フランチャイジーとは?フランチャイザーや代理店との違いを解説
フランチャイズ
フランチャイズ本部構築に必要な機能や手順・失敗しないコツを解説
フランチャイズビジネスに関しては聞いたことがあっても、フランチャイズ本部を構築していくための方法を知っている人は少ないでしょう。自店舗が上手くいってフランチャイズ展開を考えている方は参考にしてください。
この記事では、フランチャイズ本部構築に必要な機能や手順、失敗しないコツなどについて解説します。
この記事の目次
フランチャイズとは?
フランチャイズは開業するための1つの手段です。ここでは、フランチャイズの意味や本部と加盟店のそれぞれの役割についてお伝えしていきます。
フランチャイズの意味
フランチャイズとは、フランチャイズ本部が自らの商品やサービスを提供するために、加盟店(他の事業者)に対して事業ノウハウやブランドの使用権を与え、その代わりに加盟金やロイヤリティを得るビジネスモデルのことです。
本部は継続的なサポートを提供し、加盟店は事業の運営を行いながら一定の料金を支払います。
フランチャイズ本部の役割
フランチャイズ本部の役割は、加盟店が売上を上げるための土台を作ることです。
まず、本部は加盟店に対して経営戦略やマーケティング戦略、教育などの事業ノウハウを提供します。また、ブランドの統一性を保ちながら、新しい商品やサービスの開発も行います。
それらの継続的なトレーニングやサポートを通じて、加盟店が成長できるよう支援することが大きな仕事です。
フランチャイズ加盟店の役割
一方で、フランチャイズ加盟店は本部が提供するノウハウを元に、実際の事業運営を行います。
商品やサービスの提供だけでなく、本部からのガイダンスに基づいて経営を行い、ブランド価値を維持・向上させることが求められます。
加盟店は本部からの支援を受けつつ、地域の特性や需要に合わせて柔軟に対応することが重要です。
フランチャイズ本部の構築に必要な8つの機能
フランチャイズビジネスを構築するためには、どのような機能が必要なのでしょうか。本部として機能するために必要な要素を8つに分けてて解説します。
商品・サービスの開発
フランチャイズ本部は、新しい商品やサービスの開発に重点を置くべきです。
これは、常に市場の動向を把握し、顧客から必要とされる商品やサービスを維持していかないといけないということです。
集客などを行う際にも商品力やサービスの質は重要になってくるので、商品やサービス開発はし続けるべきです。
変化・維持機能
市場や顧客のニーズは絶えず変化します。フランチャイズ本部は、変化に対応し、同時に既存のビジネスモデルやブランド価値を維持する能力が必要です。
変化に適応することで、フランチャイズ全体が常に成長し続けることができます。
教育・指導機能
加盟店の成功は、本部が提供する教育と指導に大きく左右されます。
初心者でも理解しやすいトレーニングプログラムや指導体制を整えることで、加盟店は本部のサポートを受けながら効果的な経営を行うことができます。
開業前の研修や成功事例を共有することで、初心者でも実践的なノウハウを得ることができるでしょう。
運営サポート機能
運営サポート機能は、加盟店が日々の業務をスムーズに行えるよう支援する重要な要素です。
加盟店に指示するだけでなく、実際に店舗視察を行いチェックしたうえで、具体的なアドバイスを行うと売上が向上しやすいです。
また、トラブルや問題発生時にすぐに対処できるサポート体制を整えることも重要です。
店舗開発・拡大機能
フランチャイズ本部は、新規加盟店の開発と拡大を促進する機能を備えるべきです。
これには、適切な地域選定や物件選び、加盟店の集客力が必要です。どれだけ良い土地や物件を見つけても加盟店候補がいなければ事業を拡大できません。
また、加盟店候補がたくさんあってもいい条件の物件がなければ、事業をスタートできません。
そのため、それぞれに組織を作り専門的に行う必要があるでしょう。
供給機能
本部は、加盟店に対して必要な商品や原材料の供給をする必要があります。これにより、加盟店は品質や納期に不安を抱えることなく、事業を安定して展開できます。
これは、飲食店や小売店では特に大事で、供給が上手くいかなければ事業がストップしてしまうので、注意が必要です。
情報・ITシステム機能
効果的な情報管理とITシステムは、フランチャイズ本部のスムーズな運営に不可欠です。
