、保健所に申請するだけで大丈夫です。
飲食店営業許可申請
飲食店を営業するためには、飲食店営業許可を保健所に申請する必要があります。
申請の前に食品衛生責任者を取得しておかないといけませんので、早めに準備しておきましょう。
申請後、間取りや立ち入り検査等での審査が通れば、無事許可証が交付されます。
防火管理者
収容人数が30人以上の規模の飲食店を開業するときにのみ、防火管理者を設置しないといけません。従業員を含めた人数です。
施設の延べ面積が300㎡以上の場合、甲種防火管理者(2日間で約10時間で8,000円の講習)の資格が必要です。
逆に、施設の延べ面積が300㎡未満の場合、乙種防火管理者(1日約5時間で7,000円の講習)の資格が必要です。
菓子製造業許可
カフェでパンやお菓子を作る場合、取得しないといけない資格です。菓子製造業許可も保健所に申請して、立ち入り検査等で審査をします。
しかし、飲食店営業許可申請よりも細かく店舗の設計等を見られます。
開業届出書
個人で開業する場合、開業届を提出する必要があります。期限は開業後1カ月以内と定められているので、しっかり守りましょう。
また、青色申告承認申請書も提出することで、最大65万円の控除も受けれるので、提出しておくべきです。
フランチャイズカフェを開業する準備
フランチャイズカフェを開業するには、慎重な準備が必要です。以下では、その準備のステップについて詳しく解説します。
資料請求や説明会への参加
まずは、興味のあるフランチャイズ企業に資料請求をし、開業に関する情報を入手します。
その後、フランチャイズ企業が開催する説明会やセミナーに参加し、ビジネスモデルや契約条件などについて理解を深めます。
これにより、自分に適したフランチャイズ企業を見つけることができます。
フランチャイズ担当者との面談
資料請求や説明会を通じて興味を持ったフランチャイズ企業と、担当者との面談を行います。
この面談では、開業に関する疑問や不安を解消したり、具体的な契約条件やサポート内容について詳しく話し合います。
また、フランチャイズ企業の方針や風土についても確認することが重要です。
契約審査申し込み
フランチャイズ企業との面談後、開業を希望する場合は、契約審査の申し込みを行います。
この審査では、経営能力や資金力などが確認され、フランチャイズ契約が適切かどうかが判断されます。面談後、店舗見学に行く場合もあります。
店舗選び
開業する店舗の場所を選びます。基本的に本部側から店舗の提案があるので、そこから自分で物件を決めていきます。
加盟金の支払い
店舗が決まって役員などと面談後、加盟金を支払います。
加盟金は、フランチャイズ企業に加盟する権利を得るための費用です。
内装工事や設備・備品の導入
店舗を開業するためには、内装工事や設備・備品の導入が必要です。
カフェの雰囲気やコンセプトに合わせて内装を行い、必要な設備や備品を準備します。
採用や研修
必要なスタッフを採用し、研修を行います。カフェは飲食店とは異なり、簡単な調理がメインなので、アルバイトでも十分です。
本部もサポートに入ってくれるので、力を借りて協力して店舗を作り上げていきます。
フランチャイズカフェの開業で失敗しないためのコツ
フランチャイズカフェの開業は、成功を夢見る一方で失敗もあり得るものです。そこで、失敗を避けるためのコツを以下で詳しく解説します。
競合と差別化を図る
カフェ市場は競争が激しく、多くの競合店が存在します。そのため、競合との差別化を図ることが重要です。
例えば、独自のメニューや特別なサービスを提供することです。
ただし、フランチャイズの場合、独自サービスやメニューの改良などができない場合があるので、本部と相談しながら行いましょう。
居心地のいい雰囲気作りに徹する
カフェは、居心地の良い雰囲気が重要です。お客様がくつろげる空間や心地よいBGM、快適な座席など、細かな配慮が求められます。
カフェはコーヒーなどを飲むことよりも、そこで休憩したり、友達と喋るための場所として利用している方が多いので、店内の空気感は意識しましょう。
サポートや研修制度を最大限活用する
フランチャイズカフェは、本部からのサポートや研修制度を活用することができます。
フランチャイズによってサポート内容は異なりますが、サポートや研修制度を最大限活用することで、経営のノウハウやスキルを習得し、成功につなげることができます。
失敗しないフランチャイズ本部の選び方
フランチャイズ事業を成功させるためには、適切な本部を選ぶことが肝重要です。ここでは、失敗しないためのフランチャイズ本部の選び方について詳しく解説します。
知名度やブランド力のある本部を選ぶ
まず、知名度やブランド力のある本部を選ぶことが重要です。
有名なフランチャイズブランドは、顧客からの信頼を得やすく、集客力も高いです。
そのため、開業当初から安定した売り上げを見込むことができます。有名ブランドであれば、競合他社よりも優位性を保ちやすいでしょう。
契約内容やサポート制度に納得のいく本部を選ぶ
次に、契約内容やサポート制度に納得のいく本部を選ぶことが重要です。
契約条件やロイヤリティの支払い、提供されるサポートの内容などを慎重に検討し、自分にとって必要な条件がある本部を選びましょう。
良いサポート制度があれば、開業後の運営や経営も上手くいきやすいです。また、契約内容が納得できるものであれば、将来的なトラブルを避けることができます。
初期費用や運営費用を抑えることができる本部を選ぶ
経営を成功させるためには、初期費用や運営費用を抑えることが重要です。
費用を抑えることで、開業後の経営を安定させることができます。
フランチャイズ本部の初期費用やロイヤリティの支払い、運営費用などを徹底的に検討し、負担が軽減される本部を選びましょう。
他社と差別化できており収益化が見込める本部を選ぶ
フランチャイズ事業は競争が激しいため、他社と差別化できる本部を選ぶことが重要です。
他社との差別化ポイントや独自の特徴を持つ本部を選ぶことで、安定した集客を見込めるので、収益も安定するでしょう。
自分の価値観や理念と合った本部を選ぶ
最後に、自分の価値観や理念と合った本部を選ぶことが大切です。
ビジネスを行う上で、本部の方針や文化が自分と合致していることで気持ちよく運営できます。
まとめ
本記事では、フランチャイズのカフェ開業について詳しく解説しました。
フランチャイズのカフェを開業するメリットは、知名度があり集客しやすいことや立地の良い場所で開業できる、サポートが充実していることです。
開業資金は決して安くありませんが、景気動向にも大きく左右されないので、安定した売上が見込めます。
フランチャイズカフェの開業で失敗しないためのコツ
・競合と差別化を図る
・居心地のいい雰囲気作りに徹する
・サポートや研修制度を最大限活用する
失敗しないフランチャイズ本部の選び方
・知名度やブランド力のある本部を選ぶ
・契約内容やサポート制度に納得のいく本部を選ぶ
・初期費用や運営費用を抑えることができる本部を選ぶ
・他社と差別化できており収益化が見込める本部を選ぶ
・自分の価値観や理念と合った本部を選ぶ
詳細は本文で解説しているので、フランチャイズでカフェを開業したい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。