加盟店と情報共有やコミュニケーションをとるためのシステムやデータ分析を行うツールを導入することで効率的に事業を展開できます。
近年ではIT化が進んだことでリモートでの作業も多くなり、ITやWEBに一層力を入れたシステムが必要です。
マーケティング機能
フランチャイズ本部は、全体のブランド力を向上して集客するための積極的なマーケティング活動を展開する必要があります。
広告戦略やキャンペーンなど、加盟店全体の集客力を向上させる取り組みが求められます。
フランチャイズの代表的な業種3選
フランチャイズの中には様々な業種があります。その中でも、フランチャイズの代表的な業種として、飲食業、小売業、サービス業に焦点を当ててみましょう。
飲食業
飲食業は、フランチャイズの代表的な業種の一つで、有名なファーストフードチェーンやカフェなどがその例です。
有名店であれば、どこのエリアでも顧客から安心感を感じさせることができるので、成功しやすいです。
小売業
小売業もフランチャイズが多く展開されている業種の一つで、有名な衣料品店やコンビニなどがその例です。
商品仕入れや販売方法などが確立されており、ブランド力を維持しやすくなっています。
サービス業
サービス業もフランチャイズが成功している業種の一つで、美容室や教育機関、ハウスクリーニング店などがその例です。
飲食業や小売業に比べるとスタッフやコミュニケーション力に多少売り上げが左右されますが、フランチャイズに加盟することで一定以上の成果を上げやすくなっています。
フランチャイズ本部のメリット3選
フランチャイズビジネスは、加盟者が本部のブランドやサポートを受けながら事業展開する仕組みです。ここでは、フランチャイズ本部が持つ3つのメリットに焦点を当ててみましょう。
店舗拡大コストの削減ができる
フランチャイズ本部がフランチャイズ展開するメリットの一つは、店舗を拡大する際のコストを大幅に削減できることです。
例えば、直営店として新規店舗を出店する場合、建物の購入やリース契約、内装・設備の整備など多岐にわたる費用がかかります。
しかし、フランチャイズで店舗拡大していくことで、これらの初期費用や運営コストを加盟店側で負担するので、直営店で展開するよりも大幅なコスト削減が実現できるのです。
加盟金とロイヤリティで稼げる
フランチャイズ本部は、加盟店から加盟金やロイヤリティを受け取ることによって利益を上げることができます。
加盟金は新しい加盟店がフランチャイズに参加する際に支払うものです。ロイヤリティは加盟店が毎月決められた金額を本部に支払うものであり、本部はこれらによって収益を安定させます。
また、サポートやノウハウ提供は行うものの、店舗の運営自体は加盟店側が行うので、効率よく稼ぐことができます。
ブランド力を向上できる
フランチャイズ本部は加盟店を増やしていくことで店舗数が増え、多くの方に認知されていきます。
そこで、良い評判をもらい、信頼を勝ち取っていくことでブランド力を向上できます。
フランチャイズ本部のデメリット2選
フランチャイズ本部には素晴らしいメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、その中から2つのデメリットに焦点を当ててみましょう。
システム構築に時間やお金がかかる
フランチャイズ本部がビジネスを展開するためには、しっかりとしたシステムを構築する必要があります。
このシステムには、経営ノウハウやトレーニングプログラム、品質管理の仕組みなどが含まれます。しかし、これらを構築するには時間と資金が必要です。
そのため、数ヶ月や年単位で事業展開計画を立てましょう。
加盟店のトラブルの責任を取らないといけない
フランチャイズビジネスでは、加盟店がトラブルや問題に直面した際に、本部がその責任を負わないといけないケースがあります。
そして、トラブルが大きい場合、他の加盟店にも影響が出てくることもあります。そうなると、全体的な売上が下がり、事業の継続もできなくなることもあるでしょう。
フランチャイズ本部を構築する手順
フランチャイズビジネスを本部として展開するには、慎重な計画と準備が必要です。以下では、その手順についてわかりやすく解説します。
事業計画を考える
まず最初に、フランチャイズ本部を構築するためにはしっかりとした事業計画が必要です。
事業計画は本部側の計画と加盟店側の計画の両方を考えないといけません。
本部側の事業計画は、一つの店舗でのどれくらい稼げるか、黒字化できる店舗数、目標などを考えましょう。
加盟店側の事業計画は、初期費用や運営費用、どれくらい稼げるか、初期費用の回収時期などを考える必要があります。
店舗でテストする
次に、本部が提供する商品やサービスを店舗でテストすることが大切です。
これは、ビジネスモデルやサポートシステムが実際の運営で機能するかどうかを確認するためです。
これは既存店舗か新規店舗どちらでテストしてもいいですが、既存店舗でテストをすると新店舗と状況が異なる場合があるので、新店舗でテストすることをおすすめします。
システム構築を行う
フランチャイズビジネスはシステムの効果的な構築が重要です。
システムには経営ノウハウやトレーニングプログラム、マニュアル作成、適切なサポート機能などが含まれます。
未経験者でも事業を行うことができるように作成しましょう。
契約内容を決める
加盟店との契約内容は、フランチャイズビジネスの基盤です。
契約には加盟金やロイヤリティの取り決め、事業・サポート内容、契約期間などが含まれます。
フランチャイズでは本部と加盟店側でトラブルになりやすいので、しっかり作らないといけません。契約書は弁護士などに確認してもらうと良いでしょう。
加盟店を集客する
最後に、本部は加盟店を集客するための戦略を検討します。主にWEBやSNS集客がメインとなりますが、地域に合った広告方法を試しましょう。
加盟店が見つからないと収益化できないので、力を入れて取り組むことが重要です。
フランチャイズ本部の構築で失敗しないためのコツ
フランチャイズ本部を構築するためには、特定のコツやポイントがあります。ここでは、その中でも特に重要な3つの要素に焦点を当ててみましょう。
再現性の高いシステムを構築する
フランチャイズ本部を構築する際、再現性の高いシステムを構築することが不可欠です。
再現性が高いと、すべての加盟店が一貫性を持ち、お客様が期待する商品やサ-ビスを提供できます。
逆に、事業主の経験やスキルによって大きく売上が変動するようなビジネスの場合、未経験者が参入しにくくなるので、誰でも取り組みやすいことを意識して構築していきましょう。
未経験でも始められる教育システムを構築する
フランチャイズビジネスは、未経験者でも参加できる魅力があります。しかし、成功するためには適切な教育システムが欠かせません。
未経験者でもわかりやすいトレーニングやマニュアルが整備されていることが大切です。
マニュアル作成の際にも難しい言葉を使わずに、誰でも理解しやすいように作成しましょう。
サポート制度を整える
フランチャイズ本部は、加盟店を成功に導くための強力なサポート制度が大事です。これには、開業前(後)研修や運営サポート、集客活動などが含まれます。
加盟店が困ったときに頼りになる本部であり続けることで、加盟者からの信頼が高まり、新たな加盟店が増えていくでしょう。
まとめ
本記事では、フランチャイズ本部について詳しく解説しました。
フランチャイズ本部の役割は、加盟店が売上を上げるための土台を作ることです。加盟店が事業をしっかりできるような制度を構築しましょう。
フランチャイズで事業を行うことで、コスト削減やブランド力の向上ができるのがメリットです。
フランチャイズ本部の構築に必要な8つの機能
・商品・サービスの開発
・変化・維持機能
・教育・指導機能
・運営サポート機能
・店舗開発・拡大機能
・供給機能
・情報・ITシステム機能
・マーケティング機能
フランチャイズ本部の構築で失敗しないためのコツ
・再現性の高いシステムを構築する
・未経験でも始められる教育システムを構築する
・サポート制度を整える
詳細は本文で解説しているので、フランチャイズ本部について知りたい方は参考にしてください。
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この記事の執筆者
フランチャイズ支援歴10年
松田 和也
大阪大学人間科学部卒業後、大手フランチャイズ本部の加盟開発担当として新卒入社。その後SVとして10年間従事し、フランチャイズオーナーの経営指導に携わる。過去100名以上のフランチャイズオーナーを支援し、撤退率3%以下の実績を持つ。2022年1月にいくらやフランチャイズ立ち上げメンバーとして参画。